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ローソンが進出する出店伸び率32%の巨大都市「武漢」(1)
武漢、全国で最もコンビニの出店数が伸びている都市
2016年10月4日
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武漢のシンボル「黄鶴楼」
  重慶、南京と並ぶ中国三大火爐として、夏の厳しい暑さで知られる湖北省の省都・武漢。交通の要所であり、内陸流通のハブとして古くから発展してきた。日産自動車やホンダの合弁先である東風集団などが拠点を置く、中国有数の工業都市でもある。武漢は、長江を挟んだ漢口、武昌、漢陽の三市が1927年に統合して誕生した、人口1033.8万人(14年末時点)を有する巨大都市だ。市全体の総面積も8494㎡で、上海(6340㎡)と比べてもその広大さが際立つ。

  沿岸部の経済急成長の波に乗り遅れた武漢は独自の発展を強いられた。武商集団など地場系大手が牛耳る小売・流通市場がそのいい例だ。百貨店からスーパー、量販店を満遍なく展開し、“陸の孤島”的によそ者は受け入れないという内陸部特有の閉鎖感すら感じる。しかし、交通網の発展やネット(スマホ)の普及に伴い、徐々に多様化が進み、現代化の波が一気に押し寄せている。その象徴が日系のイオンや家具メーカーのスウェーデン系イケアが運営するショッピングモールだろう。

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南寧(広西省)から満を持して武漢に進出、新形態のコンビニとして勢力を拡大中の「Today(今天)」
  こうしたトレンドはコンビニ業界でも始まっている。02年に国有資本系流通大手の中百集団が初の24時間営業コンビニ店「好邦」をオープンしたのが武漢コンビニの始まり。その後、地場民営系の可多、慕臣、天富、快七などが進出したが、いずれもいわゆる“パパママ”的なミニスーパーの域を越えていなかった。流れを大きく変えたのは、14年に進出した「Today(今天)」だ。

  中国連鎖経営協会の「2016中国城市便利店発展指数」によると、武漢はハルビン(黒竜江省)と長沙(湖南省)と並び、全国で最もコンビニの出店数が伸びている都市。伸び率は実に32.3%だ。日系ではローソンが中百集団と提携し初進出するが、Today後のここ2年間が急拡大期となっている (続)。

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