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中国リアル消費の新潮流「ポップアップストア」(2)
低コストながら効果抜群 英家電ダイソンが成功例
2019年9月20日
低コストながら効果抜群
英家電ダイソンが成功例

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ルイ・ヴィトンなど高級ブランド大手もポップアップストアを採用
ポップアップストアは運営期間が短い。最短で数日、長くても数週間が一般的だ。1ヶ月を超すケースはほとんどない。

  賃料は1日ごとに計算されるため、固定の実店舗に比べ必要経費が少なくて済む。にもかかわらず、大きな効果が期待できるのが特徴といえる。

  ポップアップストア自体に見込み客のトラフィックを生む作用があるだけでなく、来店者が自発的にSNS(ソーシャルサイト)で情報をシェアしてくれることで、宣伝費用を大幅に節約できる効果も期待できる。

  大手ブランドもポップアップストアを採用するところが増えている。 独創的な空間デザインや仕掛けにより、ブランドの特徴を直接アピールできることに加え、他のマーケティング手法よりも大幅にコストを抑えられ、効率が良いためだ。

  2014年頃、EC市場は取引額こそ成長を維持していたが、その伸びは緩やかなものとなりつつある一方で競争が激化、広告宣伝費も高騰していた。

  一般的なネットショップの場合、広告宣伝費が売上の15%、新規ブランドの場合は50%にも達し、その割合は実店舗のテナント料をも上回った。このため、ネット販売に特化していた多くのブランドも、オフラインでの実店舗運営に着手しはじめ、なかでもリスクやコストが低く、消費者の反応も素早いポップアップストア形式に人気が集まった。

  中国で高い人気を誇るイギリスの家電ブランド「ダイソン」の場合、中国市場に参入した直後でまだあまり知名度のなかった時期から、ポップアップストアを展開し、市場の反応を探ってきた。

  中国の消費者はオフラインで商品を試し、オンラインで購入することを好むため、ポップアップストアはその「入口」として高い効果を上げた。
2015年、ダイソンは中国各地の一線・二線級都市で巡回型のポップアップストアを展開。 ブランド認知度を急速に高め、海外家電ブランドの売上でトップに一気に躍り出た。


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