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深セン消費現場視察レポート (1)
香港とソフトパワーで消費主導型経済のお手本に
2017年6月1日
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深セン「改革開放」のシンボル的建物「羅湖口岸」
  1992年の鄧小平氏による南巡講話から始まる改革開放 の先鋒として、中国経済の現代化と急成長を先導した深セン。経済発展レベルも他の追随を許さないほど中国トップクラスを維持している。2016年のGDPは1兆9492.6億元、1人当たりGDPは16万7000元となっており、都市別では上海、北京、広州に続き第4位にランクインしている。 2016年の社会消費品小売総額は5512.76億元で、北京、上海、広州、重慶、成都、天津、武漢に次ぐ全国第8位だ。

 
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深セン福田区にオープンしたBYD新エネルギー体験センター
中国でも有数の民間企業がこの地から生まれている。QQや微信などネットサービスを手がける騰訊(テンセント)、通信設備やスマホの華為(ファーウェイ)、EV(電気自動車)の比亜迪(BYD) など、そうそうたるメンバーが名を連ねている。最近では商用ドローン(無人航空機)の世界シェア70%をも占めると言われているDJI(大疆創新科技)も出てくるなど、世界でも通用する技術やアイデアを併せ持つ企業や人材が多く輩出されている。

  では、深センの消費現場はどうだろうか。90年代から多くの日本企業が進出している深センだが、そのほとんどが香港をベースとした加工貿易が中心の製造業だった。筆者も上海に住み始めてから12年超。これまで何十回と深センには仕事で訪れたが、一度も市内の商業施設を見て回ったことがなかった。どこかに、深センは香港のすぐ近くで日本企業の進出も多く、情報も満載。よって、あえて詳細にレポートする必要はないだろうとの思いがあったのは否めない。

 
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地元の消費現場やトレンド、消費者の実態などの情報が不足していると言われる深セン消費現場
一方、小売業界のクライアントから「深センや広州の情報はむしろ不足している」と耳にしたこともある。どんな日本食レストランがあるかなどは現地の日本語フリーペーパーを見ればわかるが、地元の消費現場やトレンド、消費者の実態など、わかっているようで実際はわかっていない とのことだった。

  製造業やITをメインに今も中国全土からベンチャースピリッツを持つ起業家を集め、中国のイノベーションを引っ張る深セン。日本のメディアでは、そうした面がクローズアップされがちだが、ここであえて、消費都市としての深センについて改めて見直し、日本企業にとってのチャンスを探っていきたい。

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