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中国自動車産業の発展状況とトレンド(6)
新エネルギー車の発展トレンド
2019年1月15日

新エネルギー車の発展トレンド

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純電動SUVがブーム
  2017年、先に触れたCAFCと新エネルギー車の「デュアルクレジット制」と補助金政策の変更は、新エネルギー車業界に大きく影響を及ぼした二大政策となった。一方、最近では業界の垣根を超えて話題のスマートカーや自動運転システムも、自動車産業全体で大きな注目点となっている。今後、中国の新エネルギー車はどのような方向に発展していくのだろうか?

EVタイプのSUVがニューブームを生むか?

  2017年、新エネルギー車のうち、純電動A00級(小型)車の販売台数が30.3万台で、全体の53.35%のシェアを占めていた。前年比173%増と成長し、新エネルギー車最大の市場だった。

  しかし18年に入り、政府の補助金調整策などを背景に、大手自動車メーカーはこぞって航続距離の長い純電動SUVに力を入れ始めている。北汽新能源(BAIC BJEV)EX360、比亜迪·(BYD)元EV、奇瑞瑞虎(Chery Tiggo)3xeなどがその一例だ。

  これら純電動SUVの販売価格は10万元以下と手頃感があり、一般消費者にも受け入れられやすいのも大きな特徴だ。もはや小型EV車の人気は過去のものとなり、今は純電動SUVに熱い視線が集まりつつある。

動力バッテリー、回収に商機?

  中国で新エネルギー車の保有台数が急増するのに伴い、動力バッテリーの回収と再利用の重要性が高まっている。その背景として、2018年は初期の動力バッテリーの交換期と重なるため、新エネルギー車の動力バッテリーの回収業務が大きなビジネスチャンスとして注目されている。

  18年3月には、上海汽車(上汽)集団と寧德時代(CALT)が戦略提携の備忘録に署名。双方が協力して動力バッテリーの回収と再利用に取り組むことを表明している。

カーシェアリング分野への参入

  現在、カーシェアリング市場での参入プレイヤーは、自動車メーカー、レンタカー、インターネット企業、充電スタンド運営企業などが主体となっている。なかでも主導的地位にいるのがインターネット企業と自動車メーカーだ。

  新エネルギー車のクレジット政策を背景に、自動車メーカー各社では在庫圧力が高まりつつある。カーシェアリング領域に積極的に乗り出すことで、在庫の解消を図ろうとするのは、一つの有意義な経営判断とも言えるだろう。18年には、同領域に参入する新エネルギー車はさらに増加するだろうと業界内で目されている。

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