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中国コーヒーデリバリー、新旧チェーンが争奪 (6)
マックカフェも参入 白熱するネット出前競争
2019年4月2日
マックカフェも参入
白熱するネット出前競争

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マックカフェの漏れ防止特許技術「小金蓋」
  スターバックスに続き、2018年10月には、マクドナルド傘下のマックカフェも上海地区でのネット出前(デリバリー)サービスを開始した。出前アプリの美団外売や餓了麽、微信(ウィーチャット)のミニプログラム(小程序)「i麦咖啡外送」から注文するシステムだ。

  マックカフェは、配達時に、漏れ防止の特許技術「小金蓋」を利用している。これは一般的な配達条件下で飲み物がこぼれるのを防ぐだけでなく、飲み物を適切な温度に保つ機能も備えている。

  マクドナルドは、商品を28分以内に配達するとアピール。マックカフェの参入により、コーヒーのネット出前市場の競争は、さらに白熱化しつつある。

急拡大が続く
ネット出前ドリンク市場

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ネット出前市場はドリンク分野が急成長
  グルメ・生活情報サービスの美団が発表した「中国餐飲報告2018」によると、2017年、中国のネット出前(デリバリー)業界の市場規模は3000億元に達し、前年比43.37%の成長を記録。利用者は3億人を超え、前年比15.38%増だった。

  オーダー内容と金額別の伸びを見ると、ドリンク分野が劇的な成長を記録。前年比200%超の伸びで、すべての品目で1位となった。
ネット出前は、今や中国の若者の生活習慣の一部となっており、便利さを追求する若年消費者が、コーヒーのネット出前市場拡大の主力になっていることは間違いない。

  業界関係者の試算によれば、現在スターバックスの1日の注文数は80万~100万件。これに対し、コーヒーボックスやラッキンコーヒーは10万件程度に過ぎないもようで、その差は依然として大きい。

  しかし、今後もネット注文と配送を絡めた「新小売(ニューリテール)」概念のコーヒー市場が発展していくに伴い、「いつでもどこでも」コーヒーが楽しめる生活は、中国全土で広く一般的なものとなりつつある。今後、コーヒーのネット出前市場がさらに拡大することは、疑いの余地がないだろう。(了)

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