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チャネルの優位性と強気のマーケティングでOPPOが市場を牽引(1)
中国国産スマホが大躍進、アップル・サムスンは時代遅れ ?
2018年2月5日

 

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中国各地で国産スマホ専門店が急増
  15年以降、中国の国産スマートフォン(スマホ)ブランドの発展が目覚ましい。出荷量と売上の両方で大きな成長を続けている。国産ブランドはまず小米(シャオミ)、それから華為(ファーウェイ)が頭角を現し、OPPOやvivoが追随する勢いを見せている。

  16年に入ると、それまで世界のスマホ市場を圧倒的にリードしていたアップルとサムスンの優位に陰りが見え始めた。アイフォンの中国での販売台数は6四半期連続で減少、サムスンは更に低迷している。

  調査会社Canalysの報告によると、17年第2四半期の中国スマホ出荷台数は1.13億台。そのうち、華為が2300万台で最も多く、OPPOが2100万台で第2位、vivoが1600万台で第3位、小米が1500万台で第4位という結果となった。アイフォンの中国での市場シェアはすでに第5位にまで後退、国内スマホ市場での中国国産ブランドのシェアは87%にまで高まっている。(表1:2016年及び17年第2四半期の中国スマホ出荷台数分析)
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 市場調査コンサルのiiMedia Research(艾媒諮詢)が公表した「2017上半期中国スマートフォン市場研究報告」でも、17年上半期の中国国内スマホ売上ランキングで、上位4位までを中国ブランドが独占。華為が21.6%で首位、OPPOが17.5%でこれに続き、vivoが15.5%で第3位、小米は10.4%で第4位、iPhoneは7.8%で第5位にとどまった 。(図1:2017年上半期中国スマホ売上シェア)
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16年以降、一気にトップに躍り出た「OPPO」

  華為(ファーウェイ)は、高度な技術と安定した品質で、ビジネスマン等から多くの支持を集めている。 小米(シャオミ)は、コストパフォーマンスの高さと新しいネットマーケティング手法で台頭。

  しかし16年以降、特にその躍進が目立つのは「OPPO」だ。OPPOはここ2年間、中国のほとんど全ての人気テレビ番組にスポンサーとして名を連ね、駅やバス停、空港なども同社の広告で溢れるほど、今、中国で露出度が最も高いブランドといっても過言ではない。 広告には若者の間で人気の芸能タレントを数多く起用、若々しくファッショナブルなブランドイメージを演出している。

  OPPOは01年設立、08年に携帯電話領域に参入した。当初はアイフォンのコピーブランドだったが、16年第3四半期に中国スマホ市場の出荷台数でトップに立ち、人々の度肝を抜いた。

  17年に入るとその勢いは更に増し、上半期の保有ユーザー数で首位、17年第2四半期の全世界での売上が第4位、更に出荷台数2950万台で第2四半期の市場シェア伸び率でも首位に立った 。OPPOは中国の二線・三線級都市を主戦場とする低級ブランドから、今や上海や北京など一線級都市でも、若者から最も支持されるブランドに変貌を遂げた。

  OPPOのスマホ販売台数は、12年の890万台から、13年1300万台、14年3000万台、15年5000万台、そして16年に7840万台と着実に成長し続けている。OPPOが、競争の熾烈な中国市場で生き馬の目を抜く成長を遂げた原動力は一体何だったのか? (続)

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