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商業化が進む中国eスポーツ産業が急成長 (14)
国を挙げてeスポーツの発展を促進
2018年11月15日

国を挙げてeスポーツの発展を促進
潜在消費力にますます多くの企業が注目

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eスポーツユーザーは、アニメや二次元にも高い関心を寄せる
  各地の地方政府も、eスポーツの発展に重要な役割を果たしている。

  17年に開催された「英雄聯盟」S7世界決勝戦では、武漢、広州、上海、北京の4都市の政府関係部門も、同大会の盛り上がりを強力にバックアップ。武漢のシンボルともいえる観光スポットの「黄鶴楼」や北京の「万里の長城」に灯をともし、選手たちを応援。決勝は08年の北京オリンピックのメインスタジアムだった「鳥巢」で開催し、大きな注目を集めた。

  17年11月末に西安で開催された「穿越火線」CFS2017世界総決勝戦は、国の資本を背景とする「陕西体育」が共催、さらに当地の政府各部門からも各種サポートを受けた。

  現在の中国eスポーツ業界は、WCA(World Cyber Arena)、アリババグループ傘下「Alisports」主催のWESG(World Electronic Sports Games)、国家体育総局体育信息中心が主催するNEST(National Electronic Sports Tournament)などのビッグイベントのほか、LPL、CFPL、KPLといった商業的なプロリーグも誕生している。

  中国は今や、eスポーツのリーグ制が最も整備された国の一つに成長。17年には、中国最大のeスポーツプロリーグであるLPLとKPLが、ともに年間を通して視聴者(回)数が100億前後となり、世界的にも人気の国際イベントにも引けを取らないほど、数多くの観衆を魅了した。

  中国eスポーツ業界は、今後も急発展していくと見込まれている。18年には、中国のeスポーツユーザー数が3億人を突破。一大イベントの視聴者数がNBAの決勝戦を超えると予想され、またこれにより、eスポーツ市場の総収入の15%が生み出されるとも予測されている。

  ゲームのスポーツ化に対して、ますます多くの企業がその潜在消費力に注目。今後、スポンサーに名乗りをあげる企業は、増加とともに多様化が進むだろう。一方で、eスポーツユーザーは、アニメや二次元のほか、スポーツやトレーニングにも関心が高い。こうした 関連業種による垣根を越えたマーケティングが、今後中国でどのような展開を見せるのか、期待しながらウォッチしていきたい。

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