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2016年中国消費トレンド番付 (1)
横綱はネット通販の大型キャンペーン「双11」と「京東618」
2017年2月16日

中国消費は「スマホアプリ」と「コト」がキーワードに

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  景気減速も何のその。拡大が続く中国消費だが、市場全体が一様に膨らんでいるわけではない。1990〜2000年代の改革開放による経済成長が一段落し、高級ブランドや白物・黒物家電など生活必需品の大衆消費も“満たされた”。2010年代に入り、より各人の趣向やニーズに合ったもののみを購入する傾向にあり、自分の好きな(ほしい)モノやサービスに対する値段は厭わない。

  情報収集の手段も、伝統的なテレビやラジオからパソコンや携帯電話にシフト。さらには昨今のスマートフォン(スマホ)普及に伴い、中国全土、老若男女問わず、スマホでの情報収集及び伝達がもはや当たり前の時代に。さらに16年には全国民がといっても過言ではないほど隅々にまで普及したスマホをベースとした、各種ビジネスやサービスが相次いで生まれ、決済や交通など社会的インフラにまで浸透。スマホなしでは“生きていけない”とは言い過ぎでも、スマホひとつで“生きていける”ほどのスマホ経済・生活圏が形成された。

  このように中国消費が質・量ともに変化していく中、16年に特に注目すべきトピックやトレンド、モノ、サービス、イベントなどについて「番付」にまとめた。中国現地からの現場目線で、特に中国消費に影響を及ぼした事象や流行について、弊社の独断と偏見でランク付けしている。

横綱はネット通販の大型キャンペーン「双11」と「京東618」

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単日で1207億元(約2兆円)の取引額を記録した「双11」を東の横綱として選出
  まず栄えある横綱として選んだのが、東「双11」、西「京東618」だ。特に「双11」は、昨年、一昨年ともに日本をはじめ世界中でも注目され、別に16年の目新しいトピックというわけではない。 が、16年の取引実績も単日で1207億元(約2兆円)と驚異的な数字。話題性としての新鮮さはないとしても、やはり中国消費や世界に与えた影響力やインパクトさを考えると、横綱として選出せざるをえなかった。特に16年は越境ECの天猫国際での取引増を当初から目標とし、実際に日本からの商品が国別でナンバーワン、商品別でもユニ・チャームや花王のオムツ、ミキハウスの福袋などがトップ10にランクインするなど、日本企業にとっても注目せざるをえないトピックとなった。

 
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「京東618」は「双11」に次ぐ中国最大のネット通販キャンペーン
一方、西には双11ほどのインパクトはなかったが、それに対抗する新たな一大キャンペーン日として徐々に浸透する「京東618」を敢えて横並びにした。 04年に家電やIT系のネット通販からスタートした京東(JD.com)。その創業日である6月18日を記念に始めたキャンペーンだが、16年には6月1日〜18日の期間中に受けたオーダー数が累計1億件を超えた。アリババ系淘宝及び天猫の最大のライバルと目されるB2Cのプラットフォームとして成長。テンセント(騰訊)からの出資も受け、微信やQQとの連携で今後どのような展開を見せるのかについての期待も込めて横綱とした。

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