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コネクテッドカーが市場の主役に (1)
中国発の「つながる車」とは?
2019年1月18日

 

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中国では2025年にDA、PA、CAの自動運転機能を新車への搭載率を80%にする
中国の自動車市場で大きな話題になっているのは「コネクテッドカー」だ。いわゆる「つながる車」で、ネットと接続して様々な機能が使え、ドライブ環境を快適なものにできる。その中心は、ネットやITの大手だ。各社が独自のシステムを続々と投入している。

 

政策の後押しを受けるコネクテッドカー

  コネクテッドカー産業の発展を重視する中国政府。2015年に公布した「中国製造2025」でも、コネクテッドカーは十大重点発展領域の1つに組み込まれている。

  17年に工信部、国家発改委、科技部が共同で公布した「自動車産業中長期発展計画」で、20年までにDA(Driver Assitance,ドライブアシスタント)、PA(Partial Automation, 部分的自動運転)、CA(Conditional Automation, 条件付き自動運転)システムの新車への搭載率を50%に、またコネクト式ドライブサポートシステムの搭載率も10%とし、スマート交通都市建設の要求を満たすことを目標とした。

  25年には自動車DA、PA、CAの新車への搭載率を80%、なかでもPAとCAクラスの新車搭載率を25%にするなど、高度かつ完全な自動運転車の市場投入を開始する。

  さらに、政府は20の部門で構成される専門のテレマティクス産業発展委員会を設立。コネクテッドカーのキーテクノロジー研究開発と応用をサポートしていく計画だ。

  世界コンサルティング会社大手のマッキンゼーは、2020年の中国の新車販売台数は2200万台に達すると予測している。「自動車産業中長期発展計画」の目標にもあるように、新車販売の1100万台に一定程度、自動運転機能の搭載が実現すれば、スマート交通都市建設の要求を完全に満たすだけでなく、自動車産業全体の変革をももたらすだろう。

 

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騰訊(テンセント)もコネクテッドカー分野に参入
実際に、コネクテッドカーのテストモデル区が全国各地に設置されつつある。工信部が共同で推進する国家級のコネクテッドカー及び自動運転モデル区が上海、杭州、北京、重慶、吉林、武漢、無錫の7ヵ所に設置されたほか、一部の省・市が各政府機関と提携し、資本提携などの形態でテスト区を創設する動きも出ている。

  政府のみならず、各業界でもコネクテッドカーを推進する動きが活発になりつつある。特に、中国インターネット界の三大巨頭「BAT」である百度(バイドゥ)、アリババ、騰訊(テンセント)の3社も、それぞれにコネクテッドカー領域に参入し、中国内外から多くの注目を集めている。

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