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新しい商業モデルをリードする「盒馬鮮生」(1)
生鮮ネット販売業界〜高品質と利便性が急成長の推進力
2017年5月16日

 

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「天天果園」は果物を中心に取り扱う生鮮食品ネット販売プラットフォーム
  最近、筆者の周りの友人、特に既婚女性のなかで、果物や野菜のネット購入が人気を集めている。ネット購入ではスーパーに買い物に行く時間を節約できるばかりでなく、商品を家まで届けてもらえることが人気の理由だ。「天天果園」 の果物は品質が良く、「易果生鮮」の野菜は新鮮さが売り。「甫田網」では高級輸入食材が数多く扱われ、「盒馬鮮生」はコストパフォーマンスが高く、配達も速い。生鮮食品をメインに扱うECプラットフォームの数は増加の一途を辿っている。それぞれが特色を持ち、多くの消費者の支持を集めている。

  収入の増加とめまぐるしい日常生活の影響を受け、若年層や中産階級層の生鮮食品ネット販売に対するニーズは高まり続けている。 企鵝智庫が2015年に行ったオンライン調査によると、15年にネット上で生鮮食品を購入したことがある人の割合は24.5%、購入したことはないが、興味はあると答えた人の割合が48.1%を占め、併せて約70%の人がネット購入を支持していたことがわかる。易観智庫の調査データによると、中国における生鮮食品ネット販売は2012年から発展し始め、その市場規模は当初の40億元から15年は542億元、16年には913億元に達し、68.6%の成長を記録。17年の市場規模は1,449億元に達する見込みだ。(図一:2012〜19年中国生鮮食品ネット販売の市場取引規模)
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若年層や中産階級層の生鮮食品ネット販売に対するニーズは高まり続けている
  多くの企業が生鮮食品のネット販売に注目し、この「ブルーオーシャン」に参入、多くの資本投資も行われた。 生鮮ネット販売各社は多くのキャンペーンやプロモーションを実施、ユーザーへの普及率を大幅に向上させた。しかし、普及率はまだまだ高いとは言えず、農業製品の小売総額の5%に満たない。今後の発展が大きく期待される。

  生鮮ネット販売市場に参入した多くの企業のなかでも、特に注目に値するのは2016年1月に運営をスタートした「盒馬鮮生」だ。 そのO2Oモデルは独特で、オフラインの実店舗を倉庫と見なし、半径5kmをその配達エリアとしている。効率の高い出荷フローと商品管理システムを実現、商品は注文から30分で消費者の手元に届けられる。このサービスは多くの消費者から高い評価を獲得、また業界内でも大きな注目を集めている。以下では、生鮮ネット販売市場の現状と主な運営企業を紹介、また盒馬生鮮の革新的運営モデルについても詳細に分析する。

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