中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!


「双11」から読み解く中国消費の変化とトレンド (5)
驚異的な物流スピード
2019年4月11日
驚異的な物流スピード

  今年も「双11」セール期間中の物流スピードは目を見張るものがあった。スマート物流システムの導入により、ユーザーの物流体験は目覚ましい進歩を遂げている。

  京東(JDドットコム)の公開データによれば、北京では注文から4分で商品が配達されたという。この「分」レベルでの配達は物流の常識となりつつある。

  天猫(Tモール)も多くの都市で、セール開始から30分で商品が消費者の手元に届けられた。1億個の小包の発送に要する時間も更に短縮され、17年比で約5時間も短くなった。(図8:2013〜2018年の天猫「双11」当日の小包1億個発送に要する時間の推移)
graph_8.jpg

  蘇寧易購(スニン)も物流に新たな工夫を凝らした。1つ目の商品は9分後に海南省海口市の消費者の手元に配達された。

Sunning_3.jpg
蘇寧易購で購入したスマホは当日に届いた
  倉庫での商品のピッキング件数は、小型商品は7時間、大型商品は6時間で、昨年1日の記録を上回った。蘇寧傘下の実店舗型ミニスーパー「蘇寧小店」でも、ネット注文からの配達時間がわずか18分にまで短縮されている。

  筆者の上海の自宅でも、今年の「双11」初日に蘇寧易購で購入したスマホを当日に受け取る経験をした。翌日には1/3以上の商品が手元に届き、3日以内にほとんどの商品が配達された。首を長くして数週間も商品待つ状況は、完全に過去のものとなった。

  中国国家統計局のデータによると、「双11(11月11日〜16日)」期間の業務ピーク時、全国の郵便局、宅配便会社が処理した小包は18.82億個で、前年比25.8%増加した。21日20時の時点で、辺境地区を除く主要物流企業が受領した貨物の数は18.3億個、配達成功率は97%に達した。

  天猫「双11」の越境物流の速度も大幅に向上した。11月11日午前9時1分の時点で通関した輸入商品の数は1000万件を突破したが、これは昨年よりも10時間半も速かった。12日24時には、全国251都市に「双11」当日に注文した輸入商品が配達されたもよう。

このページをA4版で印刷する
 前のページに戻る

pageTop