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急発展する中国ビッグデータ市場 (1)
政策の先導により、業界内での応用も多元化
2017年9月11日

  近年来、世界中でビッグデータの発展が目覚ましい。すでに社会の幅広い領域に浸透し、人々の生活にも大きな影響を与えている。

  中国もその例外ではない。多くの人がビッグデータ(中国語では「大数据」)のメリット、つまり、繰り返し利用でき、さらなる情報の蓄積も可能であること。また大きな潜在的価値を有し、自然資源や人的資源同様に、重要な戦略的資源となりうることを認識しつつある。

  中国は世界で最も多い7億人というインターネットユーザーを擁している。 世界で最も重要なビッグデータ市場の1つだ。

  現在、世界のデータ総量は毎年倍々的に増加し、2020年には44兆GBに達することが見込まれている。中国はその20%近くを占めると予想される。貴州省の貴陽大数据交易所(ビッグデータ取引所)の統計によると、世界のビッグデータ産業の規模は2020年に1兆280億米ドルに到達。そのうち、最大の市場シェアを占めるのはアメリカで37.22%、次いで中国が20.30%を占めるとしている。
(図1:2014~2020年 世界のビッグデータ産業の市場規模及び成長率/図2:2020年世界ビッグデータ産業の市場シェア)

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  中国政府もビッグデータの発展を非常に重視している。

  2013年、習近平総書記がビッグデータの発展の重要性について初めて触れ、14年には政府の業務報告の中に初めて正式に取り上げられた。15年、国務院が「ビッグデータ発展促進の行動綱要」を公布。16年には国によるビッグデータの「十三五(第十三次五ヶ年計画)」が公表された。

  17年1月、工業情報化部が「ビッグデータ産業発展計画(2016~2020年)」を公布。一連の政策はビッグデータが正式に中国の国家戦略に組み込まれたことを明らかに示している。工業情報化部の計画では、2020年までにビッグデータ関連製品及びサービスによる収入が1兆元を突破すること、世界トップ水準のビッグデータ中核企業10社とビッグデータ応用・サービス企業500社を設立することが目標とされている。

 現在、すでに8つのビッグデータ総合テスト地区が設立されている。貴州省では15年にビッグデータ産業発展テスト地区が設立され、16年に国内で初めて、国家級ビッグデータ総合テスト地区として認可された。

 中国の情報消費市場の規模は巨大であり、潜在的なビッグデータ資源も非常に豊富だ。 インターネットの処理能力が向上し、庶民の消費もアップグレードが進んでいる。政策のサポートやビッグデータ産業チェーンの加速的発展を背景に、新しい技術、製品、コンテンツ、サービス、業態が新たな消費ニーズを生み続けている。

 以下では、中国のビッグデータ産業の発展状況やその市場規模、政府政策、地域間格差、産業チェーン、各社による応用状況及び今後の発展傾向について解説する。(続)

 

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