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地方都市まで広がる中国コーヒー市場 (1)
ネット出前コーヒー店がスタバの脅威に
2019年2月25日
  昨今、中国でコーヒー市場が急成長している。

  2017年、中国のコーヒー消費市場の規模は1000億元を突破し、成長率は15%に達した。すでに飽和状態に近い世界のコーヒー市場では、成長率が2%程度であるのに対し、中国市場は活気に満ち、巨大な潜在力を秘めている。

  世界的なコーヒーチェーンの代表格である米系スターバックスコーヒーは、現在中国141都市で3300店近くを運営、中国コーヒー市場を牽引している。
近頃、目にする機会の増えた地場系「ラッキンコーヒー(Luckin Coffee・瑞幸咖啡)」は、1年という短期間で1000店を超える店舗をオープン。瞬く間に英系コスタコーヒーや香港系パシフィックコーヒー(Pacific Coffee・太平洋珈琲)といった老舗を追い抜き、第二のコーヒーブランドとして定着しつつある。

  ラッキンコーヒーはスマートフォン(スマホ)のアプリで注文し、商品を消費者に配達するスタイルを採用。強気のオフライン広告とスマホSNSの微信(ウィーチャット)を用いたプロモーションにより、中国コーヒー市場における「新小売(ニューリテール)」(※アリババが提唱した、リアルとネットを融合させたオムニチャネル概念)時代の幕を切って落とした。まさに今、中国のコーヒー業界は激しい競争局面を迎えている。

コーヒー消費は一人年5杯
まだ成長余力ある巨大な潜在力

  人民日報系サイトの中国産業経済信息網の統計によると、2017年の中国コーヒー業界の市場規模は1629億元に達したもよう。18年には2000億元を超え、20年には3000億元に達することが見込まれている。 

  また、グルメ生活関連クチコミアプリの「美団点評」研究院が公表した飲料業界の報告によると、16年の中国のコーヒーショップの数は10万店を突破しているという。

  現在、中国の1人あたりの年間コーヒー消費量は5杯以下に過ぎない。これは世界の平均レベルを大きく下回っており、今後の発展の余地は非常に大きいといえる。(表1:中米日のコーヒー豆輸入量及びコーヒー摂取量比較)
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  アメリカ、韓国、日本といったコーヒーの消費大国に比べ、中国のコーヒー消費量はまだまだ少ない。しかし、最近5年間の平均成長率は26.59%に達し、アメリカの2%、日本の1.7%、韓国の4.2%を大きく上回っている。中国市場のコーヒー需要はまだ飽和には程遠いといえる。(図1:最近5年間の中米日韓のコーヒー消費量比較)
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