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出前アプリ大手3社「百度外売」「美団外売」「餓了么」徹底研究 (10)
ホワイトカラーと高級市場路線で他を追随する「百度外売」(1)
2016年12月16日
 
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百度外売に加盟レストランはだれでも名前を聞いたことのある著名の家庭料理やチェーンレストランが多く
百度外売は、中国ネット検索サービス最大手の百度(バイドゥ)が打ち出した出前アプリだ。2014年5月に正式に運営をスタート、3大アプリの中では最も歴史が浅い。中高級のホワイトカラー市場を主要なターゲットにしている。注文はウェブサイト、アプリ、更には地図アプリ「百度地図」にある「附近」機能を使って行う。つまり、百度の検索プラットフォームと百度地図を利用したO2Oサービスだ。

  加盟レストランはだれでも名前を聞いたことのある著名の家庭料理やチェーンレストランが多く、信用度の面でも安心感がある。また、百度外売の「土豪特供(成金特別提供)」は、餓了么の「土豪推薦」に比べより“土豪”的で、高級感のある中華、西洋料理、日韓料理、火鍋、軽食、特色レストラン等バラエティに富む。会社の食事会などにも都合がいい。

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百度外売の配達員はレストランでオーダーを待ってる様子
  16年6月時点で、すでに140あまりの大・中都市に進出し、5,000万人のユーザーがいる。市場シェアでは餓了么と美団に及ばないものの、中国の40大都市のホワイトカラーのシェアではすでにトップとなっていf「8る。また、iOSデータの分析プラットフォーム「ASO100」の統計によると、百度外売はApp Storeのランキングでも長期間高い人気を誇り、現在も無料アプリランキングの第34位に位置している。ちなみに餓了么と美団はそれぞれ第41位と第89位だった。

  ポジショニングの面では、当初から「高品質ユーザー+高品質レストラン+高品質物流」戦略を採用、ターゲットは学生ではなくホワイトカラーだ。ホワイトカラーは客単価が高く、消費能力もより高い。体験を重視し、リピート率も高いのが特徴だ。また加盟レストランに対する厳しい選抜を実施、違法経営の店は拒絶し、加盟店に対し階級を設定する等クオリティウォッチャーとしての役割も果たしている。結果的に加盟店には質の良いレストランが集まっている。

  物流は、サービスの質を保証するために100%自社物流を採用している。配達専門員+システム管理により配達を徹底管理、「9540」(配達予定時間達成率95%、配達所要時間40分)を目標に設定している。配達の手配はビッグデータとクラウド・コンピューティングを利用、スマート管理を行い、多くの配達員の中から最適人員を選択、最適ルートを指示する。中国トップレベルの百度地図のLBS、POI、オンタイムの交通データを利用して効率を算出、更に4分毎に1日の注文数の試算を行い、データに調整を加えている。30あまりの物流関連特許技術を導入するなど、極めて先進的だ。(続)

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