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地方都市まで広がる中国コーヒー市場 (6)
「新小売」コーヒー店が台頭 アプリで注文・決済・配送
2019年3月5日
「新小売」コーヒー店が台頭
アプリで注文・決済・配送

  リアルとネットを融合させたオムニチャネル概念「新小売(ニューリテール)」。アリババ創業者のジャック・マー(馬雲)氏が2016年に提唱し、今や中国の小売・流通業界で最も注目を集めるトレンドとなったこの「新小売」を反映したコーヒーショップの発展も目覚ましい。

  18年5月に正式な運営を開始したラッキンコーヒー(瑞幸咖啡)は、スマホのアプリで注文し、配達してもらうスタイルが特徴だ。

  スマホSNSの微信(ウィーチャット)で「最初の1杯無料」キャンペーンを展開、瞬く間に広く浸透した。すでに全国に1000店をオープン、スターバックスに次ぐ第2のコーヒーチェーンにまで成長した。

  一方、コーヒーボックス(連咖啡)は、15年に運営を開始、オフラインの実店舗を持たない初の「出前専門」コーヒーブランドだ。18年3月には1.58億元のベンチャーキャピタルのB+ラウンド融資を獲得、中国コーヒー市場の“ダークホース”となった。

一線級と新一線級都市が
コーヒーの主戦場に

  コーヒーの普及状況について、都市別で見てみよう。

  市場調査会社「品途智庫」の統計データによると、2018年5月時点、中国の一線級都市と一部の新一線級都市におけるコーヒー企業の数は、平均1500社に達しているという。なかでも上海、広州、深圳、杭州はコーヒー企業が多く集まっているもよう。

  二線級都市のコーヒー企業の数は平均約300社。三線級都市は約150社で、一線級都市の約1/10に過ぎない。中小都市では、コーヒーの消費習慣や設備がまだ浸透しておらず、当面は急成長は見込めないだろう。(表4:主要都市のコーヒー企業数)
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