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商業化が進む中国eスポーツ産業が急成長 (3)
分業化が進む中国eスポーツ業界
2018年10月17日

分業化が進む中国eスポーツ業界
各分野で発展を牽引するリーディング企業が登場

  eスポーツのユーザー数や市場規模の増加に伴い、業界内でのセグメント(分業)化が進みつつある。なかでもゲームコンテンツ制作、イベント運営、メディア(実況・放映)の3つが、eスポーツ界の「三大」セグメントといえるだろう。

  最も川上に位置するのはゲームの開発・運営元企業。そこからライセンスを授権した競技イベント運営会社が、各種競技大会を組織・マネジメントする。そして、コンテンツ制作会社が、競技用コンテンツやそこから派生する各種コンテンツの制作を請け負う。

  競技イベントの放映は、テレビやネットのゲーム専門チャンネルが担当。eスポーツ専門メディアやオンラインの実況中継(直播)プラットフォームも、競技の様子を実況・放送する。

  競技への参加者(プレイヤー)も専業化が進んでおり、プロゲーマーのほかに、チームを組成して参加するケースも増えている。また、競技イベントの実況やゲームなどの解説についても、多くの視聴者から支持を集める人気のアナウンサーや解説者が現れている。(図5:中国eスポーツ業界相関図)

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  eスポーツ産業の各セグメントで、それぞれトップ企業も生まれている。

  例えば、ゲームコンテンツ制作とライセンス授権の分野では、騰訊遊戯(テンセント・ゲーム)、巨人網絡(ジャイアント・インタラクティブ)、網易遊戯(ネットイース・ゲーム)、英雄互娯(ヒーロー・エンターテインメント)がそれぞれ人気の高いゲームを有している。

  イベントコンテンツ関連では、「英雄聯盟」のプロリーグ「LPL」と「王者栄耀」のプロリーグ「KPL」が最も大きな規模と影響力を誇る。

  プロチーム/クラブでは、設立が2005年と最も早い「WE電子競技倶楽部(Team WE)」、世界的に高い戦績を誇る「皇族電子競技倶楽部」、国内イベントで存在感を示す「EDG(EDward Gaming)」などの影響力が強い。

  イベント運営では、「VSPN(Versus Programming Network)」が圧倒的なリーダー的存在だ。同社は、中国国内で開催される大型イベントの約7割に関与している。
王者栄耀、穿越火線、英雄聯盟、絶地求生、皇室戦争、球球大作戦、FIFA Online 3、全民槍戦、DNFなどの人気ゲームで、数々のトップイベントを成功させている。VSPNが主催したトップイベントの数は17年だけでも50種以上で、回数は延べ4000回を超えた。

  実況面では、闘魚直播、熊猫直播、虎牙直播などがメジャーなプラットフォームとなっている。(図6:中国eスポーツ産業のセグメント別主要企業)

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