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16年の総括から考察する17年の中国消費トレンド分析 (10)
自転車シェアアプリが主導するシェアエコノミーがさらなる多様化へ (1)
2017年4月28日

 

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シェア自転車は街の風景をカラフルな雰囲気に変えた
  2016年に街に溢れたのは出前の配達員ばかりではない。色鮮やかなシェア自転車も新たな街の風物詩となった。上海を例にとると、オレンジ色のMobike、黄色のofo、青い小鳴、緑色の享騎出行という四大ブランドが、天気の良い日には街に溢れる。舗道、特にオフィスビルの集まるエリアには、並んで停車する自転車の列が続き、とてもカラフルだ。

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Bluegogo(小藍単車)はシェア自転車業界の新参者
  シェア自転車は16年に最も人気を集めた業種だ。16年初からの11ヶ月に、計15のベンチャー投資が行われ、その融資額は41.65億元にのぼった。ofoは16年9月、滴滴出行による数千万米ドルのC1ラウンド融資を受け、その後C2ラウンド融資も獲得、総額1.3億米ドルのCラウンド融資を受けた。Mobikeも9月末に紅杉(セコイア)中国、高瓴資本(ヒルハウスキャピタル)等から1億米ドルのCラウンド融資を獲得した。その後現れた玩家小鳴単車も10月に1億元のAラウンド融資を獲得。11月には野兽騎行が1.5億元のBラウンド融資の完了を宣言、傘下のBluegogo(小藍単車)を市場に全面投入した。

  シェア自転車のほか、シェアエコノミーの先駆的存在であるオンライン配車サービスの人気も依然として高い。中国インターネット情報センター(CNNIC)が公表した第39回「中国インターネット発展状況統計報告」によると、オンライン配車サービスのユーザー数は1.68億人、16年前半よりも4,616万人増で、37.9%増加している。

  モバイルビッグデータ観測プラットフォームのトラストデータ(TrustData)が公表した「2015~2016 中国オンライン配車アプリの発展トレンド」によると、現在中国の主要配車アプリには滴滴出行、易到用車、神州専車などがあり、滴滴出行の月間アクティブユーザー数は3,723万人、易到93万人、神州53万人に達している。16年8月には滴滴出行がUber(ウーバー)中国を買収、その絶対的な地位をゆるぎないものとした。

  16年8月に国務院の弁公庁が公布した「タクシー業界の健全な発展推進の改革深化の指導意見」では、条件を満たした自家用車は規定の手続を経てオンライン配車として稼働することができるとされ、オンライン配車が正式に合法化された。また、個人タクシーの相乗りも奨励されている。この新政策は11月1日から施行された。2020年にはオンライン配車サービスの潜在利用需要は1.1億回/日に達し、市場規模も約1兆1,000億元/年に達することが見込まれている。

  個人資産運用管理アプリの随手科技が公表した「2017若年層の消費トレンドデータ報告」によると、21~35歳の若年層はその他の年齢層に比べてシェアエコノミーの意識がより高いという。オンライン配車サービスが普及し始めた2014年と比べ、16年の1人当たりの利用額は62元から681元と10倍以上に増え、ユーザー数も17倍に増えた。シェア自転車も若者たちの短距離移動の際の恰好の交通手段となっている。特に月収3,000~4,999元の層は、シェア自転車利用の主力層であり、その割合は33.6%に達している。

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