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大手が続々と参入、中国スマートスピーカー業界 (1)
「スマホの次」として主導権争いが激化
2018年11月16日

 

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中国でも大きな盛り上がりを見せるスマートスピーカー市場
2017年に、世界中で多くの注目を集めた「スマートスピーカー」。 日本では「AIスピーカー」とも呼ばれる、音声操作対応のAI(人工知能)アシスタント機能を備えたスピーカーだ。内蔵のマイクで音声を認識し、情報の検索や音楽の再生、家電の操作などができるのが特徴だ。

  2014年に、米アマゾンが「Amazon Echo(アマゾンエコー)」を発売。その後、グーグルが「Google Home(グーグルホーム)」、アップルが「HomePod(ホームポッド)」をリリースするなど、大手IT企業が矢継ぎ早に同市場に参入した。

  中国も同様に、スマートスピーカー市場が急拡大している。京東(JDドットコム)、アリババ、小米(シャオミ)、百度(バイドゥ)などが続々と関連製品を発売。京東の「叮当」、アリババの「天猫精霊」などはその一例だ。

  各社が目指すのは、スマートスピーカー市場のシェア獲得だけにとどまらない。このスマートスピーカーを通して、将来的にスマート家電市場で存在感を示すことにある。

  依然として発展の初期段階にある中国スマート家電市場だが、今後の潜在力は計り知れない。スマートスピーカーはその“突破口”として、極めて高い戦略的意義を兼ね備えている。

 

スマートスピーカーで“できる”ことは?
IoTの中枢として期待を集める

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アリババのスマートスピーカー「天猫精霊」
  スマートスピーカーが従来型のスピーカーと異なる点は、Wi-Fi接続が可能で、音声によるコミュニケーション機能を備えていることだ。音声識別により、ユーザーからの指示を即座に理解できるのが大きな特徴だ。

  「ジャズが聞きたい」、「今日の天気は?」、「牛乳を買わなきゃ」、「エアコンを入れて」など、スマートスピーカーに対して声をかければ、自ら手を動かさずとも、すべて対応してくれる。

  コンテンツ面でも、音楽、書籍の朗読、ニュース放送など、ユーザーの様々な娯楽(エンタメ)ニーズを満たしてくれる。出前、情報検索、タクシー配車、オンラインショッピングなどのネットサービスにも対応、家庭生活の様々なシーンで活用できる。

  なかでも重要なのは、スマートスピーカーを通し、照明、セキュリティ、スマート家電などをコントロールできる機能だ。今後、あらゆるモノがネットにつながる「IoT(モノのインターネット)」の普及を背景に、スマートホームの中枢としての役割が期待されている。 (続)

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