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中国発の100円ショップ「名創優品(メイソウ)」(1)
高品質低価格でネットショップに対抗し大ブレイク
2016年8月8日

 

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「高品質・低価格」をコンセプトに10元の商品を数多く取り揃える
  ここ数年、上海、北京、広州といった一線級都市ばかりでなく、杭州、南京、武漢、成都等の二線級都市でも、若者の集まるエリアや人気のショッピングモールなど至るところで「Miniso名創優品」の店舗を見かけるようになった。出店密度は極めて高く、1つの通りに何店舗もあったり、なかには2店舗が向い合っているケースもある。赤地に白のロゴデザインはユニクロを彷彿とさせ、遠くからでも人目を引く。どの店舗も伝統的な市場のように多くの客で混雑し、熱心に商品を選んでいる光景が当たり前となっている。

日本の100円ショップのコンセプトをコピー

  「名創優品」(メイソウ)は、日本の100円ショップによく似た生活雑貨専門店だ。扱う商品は日用雑貨、コスメ類、収納類、文具・ギフト、デジタル関連製品、食品など多岐にわたり、価格はほぼ全て10~29元におさえられている。なかでも10元の商品が特に多く、コンセプトは「高品質・低価格」。これまでの安売り店とは異なり、店舗は明るくシンプルにデザインされ洗練されている。

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主なターゲット層は18~35歳の経済的にゆとりのあるホワイトカラー
  主要なターゲット層は18~35歳の経済的にゆとりのあるホワイトカラー。2013年11月に中国1号店をオープンしてから現在まで、わずか2年余りで、世界中に1400店舗を数える。進出先は香港、マカオ、シンガポール、クアラルンプール、ドバイ、ロサンゼルス、サンフランシスコ等。中国国内ではすでに1100店を超えている。15年末には売上も50億人民元を突破。実店舗がネット通販の影響で大きな打撃を受け、デパートや専門店の多くが閉店に追い込まれている今日、その風潮に逆らうかのようなメイソウの躍進は大きな注目を集めている。一体どのようにしてこの成功を実現したのだろうか?
メイソウの創業者は湖北省出身の葉国富氏。メイソウ設立以前に小売業界で10年以上のチェーン店経営の経験を有する彼は、アクセサリーブランド「哎呀呀(アイヤーヤー)」を立ち上げ、中国の二・三線級都市で多くの店舗を展開している。

  メイソウ設立のきっかけは3年前の日本旅行だった。日本で多くの100円、200円ショップを目にした葉氏は、その商品の大部分が中国製である点に目をつけた。100円は人民元の6元程度、200円は12元程度。この価格帯で品質も良い商品なら、中国でも人気を得るに違いないと確信した彼は、このコンセプトを中国市場に取り込むことを決意した。こうしてメイソウが誕生した。ブランドイメージを確立するため、日本のデザイナーと提携し、日本にも会社を設立。「デザイン・イン・ジャパン」を謳い文句に、「日本風」であることを強調した。

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