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大悦城(JOY CITY)が次世代の中国消費の指南役に (10)
若者に人気のキャラクター展で集客アップ
2016年6月21日

若者に人気のキャラクター展で集客アップ

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映画「ウォークランド」小道具展は大きな話題に
 大悦城では各種のテーマ展が頻繁に開催されている。主に18~35歳の主要ターゲット層が好むものを基準に、最新の映画、流行、話題を題材に選定する。例えば14年には台湾の人気絵本作家である几米の「世界的角落」、「トランスフォーマー」、「ハローキティ80日間世界一周」、「テディベア111周年記念」展など、15年には「ゴッホ」、「クレヨンしんちゃん25周年」、「ドラえもん45周年」、「スーパーマリオ30年」、「星の王子さまを探して」展など、16年に入ってからは「映画『ウォークラフト』小道具」展などが企画・開催された。これらはいずれも若者に人気のテーマであり、国際的にもハイレベルな展示は、メディアからの注目度も高く、ソーシャルメディア上でも話題を集め、多くの来場者が参観に訪れた。

 これらの展覧会は有料と無料のものがある。例えば14年に朝陽大悦城と瀋陽大悦城で開催された「ドラえもん」展では、50元で入場料と記念品がセットになったチケットを販売。15年に上海で開かれた「スーパーマリオ」展や瀋陽での「クレヨンしんちゃん」展も有料だった。このようなテーママーケティングは消費者に強い印象を残し、顧客の大悦城へのリピート率を高めるのにも役立っている。クチコミ効果やチケットの売上による収益もあり、全体の売上や来場者数にも大きく貢献した。

テナント募集原則「3:4:3」と業態構成「7:3」とは?

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大悦城の30%は新しい業態を取り入れている
 現在、大悦城のテナント募集は「3:4:3」の原則、即ちポジショニング型ブランドが30%、人気ブランドが40%、残る30%は地域の特色を生かしたブランドという構成に則り、全体の売上向上を図っている。第一類(30%)は最も核心的なブランドで、大悦城のブランドカラーを体現するグループだ。大悦城は彼らと戦略的に提携し、大悦城のポジショニングとブランド構成を実現させている。第二類(40%)は高い売上を誇るブランドで、大悦城ともすでに安定した提携関係を築いている。第三類(30%)は地方の特色と消費ニーズを組合せ、当地のカラーと新鮮さを打ち出すグループだ。テナント誘致の決定と管理は、各地のプロジェクトチームと本部の管理センターが共同で行っており、第一類及び第二類については本部が主導的役割を果たしている。本部は各地のプロジェクトチームに対してブランド候補リストと意見を提出。第三類については、各地が主導。天津大悦城、成都大悦城、上海大悦城2期はいずれもこの3:4:3の原則に則ってテナント募集を行った。

 全体の業態構成については「7:3」のルールを採用している。即ち、70%の常態業態と30%の新業態を意味し、70%の常態業態には小売、レストラン、生活施設等が含まれ、店全体の経営的支柱となっている。残る30%の新業態とは上海大悦城の観覧車、「摩坊More Fun166」ストリート、天津大悦城の「騎鵝公社」などショッピングセンターのセールスポイントとなり、特定の若者層を惹きつける施設等が含まれる。これまでの実績から考慮すると、この「3:4:3」のテナント募集原則と「7:3」の業態構成ルールは実際に効果を上げていると言えるだろう。(続)

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