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中国アウトレット業界徹底研究 (1)
中国消費現場の新たな潮流として全土に急拡大
2017年1月20日

 

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2015年の中国アウトレットの売上は全体で約700億人民元、爆発的成長期を迎えた
  ここ数年、中国各地にアウトレットモール(中国語では「奥特莱斯」と呼称)が“雨後のたけのこ”のごとくオープンし、ショッピングモールに続く人気の小売業態となりつつある。数年前に、筆者が各地のアウトレットを取材したときには、どこも客足が悪く、寒々とした印象で、業績も芳しくなかった。ところが2015年に入り、アウトレットは新規オープンのプロジェクト数、それら成功率、また業界全体の売上や成長速度の面で、大幅な上昇傾向を示し始めた。

  15年の中国アウトレットモールの売上は全体で約700億人民元。 そのうち、年間売上が8億元を超えたモールは17件で、その営業額は計350億元に達した。アウトレットという業態が中国消費者に徐々に認識され、また受け入れられつつあるなか、同市場はついに爆発的成長期を迎えたといってよいだろう。

アウトレットモールの開店数が年々増加

  中国百貨商業協会が公表した「2015年中国百貨業界発展報告」によると、全国150にのぼる百貨店チェーン企業が2011~15年の5年間で、各年10、15、22、40、100の店舗を閉鎖した。このような百貨店業界の閉店トレンドが続くなか、アウトレットモール業界では逆に1件、また1件と新店舗がオープンしている。

  不完全な統計ながら、15年に全国で開業したアウトレットモールの数は30に達し、過去に比べて明らかな増加傾向にある。なかでも大型のアウトレットチェーンのシェアが大幅に増加している。代表的なものとしては、南京湯山百聯奥特莱斯、南京湯東郊奥特莱斯、蘇州昆山首創奥特莱斯、南京砂之船奥特莱斯、太原王府井奥特莱斯などがある。

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2016年に上海ディズニーリゾート内にオープンした上海弈欧莱奥特莱斯
  2016年もこの傾向は継続し、11月9日までの時点において、全国で23の大・中型アウトレットモールがオープンした。常州月星環球港、杭州銀泰下沙奥特莱斯、合肥砂之船、台湾林口三井奥莱、鄭州杉杉奥特莱斯広場、武漢緑地城欧鎮奥特莱斯、北京昌平楽多港假日広場奥特莱斯、成都優客城市広場、長沙時代奥特莱斯、上海弈欧莱奥特莱斯などで 、総建築面積は314.1万㎡超(駐車場を含む)に達している。

  年内にはさらに19のアウトレットモールがオープンする予定で、商業面積215万㎡の増加が見込まれている。例えば、国内外の一流ブランド500社を集めた昆明砂之船芸術商業広場、石家庄北国集団傘下で初のアウトレットテーマパークである北国奥特莱斯、銀泰グループ初の大型アウトレットである温州銀泰大西洋城、寧夏初のアウトレットモールとなる銀河建発大閲城王府井賽特奥莱、さらには韓国系の衣恋(E-Land)集団が打ち出す4つの城市(都市)優客広場などだ。

  さらに、2017年にも、全国で37のアウトレットがオープンする予定で、商業面積は681.43万㎡の増加となる。なかでも最も勢いがあるのは中国国内でアウトレットを専門に展開する首創集団だ。武漢、鄭州、長沙、杭州、西安、南昌、寧波の7つのプロジェクトの開業を控えている。また、アウトレットの“大御所”である百聯と砂之船もそれぞれ3つのプロジェクトの完成を待っている。(続)

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