中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!


天猫中心に急成長、中国コスメ市場 (5)
新たなブルーオーシャン メンズ(男性向け)コスメ
2019年9月16日

上海、北京、広州が上位3位に
主要都市がコスメ消費の主力

  同レポートによると、都市別では上海が「最も美を重視する」都市となっている。2018年、上海の天猫で化粧品を購入した人の数は611.9万人に達した。続く北京、広州がトップ3を構成し、深圳、重慶、成都、杭州、蘇州、武漢、西安が続いている。

  これら10都市の化粧品消費は、全体の四分の一がオンラインで購入されている。また、一線級と準一線級都市がコスメ消費の主力市場となっている 。
 
最も売れているのは口紅

 IMG_6324.jpg
単品で最も売れているのは口紅
  単品で最も売れているのは口紅。 消費者は平均で1年に3.3本の口紅を天猫で購入している。「70後(1970年代生まれ)」と「95後(1995〜99年生まれ)」世代が特に口紅を好み、「80後(1980年代生まれ)」世代は消費額が最も多い。

  エスティローダーグループ傘下のMACによると、同社の人気口紅は天猫で18万本を売り上げているという。

  最も人気が高い色は赤色で、話題にのぼることも最も多い。色に名前をつけることが流行し、人気の赤色には「グレープフルーツ色」、「かぼちゃ色」、「グレープ」、「トマトレッド」、「人魚姫」などの名前が付けられている。

 

新たなブルーオーシャン
メンズ(男性向け)コスメ

  性別で言えば、化粧品の消費者は女性が圧倒的に多い。天猫のデータによると、2018年、天猫でコスメ商品を購入した消費者のうち、女性が67.7%を占めた。主力は「90後(1990年代生まれ)」世代で、全体の50.8%を占めている。 

  男性がコスメ商品を買う目的は、女性へのギフト用が多い。バレンタインデー、婦人デー(3月8日)、七夕、クリスマスなどの記念日に、天猫で男性が購入する口紅の販売量は全体の5割を超えている。ジバンシー、イブサンローラン、アルマーニ、MACなどの高級ブランドの人気が特に高い。

  天猫の統計によると、ジバンシーとイブサンローランの口紅を購入する消費者のうち、男性が全体の7割にも達している。SK-IIのフェイシャルマスクも購入者の4割が男性。 

 

 IMG_6275.jpg
多くのブランドが男性向けのスキンケアを発売
ジョーマローンの香水も購入者の約半数は男性だ。メーカー側の統計によると、高級コスメのギフトボックスの購入者もほとんどが男性であり、女性への贈答用に用いられているもよう。

  一方、男性向け商品も増え、細分化、専門化、高級化が進んでいる。男性向けブランドは前年比で56%増加。多くのブランドが男性向けのスキンケアセット、洗顔料、乳液、専用パック、BBクリームやCCクリームを発売している。 

  スキンケアだけではない。口紅やアイブロウ、カラーコスメなどを使う男性も増えてきた。男性向けメイク商品の成長は、スキンケアやボディケア、香水、ヘアケア商品などに比べても大きく、前年比で89%にも達している。

 

このページをA4版で印刷する
 前のページに戻る

pageTop