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【第308回】 若者集まるホットスポット
西安で売上トップの賽格国際購物中心
2018年2月14日
 西安の商業施設のうち、「Must Go」、つまり必ず視察に訪れなくてはならないのが「賽格国際購物中心(SAGA)」(以下、賽格)。2016年の売上は西安トップの45億元。「2016年全国200重点商城業績統計報告」でも、全国第8位に堂々とランクインしています。

 場所は、前号で紹介した「鐘楼」商圏の南約5 km、長安路と小寨路の交差点にある環状歩道橋「小寨十字」の東北側。地元では「小寨」と呼ばれる商圏で、東京の「渋谷」や「原宿」に相当する、まさに若者が集まる西安の“流行発信地”です。

 25万㎡と中国西北地区最大の売り場面積を誇る賽格は13年の開業。館内は昔ながらの百貨店のイメージながら、1階から6階へと伸びる長さ50.3 mの室内エスカレーターはアジア最長です。また、5階から1階へと小川が流れる設計で、1階から地下2階に向けて滝になっており、そのスケールの大きさに驚かされます。

 テナント店舗数は全部で718。そのうち198店の売上が全国トップテンにランクイン、また392店は市内トップの成績を誇ります。16年11月には1階にコスメコーナーをオープン。半年間で売上市内トップに躍り出ただけでなく、ディオールとランコムは全国でもナンバーワンになりました。その他、カルバン・クラインの腕時計専門店は世界一の売上になっています。

 実際に視察で訪れたのが17年の国慶節休暇中だったせいもあるでしょうが、1階の入口は、すごい数の若者客が出入りするのに圧倒されました。入口すぐそばの化粧品店「MAC」も多くの客が殺到。こうした光景は、まるで原宿駅から竹下通りに向かう人たちの流れを見ているかのようでもありました。

 こうした若者による躍動感溢れる消費シーンは、地下2階にも広がっています。特に圧巻はネイルエリア。ぱっと見、50店は下らないであろうネイルやつけまつげの小規模店がずらっと並び、かつ、どの店もほとんどの席が女性客で埋め尽くされています。その周りにもフライドチキンや揚げウィンナーなどの「小吃」店や、アクセサリー、衣類、バッグ、小物、スマホケース、フラワーなどのショップもたくさん。若者から支持される理由がよくわかります。

 週末や祝日の来客数は20万人超。日系では、丸亀製麺や雷門ラーメン、ペッパーランチなども入居。西安消費攻略にまず“外せない” 賽格、一見の価値ありです。 
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