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2018年中国消費のトレンドを探る(9)
単独ロハス主義、おひとり様の生活消費学
2018年5月14日

単独ロハス主義、おひとり様の生活消費学

  アリババ傘下の口コミアプリ「口碑(koubei)」が、CBNDataと共同で公表した「2018生活消費トレンド報告」によると、近年、一人で食事をし、一人で住み、一人で旅に出る「単独ロハス主義」が、一線・二線級都市で存在感を示しているという。

  一人で出歩き、一人で音楽を聴く。一人で風景を愉しみ、ただ一人の生活を送る。一見孤独に見えるこうしたライフスタイルが、新世代の消費者に新しい愉しみとして受け入れられつつあるようだ。

  単独での生活を追求する人に加え、小型マンションも多く登場し、一人暮らしをする人の割合は増え続けている。
アリババのビッグデータによると、オンラインでの小型洗濯機の売上の伸びは、2016年の44%が17年には72%になった。

  一人旅をする人の割合も14年には8%だったのが、16には15%に増えている。一人旅を楽しむ人の多くは、一人の方が精神的な充足を得やすく、生活の幸福感を高めてくれると感じている。

  慌ただしい日常と、外食の選択肢が多様化することにより、一人での食事も違和感のないものとなりつつある。
口碑(koubei)の統計データによると、「一人食」の消費頻度は、どの年齢層においても増加傾向にあるが、95後において最も顕著となっている。外売(出前代行)アプリ「餓了麽」のデータでも、一人分の出前の注文数は、前年比で26%も増加している。(図12:一人分の出前件数) 

 graph_12.jpg

  映画館など、二人で行くのが一般的だった娯楽業界においても、“おひとり様”トレンドは顕著だ。

  淘宝(タオバオ)の映画チケットサイト「淘票票」のデータによると、15年頃から1枚のみのチケット購入件数が増加している。より多くの人が単独でのライフスタイルを楽しむようになっている。

  単独ロハスが新しいライフスタイルとして定着するのに伴い、今後は「おひとり様」をターゲットにした商品や産業の需要もより高まっていくだろう。

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