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“意外”な発展ぶりのウルムチ消費現場 (7)
ウルムチに3つの万達広場 現代的モール時代を幕開け
2019年7月25日
ウルムチに3つの万達広場
現代的モール時代を幕開け

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「万達広場」の来店客は多い
  不動産デベロッパー大手の万達(ワンダ)集団が運営する「万達広場」モールは、中国各地の都市の発展度合いを見極める指標の一つと言っても過言ではない。

  現在ウルムチ市内には3つの万達広場がある。一つ目は経済開発区に位置し、2016年8月開業。建築面積は約100万平方メートルで、新疆ウイグル地区初の大型ショッピングモールとなった 。

  二つ目は火車南駅商圏に德匯集団との共同出資により建設された徳匯万達広場で、18年1月にオープン。建築面積は13.5万平方メートル。万達が不動産を所有しない初の万達広場で、全国初となる卸売市場の業態転換による都市型コンプレックスプロジェクトだ。

  三つ目は高新区にあり、同じく18年9月に開業。政府の重点資本誘致プロジェクトでもある。

  一つ目の経済開発区の万達広場にはシネマコンプレックス「万達影城」、ゲームセンター「大玩家」、キッズ向け施設の「万達宝貝王」などの自社施設のほか、家電量販の蘇寧易購、仏スポーツ大型店「デカトロン」、同じく仏コスメ専門店「セフォラ」、アンダーアーマー、H&M、班的書店などが進出している。

  1階の中庭には、スマホの華為(ファーウェイ)体験館、レノボ体験館、小米(シャオミ)の「小米之家」などの体験型施設が集結。 これは他都市の万達でもあまり見かけない光景だ。

  キッズ向けの業態も多く、上記の万達宝貝王のほか、子供向け教室やトランポリンエリア、空手教室などがある。総合娯楽施設「暴風域」には密室脱出ゲーム、アーチェリー、ダーツ、VR(仮想現実)体験、カラオケルームのほか、カフェも併設。豊富なラインナップはファミリー層から高い支持を得ている。 
二つ目の徳匯万達広場は、より若年層をターゲットにしている印象だ。バンズ、カッパ(Kappa)、コンバース、ニューバランス、ナイキ、アディダスNEO、アディダスオリジナル、エアジョーダン、リーニン(李寧) 、フィラ、アンダーアーマー、プーマなど、若者に人気のスポーツ系がほぼ全て揃っている。

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ご当地ハンバーガーチェーン「百富漢堡(BEST FOOD)」
  飲食業態にも特色があり、ウルムチ初出店となった「海底捞火鍋店」、「外婆家」、「西貝」、「漫猫咖啡(Mancat Coffee)」、「宇治茶舗」などの人気チェーン店が並ぶ。ご当地ハンバーガーチェーンの「百富漢堡(BEST FOOD)」も出店している。

  小売業態では、話題の「小米之家」のほか、近年、一線・二線級都市で急速に店舗を増やしている北欧風雑貨ブランド「NOMe」が人気を集めている。  NOMeはファッション・アクセサリーから、デジタル雑貨、スナック食品、コスメ、日用雑貨、スーツケースなど幅広いジャンルの商品を扱っており、イケアと無印良品、中国版100円ショップのメイソウ(名創優品)を足して割ったようなイメージだ。

  德匯万達広場は、和德匯傘下の德匯宝貝広場に隣接している。こちらはキッズ向けの商業施設で、子供用スポーツアパレルや、習い事教室、遊園地、レゴ、空手や剣道の道場などがある。

  視察に訪れた際には、ベビー・マタニティ専門のECプラットフォーム「蜜芽」がプロモーションイベントを開催中だった。「ペットコーナー」で子供たちがアルパカやウサギと触れ合うことができ、多くの家族連れで賑わっていた。

  三つ目の高新区の万達広場には国内外252の著名ブランドが進出、うち42ブランドがウルムチ初進出だ。69の飲食店ブランドのうち、「網紅(ネットで人気の)」レストランも少なくない。全方位型のショッピングモールで、オープン初日には7万人が訪れ、900万元の売上を記録した。

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