2015年の中国消費を振り返って
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3つ目は、サービス消費の増加だ。飲食、娯楽、旅行関連消費は安定した伸びを示し、飲食業の売上は11.7%増、そのスピードは前年よりさらに2%上昇した。中でも一定の売上額を有する店舗の売上の伸びはより大きく、13.6%であった。映画のチケット売上高は440億元を超え、前年比で50%近く増加、国内旅行に出かけた人の数は40億人で総収入は4兆元を超えた。
加えて農村や内陸部の消費加速。農村部の消費財の小売額は前年比11.8%増の4.2兆元で、社会消費財小売総額の13.9%を占めた。その成長速度は2013年以降継続的に都市部を上回っている。中西部地区の成長も注目に値する。商務部重点管理企業の2015年の売上の伸びは、中部及び西部地区が東部地区よりそれぞれ1.2%及び0.9%大きかった。
2016年も経済は停滞傾向、消費は引き続き増加の見込み
2016年のGDP予想は6.5%を下回らない見込みとは言え、現在の状況から見て経済の状況が予断を許さないことは変わらない。しかしながら、消費に関しての見通しは引き続き明るいようだ。ボストンコンサルティングがアリリサーチと共同で公布した「中国消費傾向報告――三大新興勢力が消費新経済をけん引」によると、中国の消費市場の成長速度は今後も世界のトップレベルを保ち、個人消費は年平均9%前後の速度で成長を続けることが見込まれている。今後5年間における国内消費市場の伸びは2.3兆米ドルに達すると予測されるが、これはドイツやイギリスの消費規模の1.3倍に当たる。2020年には個人消費は6.5兆米ドルに達すると予想されている。
また、中国の消費の成長は今後もGDPの伸びを大幅に上回るが、その主な推進力となるのが富裕層、新世代消費層、及びネットショッピングだという。年収が24,000米ドルを超える富裕層は増加を続けており、2020年には1億戸に達する見込みだ。これは現在の約2倍に当たり、その消費も毎年17%の速度で成長を続けると予想される。また、18歳から35歳の「新世代」は50~70年代生まれに代わり今後の消費の主役となっていくだろう。
さらに個人のネット消費も伸びが期待される分野である。2010年には個人消費の3%に過ぎなかったが、2015年、ネットショッピング人口は約3倍に増え、売上も4.1億元に達し、個人消費総額の15%を占めるに至っている。今後も2020年まで毎年21%の速度で成長を続け、個人消費の24%を占めるようになると予想される。その規模も1.6兆元に達する見込みだ。(続)
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