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16年の総括から考察する17年の中国消費トレンド分析 (6)
引き続き人気の越境ECだが、新政策への注意も (1)
2017年4月21日

  消費のアップグレードと越境ECプラットフォームが普及した結果、2016年の越境EC企業の増加には目を見張るものがあった。iiMedia Research(艾媒咨詢)が公表した「2016~2017中国越境EC市場研究報告」によると、16年の中国越境ECの取引規模は6兆3,000億元、13年の2倍以上となり、「海淘(「海外」+「淘宝」の造語で越境ECの意)」ユーザーの数も4,100万人に達した。また、18年には中国越境ECの取引規模は8兆8,000億元、「海淘」ユーザー数も7,400万人に達すると予想している。(図3:2013~2018中国越境EC取引規模及び予測/図4:2014~2018中国海淘ユーザー規模及び予測)。

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  現在、中国の越境ECプラットフォームの代表的なものとしては、網易考拉海購(シェア21.6%)、天猫国際(18.5%)、唯品会(16.3%)、京東全球購(15.2%)、聚美(12.4%)、小紅書(6.5%)、洋碼頭(5.1%)が挙げられる(図5:2016年中国越境ECプラットフォーム売上シェア)。「双十一」に対抗して開催された越境ECの「黒五(ブラックフライデー)」セールも、海淘ユーザーの大きな注目を集めている。中国電子商務研究中心(100EC.CN)の観測データによると、洋碼頭は16年の黒五セールの際、開始前の10分間で6,000万元を売り上げた。天猫国際も7時間で15年の取引額を超え、越境EC史上初めての売上1億元突破企業も出現した。
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  中国消費者の品質重視のトレンドにより、ベビー・マタニティ関連商品中心だった越境EC市場は、コスメ、デジタル製品、雑貨、服飾・バッグ類など全方位的に発展を遂げている。iiMedia Researchが中国スマホ越境ECユーザーに対して行ったアンケート調査によると、越境ECにおける人気ジャンルは、美容関連(43.2%)、ベビー・マタニティ用品(41.5%)、服飾・靴(38.2%)、バッグ・アクセサリー(33%)、生活・トイレタリ関連(28/8%)などとなっている。また健康・サプリ類は現在20.4%であるが、今後試してみたい又は今後もっと購入したいという回答が37.2%に達し、高い潜在力を秘めているジャンルだ(図6:2016年中国スマホ海淘ユーザーの主な購入商品分析)。
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