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広東省消費現場視察レポート (9)
【佛山】広州と深圳に次ぐ広東省第3の経済都市
2017年10月13日

広州と深圳に次ぐ広東省第3の経済都市
広州との一体化を進めながら、独自の消費市場を形成

 

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地下鉄広佛線は広州と佛山を結ぶ
 佛山は、広東省で広州と深圳に次ぐ第三の都市。2016年のGDPは8,630億元で、全国でも第15位に位置する。

 工業の街であり、工業がGDPの60%近くを占める。国内でも有数の製造業基地で、工業生産値は、上海、蘇州、天津、深圳に次いで全国第五位。支柱産業は設備業で、16年の生産高は6,628.79億元に達しており、2020年には1兆元に達する見込みだ。

 また国内最大の家電生産基地でもあり、生産高は全国の15%を占めている。美的(Midea)、格蘭仕(Galanz)、志高(Chigo)など有名家電メーカーが佛山を本拠とする。政府の「中国製造2025」戦略においても、佛山は重要な地位を占めている。

 佛山に関してもう1つ、大きな可能性を感じさせるのが「広佛同城化(広州と佛山を同じ街と見なして発展する計画)」だ。

 広州と佛山はそれぞれ広東省第一、第三の大都市で、GDPもそれぞれ1兆9,500億元と8,600億元に達している。二都市の総面積は珠江デルタ9市の34.5%、人口も38.1%を占める。両市はその境界約200kmを接しており、文化的にも繋がりが深く、人々の往来も多い。

 「同城化」は、二市が世界的な市場競争に共同で参加し、その強みを発揮する大きなチャンスだ。「珠江デルタ地区改革発展計画概要(2008-2020)」、「広州市城市総体計画(2011—2020年)」、及び「佛山市城市総体計画(2011—2020年)」においても、それぞれこの同城化の推進が提唱されている。

 2010年11月、広佛間の地下鉄が開通、「広佛同城」も実質的なスタートを切った。国内初の二都市間を結ぶ地下鉄路線であり、広州海珠区、荔湾区と佛山南海区、禅城区、順徳区を通過する。両市の多くの地下鉄路線との乗り継ぎも可能になっており、同城化促進に大きな役割を果たしている。

 15年、南海区及び荔湾区、順徳区及び番禺区、三水区及び花都区が、模範区域としての枠組み協議を締結した。16年11月、順徳北部で広州大学城のサテライトシティ建設がスタート。同時に、佛山と広州は共同で「広佛同城化『十三五』計画」を公布、さらに「広佛両市軌道交通接続計画」も作成し、「広佛スーパー都市」のコンセプトも打ち出した。

 国の「一带一路」路線や、珠江−西江経済ベルト、粤港澳大湾区等の戦略により、広佛両市の提携は、今後佛山に多くの機会をもたらすことが期待されている。

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佛山の新しい商業施設数が広東省ナンバーワンに
 2016年、佛山の社会消费品小売総額は、前年比11.6%増の3,017.8億元。成長スピードは全国及び広東省全体を上回り、なかでも卸売業と小売業の総額は2,707.41億元と非常に高かった。佛山の消費の勢いをうかがい知ることができる。

 統計によると、広東省では16年に79の新たな商業プロジェクトが実施され、なかでも広州、佛山はそれぞれ17件と最も多かった。このことも佛山の商業が大きく成長していることを証明している。

 佛山には大きく分けて3つの商圈がある。祖廟路を中心として周辺に放射状に延びる「大祖廟商圈」、広東金融高新区を中心に放射状に広がり南海大道に至る「桂城/千灯湖商圈」、そして季華五路と七路周辺の「季華路商圈」だ。(続)

 

 

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