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深セン消費現場視察レポート (4)
根強い人気の東門歩行街
2017年6月6日

根強い人気の東門歩行街
“小型モール”が注目の華潤1234space

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「東門スマート商業エリア」プロジェクトによりWI-FI無線網を完備、微信を活用したマーケティングにも積極的に取り組む
  上海の南京東路を彷彿させる東門商業歩行街 。一時代前の雰囲気を残す百貨店や通りなどからは、中国経済が浮上しはじめた90年代頃の熱気や高揚感が想像できるような雰囲気を醸し出している。前身の「東門老街」は深センで最も歴史の古い商店街で、その歴史は明代中期にまでさかのぼり、すでに1600年の歴史を有している。1950年代には深セン発展の中心でもあった。99年に深セン政府が東門老街の整備に着手。3年の時間と5.7億元の資金を費やし、東門商業歩行街として再生された。

  総敷地面積は17.6万㎡、15の通りに28の商業施設が集まっている。北は立新路、南は深南路、東は東門中路、西は新園路に囲まれたこの一大エリアは全国でも最大規模の商業歩行街となっている。以前のように深センで人気かつ話題のスポットとしての地位は失われつつあるものの、ここを訪れる人の数は依然として少なくなく、平日でも多くの買物客で賑わっている。「深セン商報」(16年2月15日付)の報道によると、16年の春節期間中、東門歩行街を訪れた人の数は1日平均45万人。なかでも初四(新年第4日)には、その数は55万人に達するなど根強い人気を誇っている。

  15年には、「東門スマート商業エリア 」プロジェクトがスタート。WI-FIの無線網がエリア全体をカバーできるようアクセスポイントを6800台設置、東門に足を踏み入れればすぐに、無料のWI-FIに接続できるようにした。またスマホSNSの微信(ウィーチャット)を活用したマーケティングも取り入れ、「逛東門」というオフィシャルサイトを運営。これを「揺一揺(スマホを振る動作)」すれば、誰でも各商業ビルの優待券や現金券がもらえる仕組みとなっている。

 
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最先端の流行ファッションをテーマに、若者を意識した店作りが話題の「華潤1234space」
その片隅に13年にオープンした注目施設が「華潤1234space 」だ。地下1階は地下鉄の「老街駅」 に直結。東門に買い物に来た消費者による新たな客流が生まれている。華潤1234spaceは、地場系不動産デベロッパー大手の華潤置地が最先端の流行ファッションをテーマに手掛けた体験型のトレンド・ライフスタイル館。同施設は6階建てで、面積はわずか1万㎡と小柄ながら、この「小規模モール」は華潤置地にとって初の試みとなっている。

  若者を意識した店作りが話題で、「H&M」や「GAP」など欧米系のほか、「Moussy 」、「earth music&ecology」、「JINS」など日系も出店。主力店の1つであるスーパー「BLT」は地下鉄からのゲート部分に設置。面積は大きくないものの、食品の割合が高く、オープン式のパンコーナーやカフェエリアは、多くの客で賑わっている。規模こそ小さく、30分もあれば見て回れてしまう広さながら、少数精鋭の充実度が人気の秘訣となっている。

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