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いま話題のミュージック動画アプリ「抖音(Tik Tok)」(15)
「抖音同款」メニューが巷で人気に
2018年8月9日

ユーザーの投稿動画によりブレイクするケースも
「抖音同款」メニューが巷で人気に

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タピオカミルクティーのチェーン店「CoCo都可」では、「抖音同款」の商品を正式のメニューにアップグレード
  ブランド各社が運営する抖音アカウントだけではない。ユーザーが投稿したショート動画のおかげで、人気を高めたブランドも少なくない。

  四川火鍋で人気のチェーン店「海底撈」がその一例だ。あるユーザーが抖音上で海底捞の店内で自身の独特の食べ方の動画を披露。 それは、一杯3元のご飯を注文し、鍋につけるタレなどが置いてあるセルフサービスカウンターで「牛肉粒(細かくきざんだ乾燥牛肉)」を載せる。トマトベースの鍋スープをかけ、わずか3元で美味しい「トマト牛肉ご飯」のできあがりというものだ。

  この動画は、抖音上で爆発的な人気を集め、無数の「賛(いいね)」を集めると同時に、大量にシェアされた。元々大人気の「海底撈」だったが、火鍋だけでなく、このトマト牛肉ご飯を求めて訪れる客も急増。「抖音同款(抖音で見たのと同じ)」トマト牛肉ご飯は、いまや海底捞で食事する際の“マスト”メニューとして、多くの客に楽しまれている。

  このトマト牛肉ご飯のブームのあと、さらに多くのユーザーが想像力を発揮、海底捞の「抖紅(抖音で人気の)」メニューは、抖紅タレや抖紅海鮮粥など、隠れメニューとして増え続けた。

  海底捞側もこうしたブームにすばやく対応した。「抖紅」メニューはあくまでも客が自らセルフサービスで作るものだが、それを逆手にとり、丁寧に接客することで顧客満足を高める戦略だ。

  いまでは、抖紅メニューを希望する客に対して、店員がどんな食材をオーダーすべきかを助言するだけでなく、海鮮粥などは実際に調理まで手伝ってくれる。こうした接客サービスは、多くの客から好評を得ている。

  タピオカミルクティーのチェーン店「CoCo都可」も同様だ。

  キャラメルミルクティーに青稞(※主にチベット地方に産する耐寒性のハダカムギ)とプリンをトッピング、氷少なめと無糖を選択した“隠れ”メニューを紹介したショート動画が、20万以上の「賛(いいね)」を獲得。全国各地の店舗で、この「抖音同款」商品をオーダーする客の行列が現れた。

  こうした消費者からの期待に応えるべく、お店側もすぐに「抖音同款」の商品を正式のメニューにアップグレード、ネット出前アプリのメニューにも登場させた。リアル店舗の店員も機転を利かせ、スマホ片手に来店した顧客には、「抖音同款」を希望するかどうかを確認するようになった。

  ネット上では、「抖音同款のミルクティーはトッピングが多く、注文する際に間違わずに言えるか心配だったが、「抖」の字も言わないうちに、店員から尋ねてくれたので非常に驚いた」という声もあったほどだ。

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