アリババ
菜鳥がAGV(無人搬送車)ロボットを大量に導入 |
アリババは2013年5月に銀泰、復星、富春(FORCHN)など小売・投資グループのほか、順豊、申通、圓通、中通、韵達などの物流大手企業と提携し、「菜鳥網絡科技有限公司」を設立。菜鳥(CaiNiao)のスマート物流の屋台骨の構築を開始した。
自社構築、共同構築、提携、再編成など様々な手法により、オープン型の共有物流プラットフォームを構築。EC企業や物流企業、倉庫企業、第三者物流サービス企業、サプライチェーンサービス企業などへのスマート物流サービス提供を目指している。
2017年9月には、アリババが菜鳥網絡に53億元の追加投資を実施。さらに5年間で1000億元を投資する計画だ。菜鳥網絡は、2018年の世界スマート物流サミットの席上で、物流IoT戦略を全面的に推進すると宣言。同時に物流IoTをベースにした世界初の「未来園区」を江蘇省・無錫に建設と発表した。
この「未来園区」の倉庫には、大量の自動仕分けラインが設置され、AGV(無人搬送車)ロボットやロボットアームなどの技術が導入されている。保管から出庫、分包、配送票の貼付から仕訳まで、全て人手を経ずに行うことが可能で、倉庫及び仕訳け作業の完全スマート化を実現している。
従来型の物流や製造業と比べ、EC物流のシーンはより多岐にわたり、自動化の際に処理するSKUの数も多い。このため、これまでのソリューションではEC物流に対応することが難しかった。
菜鳥はディープラーニング、計算機能の強化、3Dセンサー技術などを活用。ロボットの視覚自動化などにより、ロボットアームによる自動選別や自動測量を実現し、仕分けの効率を大幅に向上させた。
2019年1月22日には、江蘇省・南京で全国初となるロボット仕分けセンターの稼働を開始。ここには菜鳥が研究開発したフレキシブル・オートメーション・システムが導入されている。
100台のロボットを使用し、大型貨物の仕分けの完全自動化とスマート識別、さらに高速仕分けを実現した。同センターのロボット仕分けシステムは、スーパーなどの貨物の9割以上を処理でき、効率も従来型の物流システムより1.6倍上回っている。
幹線輸送の面では、菜鳥ET物流実験室が「駝峰プロジェクト」を発表。一汽大衆(中国第一汽車とフォルクスワーゲンの合弁企業)、北京航天大学ドローンチーム、宅配サービスの「点我達」など複数の企業が共同で無人設備の量産を推進。無人車やドローンなどによる新しいスマート物流ネットワークの構築を目指している。
一汽大衆と共同で発表した自動運転トラック「公路高鉄」や、菜鳥が自社開発した固体レーザーレーダー無人物流車は、2018年の世界スマート物流サミットでも注目を集めた。
宅配に関しては、2017年11月に、菜鳥はドローンチームによる越境宅配便輸送に成功。農村淘宝の物流サービスも大きく前進した。