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中国自動車産業の発展状況とトレンド(1)
新エネルギー車が増勢、世界最大の自動車市場
2019年1月4日

  世界最大の自動車市場に躍り出た中国。頭打ちの傾向がやや見られるものの、SUVや新エネルギー車などが伸びており、市場の成熟度は高まっている。世界市場でも著名な電池メーカーが注目されるなど、新たなキープレーヤーが続々登場している。

世界一の2900万台市場

  中国汽車工業協会が公表した統計データによると、2017年の中国の自動車生産及び販売台数はそれぞれ2901.5万台と2887.9万台で、9年連続で世界一となっている 。(図1:2001~17年中国自動車販売台数及び成長率)

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  うち、乗用車の販売台数は前年比1.4%増の2471.83万台だった。成長率は前年比で13.53%減少している。

  車種で見ると、セダンの販売台数は1184.80万台で、前年比2.48%減。SUVは1025.27万台で、前年比13.32%増。 MPV(ミニバン)は207.07万台で、前年比17.05%減。ワンボックスカーは54.7万台で、前年比19.97%減だった。

  以上4タイプのうち、従来型のガソリン車は、SUVが2桁の伸びを示しているのを除き、その他は全て減少傾向にある。(表1:2017年中国自動車生産及び販売状況)
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成長顕著な中国地場系、健闘する日系メーカー

 中国汽車工業協会の統計によると、2017年の中国の民族(地場)系自動車メーカーの販売台数は前年比3.02%増の1084.67万台で、自動車の販売台数全体の43.88%と半数近くを占めた。

 ドイツ系、日系、アメリカ系、韓国系、フランス系自動車メーカーの販売台数はそれぞれ484.97万台、420.48万台、303.95万台、114.45万台、45.58万台で、市場シェアは順に19.62%、17.01%、12.30%、4.63%、1.84%だった。

 前年比で見ると、韓国系とフランス系自動車メーカーの販売台数が大きく落ち込み、日系がシェアを広げている。(図2:中国の自動車国別市場シェア)

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 メーカー別で見ると、独フォルクスワーゲン(大衆)が絶対的首位に立っている。 ホンダがこれに続き、中国民族系の吉利が大きく成長して第3位となった。日系のトヨタと日産はそれぞれ第5位と第6位にランクインしている。(図3:2017年自動車メーカー別販売台数ランキング)
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 車種別で見ると、セダンのトップ3は独フォルクスワーゲン「Lavida(朗逸)」、米ビュイック「Excelle(英朗)」、そして日産「Sylphy(軒逸)」。SUVのトップ3は民族系が占め、長城「Haval(哈弗)H6」、上汽通用五菱の「宝駿510」、広州汽車(広汽)の「伝祺GS4」の順となった。 MPVでは五菱宏光、宝駿730、ビュイックGL8がトップ3を占めた。(表2:2017年自動車車種別売上ランキング)

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