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会員からのQ&A
越境EC新興アプリ3社のリサーチ~小紅書 (1)
2017年4月4日
【小紅書】
企業概要
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コミュニティ型のECコマースサイト「小紅書」
  小紅書の設立は2013年6月。コミュニティ型のECコマースサイト。二つの部分で構成され、ユーザーによる海外通販情報の交流コミュニティと、越境ECコマースサイトから成る。当初はコミュニティのみで開始され、海外通販情報のコミュニティ上でのシェアを特色としている。この点は他のサイトには見られない。数千SKUしか売っていないにも関わらず、億単位の売上を記録している背景には、ユーザーの推薦と投票を通じて、販売する商品が決定される仕組みがある。

  販売はB2Cモデルを採用し、海外のブランド販売店や大型商社と提携し保税倉庫経由又は海外からの直送方式で商品を消費者に届ける。オーストラリアの健康食品ブランド「Blackmores」、日本の化粧品ランキングサイト「@cosme 美容大賞」、ドラッグストアチェーン「麒麟堂」、松下電器、タイガー、カシオなど多くのブランドや商社と提携。小紅書のECコマースサイトは15年に運営をスタート、同年9月には売上が7億元を突破した。15年6月6日に開始された創業記念セールには、アプリのダウンロードランキングで4位を記録、生活関係のアプリでは2位を記録した。
なかでも海外通販情報の交流コミュニティは、小紅書の核心となる機能であり、競争力の拠り所でもある。現在小紅書はコミュニティ+越境ECコマースという業態の代表的存在であり、垂直型越境ECコマース領域では総合トップに立っている。16年の売上は20億元に達することが見込まれる。従業員数は現在約300人。

融資状況
  2014年3月、金沙江創投と真格基金から数百万ドルのAラウンド融資を獲得。15年にはGGV紀源資本が主導する数千万元のBラウンド融資も獲得している。

運営と物流
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小紅書のECはB2Cの自営モデルを採用
  小紅書のECはB2Cの自営モデルを採用し、海外ブランドや大手商社と直接提携している。また自社の海外倉庫、国内倉庫及び保税倉庫(鄭州、深圳)を持ち、国内で商品を宅配業者に渡すまでの全過程を完全管理している。

ユーザー
  2015年9月、小紅書の登録ユーザー数は1500万人に達した。その82%超が「85後(1985年以降生まれ)」であり、さらにその半数は「90後(1990年以降生まれ)」であるという。16年の年末には2400万人に達することが見込まれている。大都市のホワイトカラーや公務員、留学生がメイン。都市部のホワイトカラーと公務員は安定した収入を持ち、生活の質を追求する傾向が強い。海外留学生は、「買物記録」の主な執筆者でもある。彼らは海外の商品に詳しく、またその情報をシェアすることを好む。

  小紅書のユーザー像は、生活を愛し、旅を愛する高収入層。海外の商品に強い好奇心を持ち、生活の質を追求する。価格にはそれほど執着せず、二線三線級都市のユーザーの消費も一線級都市居住者に匹敵する。1人当りの月注文回数は2.6回。小紅書は純粋なモバイルネットワーク企業であり、注文は100%モバイルデバイスから行われている。客単価は200元以上。

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