中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!


中国アパレル業界最新動向 (3)
代表的なローカルブランドと各社業績 (1)
2017年7月7日

 

 IMG_0012.jpg
カジュアルの拉夏貝爾はローカルレディースブランドの7位を占める
  中国(上海・深圳)と香港に上場するローカルレディースブランドは10社ある。カジュアルの拉夏貝爾とネット通販専業ブランドの韓都電商以外は高級ブランドだ。10社の2016年1~12月期業績は、上半期に4社が減益、1社が赤字転落するなど苦戦したが、その後持ち直し、通年では軒並み健闘した。

  中価格帯のレディースカジュアル「La Chapelle」など10ブランドを展開する拉夏貝爾は、純利益が13.5%減の5.32億元と、14年の上場以来初の減益だった。大量出店のコストと家賃が利益を圧迫した。売上高は前年比12.5%増の102.36億元で、100億元の大台を突破。エリア別売上高は、3級以下の中小都市が45%を占めた。店舗数は1016店純増の8907店となった。

  深圳発の高級レディース、珂莱蒂爾は2桁%の増収増益で、好調を維持した。主要ライン「Koradior」と新ライン「Koradior elsewhere」は安定成長を維持。高級ライン「La Koradior」は8年の“助走期間”を経て、これから大きく伸びる見通しだ。

  同じく深圳が本拠地の歌力思も大幅増収増益を達成した。

  15年に減収減益だった朗姿は2桁%増収で、純利益は2倍以上に拡大。ただ、増収増益に貢献したのは新規事業のキッズウエアと美容事業で、主力のレディースの売上高は11.6%減の9.77億元だった。

  ネット通販専業ブランド最大手、韓都電商の売上高は13.7%増の14.32億元、純利益が161%増の8833.89万元となった。売り上げ全体の8割弱を占めるレディースの売上高は17.3%増えた。12.5%のメンズは16.1%減り、10.6%のキッズは35%増えた。

  昨年2月、上海証券交易所に上場した安正時尚の売上高は1.5%減の12.06億元、純利益は3.2%減の2.36億元だった。
(「表2:レディースの16年業績」を参照)
 chart_2.jpg

 百貨店を主要販路とするブランドが中心のメンズ各社の2016年1~12月期業績は、上半期の総崩れから下半期に持ち直したものの、以前厳しい状況が続いている。 

 IMG_4581.jpg
2、3級都市で積極的に出店する「海瀾之家」は中国メンズファッションのトップ
近年快進撃を続けてきた海瀾之家は、息切れした。売上高は前年に比べ7・4%増の169.99億元、純利益は5.7%増の31.22億元で、それぞれ伸び率が20.9ポイント、18.7ポイント縮小した。

  期末店舗数は5243店で、1253店純増。うち主力の「海瀾之家」が4237店、「愛居兎」630店、「海一家」376店。大量出店したものの売り上げが比例しておらず、既存店の一部が苦戦している可能性もある。メインの出店エリアである3、4級都市でのオーバーストアを指摘する声も聞かれる。

  紅豆はメンズと不動産事業がけん引し、大幅増収増益となった。メンズ事業の売上高は16.1%増の13.42億元。ここ数年取り組んでいるサプライチェーンの再構築が功を奏したとみられる。

  年初に上海証券交易所に上場した太平鳥は、2割減益となった。主力の出店先の百貨店の不振や、「PEACEBIRDレディース」の不調などが響いた。
 利郎、希努爾、歩森の3社は減収減益だった。15年2桁%の増収増益だった利郎は一転、売上高が10.3%減の24.12億元、純利益が13.6%減の5.4億元となった。15年秋冬の在庫過剰と閉店が影響した。

  希努爾と歩森は純利益を大幅に減らしており、赤字に再び転落する可能性が高まっている。(「表3:メンズの16年業績」を参照)
 chart_3.jpg

 

このページをA4版で印刷する
 前のページに戻る

pageTop