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2015年の中国外資系スーパー総合評価 (1)
三線・四線級都市と新業態が成長トレンド
2016年9月6日

 

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スーパーに足を運ばなくなった若者が急増、実店舗型スーパーの顧客減は深刻に
  ウォルマートやカルフールなど外資系スーパー大手の中国での出店動向は、これまで都市の経済発展の状況を示す重要な指標の1つだった。小売業界では投資の際の判断基準にすらされていた。しかしながらここ数年、その外資系スーパーが大きな岐路に立たされている。ネットショッピングによる打撃を受け、2012年以降閉店が急増、調整期に入っているのだ。

  戦略コンサルのベイン・アンド・カンパニーとマーケティングリサーチのカンター社が共同で行った消費者指数統計によると、14年、中国の家庭が大型ショッピングセンターを利用した回数は前年比で5%減少、1回の購入件数でも昨年を下回った。マッキンゼーのデータによると、2015年における中国のインターネット消費者群のうち、実体店でも買物をした人の割合は16%に留まった。若者はスーパーに足を運ばなくなり、実店舗型スーパーの顧客減は深刻だ。

  不完全な統計ながら、2012年には外資系の大手スーパーチェーンが26店舗を閉店、更に13年には31店、14年には上半期だけで118店が閉店している。うち、ウォルマートが14店、カルフールが4店、TESCOが6店だった。

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2015年の外資系スーパーの出店数は、ウォルマートがリート
 3年の調整期間を経て、2015年、外資系スーパーは転換期を迎えている。閉店する店舗は未だに後を絶たないが、潜在的市場を求めて新規の開店も相次ぎ、多元化への方向転換が進みつつある。例えばコンビニエンスストアなどの小型店舗やオンラインとオフラインを結び付けた手法等だ。

 カンター社の消費者指数報告によると、2015年の中国の主要な外資系小売企業のシェアは16.6%で、依然として小売市場での主導的地位を占めている。続いて、15年の各外資系スーパーの出店・閉店動向やその経営状況から、中国における今後の潜在市場がどこにあるのかを読み解いてみよう。

1) 出店数はウォルマートがリード、次いで大潤発、出店先は華東地区が最多
2015年12月31日現在、中国における主要な外資系スーパーの出店数は以下のとおり。ウォルマート433店、大潤発(RT-MART)335店、カルフール235店、ロッテマート100店、LOTUS(卜蜂蓮花)82家、METRO 82店、AUCHON 74店。出店数の最も多い地区は華東と華南地区だ。詳細は以下のとおり。

表一:2015年 中国における主要外資系スーパー出店数
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2) 売上では大潤発がトップ、カルフールの衰退続く
大潤発は2010年以来、ウォルマートやカルフールを抑え、中国国内における外資系スーパーの売上のトップを走っている。15年も大潤発の親元である高鑫集団が外資系スーパーの首位の座を保ち、次いでウォルマートがその後を追っている。カルフールの売上は14年比で12%下落した。
表二:2015年 中国における主要外資系スーパーの売上
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