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広東省消費現場視察レポート (12)
【佛山】大型商業コンプレックスが次々と誕生、広佛RMDを形成する「桂城/千灯湖商圈」(1)
2017年10月19日

大型商業コンプレックスが次々と誕生、広佛RMDを形成する「桂城/千灯湖商圈」

  桂城/千灯湖エリアは佛山南海区に位置し、2007年に広東金融高新区が完成したのを契機に急速な発展を開始した。交通とハードの両面で大きな強みを持ち、広佛RBD(レクレーション・ビジネス地区)という位置づけの桂城は、08年より高級商業・居住プロジェクトとして計画が進められている広佛同城化の重要発展地区だ。

  商圈がカバーする人口は約9.5万人、さらに広い意味で影響を及ぼしうる範囲では179万人に達するといわれている。更に金融高新区には数十万人の高級人材が勤務し、強力な消費潜在力を形成している。地区全体が広州市に隣接し、ターゲット顧客は広州の西側地区にも及ぶ。その影響力は極めて大きいといえる。

  桂城/千灯湖商圈には、ここ数年数々の商業プロジェクトが進出。8万㎡を超える大型商業施設だけでも7つある。業態も豊富で、大型ショッピングモールの他、アウトレットモール、IKEAなども。主要な商業施設は幹線道路である南海大道と桂澜路沿いに集中し、その多くが地下鉄に直結しているのも強みだ。

  南海大道の周辺には「南海広場」、「悦万城」、「凯德広場」、「越秀悦滙天地」等が点在している。桂澜路の商業施設はさらに集中し、直線距離で4kmの範囲に「保利水城」、「万達広場」、「IKEA(宜家家居)」、「中海環宇城」、「万科広場」、「城市広場」、「順聯奥特莱斯」、「VIVO怡豊城」等がひしめいている。商業ムードの非常に色濃いエリアと言える。

◆保利水城(保利Mall)

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「保利水城」は水をテーマにした初のショッピングモール
  2009年にオープンした保利水城は、水をテーマにしたショッピングモール。48mもの運河が施設の中央を流れ、エリアを東西に分けている。東広場は小売テナントがメインのショッピングモール、西街は屋外型の歩行者天国という構成でレストランやバーが集まっている。佛山初の超五つ星級映画館、初のアイススケートリンク、初の吉之島(ジャスコ)GMS旗艦店、初のマクドナルドドライブスルーと“初物”尽くしで、初の女性専用駐車場まである。16年4月には名称を「保利Mall」に改めた。

  2014年下半期には、佛山南海万達広場、万科広場、VIVO怡豊城が続けざまにオープンした。三者は共に大手ディベロッパーの投資による大型ショッピングモールで、主要ターゲットは若いファミリー層。このためレストランやキッズ関連施設、体験型施設の比重が高いのが特徴だ。

◆佛山南海万達広場
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投資額が90億元に達する「佛山南海万達広場」
  佛山南海万達広場は、万達集団の全国第95か所、広東省では5つめのモールで、敷地面積約9.7万㎡、総建築面積約70万㎡に及ぶ。3棟のSOHO、2棟の甲級オフィスビル、ショッピングモールと住宅エリア(商業面積は計18万㎡)で構成されている。投資額90億元は万達の広東省での投資としては最高レベル、建築面積もトップを誇る。

  テナントで見ると、佛山初進出となる香港系パークンショップ(百佳)傘下の高級スーパー「Taste」が1万㎡の大型店舗をオープンさせたほか、万達百貨が万達新館としてリニューアルされ、キッズ、カスタマイズ家具、アスレチックジム等の業態が新たに参入した。(続)

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