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広東省消費現場視察レポート (15)
官民一体で“地元”での買い物ニーズを喚起
2017年10月24日

◆恒福GoGoPark

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公園をテーマにした「恒福GoGoPark」
  2015年末に開業した恒福GoGoParkは、公園をテーマにした商業施設だ。中庭全体が太陽光を取り入れた開放型スペースで、陽光、空気、水等の要素をベースに植物や噴水を配置、施設の特色となっている。

  GoGoParkはレストランと体験型業態をメインとしており、レストラン業態の比率は35%にも達する。中華、西洋料理、日本料理、韓国料理と様々なレストランがそろっている。体験型業態では、若者向け実装版CSクラブ「軍事夢工場」、佛山テレビ局との提携によるヨガ、フラワーアレンジメント、油絵、陶芸、ハンドドリップコーヒー、風水等のカルチャー教室等もある。

  注目に値するのは、佛山地元のO2Oスーパー「禾本」傘下の大型スーパーだ。敷地面積4,000㎡、高級感ある内装で快適な買い物環境を実現。輸入商品のランナップも豊富で、bltとTasteに次ぐ佛山の高級スーパーと言える。

  GoGoParkは目下のところ、来場者数が多いとは言えない。が、付近には多くの甲級オフィスビルや二十数棟の中高級マンションが集中、消費人口は30万人を超える。建設中の佛山地下鉄三号線、四号線もここを通過する計画で、今後の発展を見守りたい。

  季華商圈については、17年末に開業予定の「王府井購物中心」と「星星広場」にも大きな期待が寄せられている。

  王府井購物中心は商業面積が32万㎡、プロジェクト周辺半径2kmに75の居住エリア、14棟のマンション、12棟のオフィスビル、7つの企業があり、更に地下鉄三線が通過するなど、多くの人が通過する交通の要所でもある。娯楽・体験型業態をメインコンセプトに、アニメのテーマパーク、ボーリング場、映画館、アスレチックジム、冰雪楽園等の娯楽施設が集まる。

  星星広場は、元は工場だった場所を改造、超高層のオフィスビル、SOHO型オフィス棟、住宅、ショッピングモール、商業ストリートで構成されている。なかでも特別なのが、500mにおよぶ星空をテーマにした商業ストリートだ。特殊効果を利用してリアルな宇宙空間が再現され、惑星と天体の3D効果により、果てしない宇宙に身を置いたかのような体験が楽しめる。

 

官民一体で“地元”での買い物ニーズを喚起

 

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佛山の消費アップグレード傾向が顕著(写真は「嶺南駅NOVA」)
  佛山は広州に隣接しているため、以前佛山人は広州や香港へ買い物に出ることが多かった。よって地元政府は消費を佛山にとどめるべく、都市発展計画に大きな努力を費やしてきた。

  例えば、旧市街区を改造してRBD(レクレーション・ビジネス地区)に再生させたり、各区の商業エリアを充実させるなどだ。また地下鉄広佛線沿線の商業発展や観光の推進等も主導してきた。佛山の商業施設が大量に開業し、競争が激化するに伴い、各商業施設も体験型施設を増やし、レストランやキッズ向け業態を増やすなど、差別化に注力している。

  佛山においても、マックスバリュ、百佳TASTE、bltという高級スーパー御三家が2014年から16年にかけて進出を果たし、IMAX映画館も新たな商業施設に続々導入されるなど、消費のアップグレード傾向が非常に顕著だ。

  最先端のアパレルテナント、レストラン、カフェ、フラワーアレンジメント、アート、軽食等を組み合わせたニューコンセプトの複合型ショップも続々オープン。カフェとアパレルを組み合わせた「速品」、自転車とファッションのコラボによる「Foco」、軽食とフラワーアレンジメント、雑貨やファッションの「ITI」等、いずれも佛山の消費者から高い支持を得ている。

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