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中国ペット市場徹底分析 (1)
ペットの「家族化」でさらなる成長を見込む
2018年9月7日
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中国のペット市場が急成長、2019年には2000億元に
 中国では近年、ペットを飼う人が増えている。マンションや公園などで、犬を散歩させる人に度々行き当たる。 かわいらしい服を着せた犬の姿も、すでに見慣れた光景になっている。

 ペット帯同が可能なカフェやレストランもめずらしくない。ペット市場の急拡大は、キャットフードやドッグフードの需要増はもちろんのこと、各種ペット用品からスナック(おやつ)、さらには1000元前後もするペット服まで幅広く波及。いまやその成長は、とどまるところを知らない様相だ。

 2017年11月に、ペット犬専門サイト「狗民網」(goumin.com)が、傘下のペット愛好者間のコミュニティアプリ「鈴鐺寵物」や「狗与愛的世界」、また中国電子商取引(EC)大手・京東(JDドットコム)の「京東寵物」、ペット病院「美聯衆合寵物医院」、しつけ・トレーニングスクールの「調良寵物訓練学校」、調査会社「零点数据」などと協力し、5万人以上のユーザーから集めたアンケート結果を元に「2017年中国ペット業界白書」を発表した。

 同白書では、中国ペット市場の発展は、2010年を契機としている。17年の中国ペット市場の規模は1340億元。10年からの年間平均成長率は30.9%で、19年には2000億元に達すると見込んでいる。

 巨大化するペット市場の背景には、消費の主力となる層の世代交代とペットに対する感情や価値観の変化がある。かつては、ペットを飼う人の多くは高齢者で、子供が巣立った寂しさをペットで紛らわせていた。

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80後、90後世代が飼い主の主力層に
 それがここ数年、若年化が急速に進行。80後(1980年代生まれ)や90後(1990年代生まれ)世代の若い人たちが主力となりつつある。高所得層も多く、 昨今の「消費昇級(アップグレード)」トレンドも後押し。

 ペットを単なる“穴埋め”的存在から、「家族」の一員として接する消費観の変化が、ペット市場を「複合的に」成長させているといっても過言ではないだろう。

 中国消費現場でますます影響力を高めつつある90後世代。ペット市場でも同様で、彼(彼女)らは、品質やトレンドだけでなく、ペットの健康やコト(体験)をより強く重視する傾向にある。

 一方、人と人との交流や距離感が希薄化する現代社会において、特に若い世代を中心に、心の孤独を埋める存在を求めるようになっている。こうした変化が、ペットへの寵愛をさらに増長させ、フードや関連商品のみならず、サービスやヘルスケアなどの面でもニーズが増大。ペット市場は周辺の付属的な分野も含め、今後も巨大な潜在可能性を秘めている。

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