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網易考拉海購(Kaola.com)が中国越境ECのトップに (1)
「正規品・低価格・サービス・斬新さ」で人気爆発
2018年1月19日

 中国ネットユーザーの増加とともに、電子商取引(EC)が成熟していく中、これまで急成長を続けてきたネット通販市場の成長スピードも緩やかになりつつある。

 ネット調査大手のiResearch(アイリサーチ)の統計によると、16年の中国ネット通販市場の取引規模は4.7兆元で、前年比24.7%増にとどまった(15年の成長率は36.8%、14年は46.8%だった)。(図1:2012-19年 中国ネット通販市場の取引規模。

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 一方で、昨今の少々割高でもより良いものを求める「消費昇級(アップグレード)」トレンドや越境ECプラットフォームの普及に伴い、越境EC市場は著しく成長、中国ECの新たな注目分野となっている。中国電子商務研究中心が公表した「2016-17年度中国越境輸入EC発展報告」によると、16年の中国越境ECの輸入取引規模は前年比33.3%増の1兆2000億元を記録。更に、17年には1兆8543億元に達すると見込んでいる。(図2:2012-2017中国越境EC輸入取引規模)
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 現在、中国の越境ECプラットフォームは、主に次の二つに区分できる。

 一つは大手ECプラットフォーム各社が設けた越境EC部門で、天猫国際、京 東全球購、淘宝全球購、国美海外購、蘇寧易購海外購、唯品国際、亜馬遜(アマゾン)海外購、1号店全珠進口、中粮我買網全球購、拼多多全球購などがこれにあたる。

 もう一つは独立型で越境EC専門のプラットフォーム。代表的なものとして網易考拉海購、小紅書、 聚美優品、洋碼頭、蜜芽、宝貝格子、達令、豊趣海淘、雲猴網、氷帆海淘などがある。

 今や中国に数多く存在する各種越境ECプラットフォームのうち、売上やユーザー評価が最も高いのはどれだろうか。その答えは意外なことに、中国EC業界をリードするアリババ系の天猫(Tモール)や淘宝(タオバオ)、さらには京東(JD.com)でもない。それは、15年に設立されたばかりの「網易考拉海購(Kaola.com)」(※以下、「網易考拉」とする)だ。

 市場調査コンサルのiiMedia Research(艾媒諮詢)が公表した「2016-17中国越境EC市場研究報告」によると、16年の越境EC輸入小売業の売上シェアにおいて、網易考拉が全体の21.6%を占め、トップに立った。これに続くのが天猫国際と唯品国際で、それぞれ18.5%と16.3%だった。(図3:2016年中国越境EC輸入小売プラットフォーム売上シェア)
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 また、網易考拉は越境EC専門プラットフォームでも、ユーザー満足度とスマホ海外通販ユーザーの正規品保証信頼度で第一位に選ばれた。(図4:2016年中国スマホ海外通販ユーザー正規品保証信頼度 )(図5:2016年中国越境EC専門プラットフォームユーザー満足度 )
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 iiMedia Research(艾媒諮詢)が公表した「2017上半期中国EC全体ランキング」でも、網易考拉は、業績、ユーザー体験、満足度、メディア影響力等の各方面で、傑出した評価を獲得、「中国越境EC総合競争力ランキング」の第一位に選ばれている。(図6:2017年上半期中国越境類EC総合競争力ランキング )
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 果たして、網易考拉はどのようにしてECの巨頭である天猫や京東を超えることができたのだろうか?

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