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【第394回】 中国消費の巨大さにもっと注目すべき!!
アリババ「双11」、1日で楽天の年間取引額超え!!
2019年11月13日
 今年も11月11日(独身の日)のアリババ天猫「双11」セールで最高記録を更新。1日(24時間)のみで取引額2684億元となり、日本円でなんと4兆円の大台を突破。楽天の2018年(年間)の国内EC流通総額が3兆4310億円だったことを考えると、驚異でしかありません。

 5億人の消費者と数百万のショップ、合計20万個以上のブランドが集った今年の双11セール。取引額もそうですが、さらに驚きなのが宅配便の取り扱い件数。開始から16時間33分後に10億の大台を突破。日本が18年に通年で約43億個なので、実に1/4相当の数。今頃は中国全土で輸送トラックや配達スタッフがフル稼働していることでしょう。

 私も微々たるものながら、4000元ちょっと貢献。こうしたデータや売れ筋の分析はまた別の機会にするとして、ここでは中国に住む一消費者として、気づきや感じたことをコメントしたいと思います。

 以前にメルマガで、特に今年に入り、頻繁に色んなテーマでキャンペーンを開催しているので、それほど「割引」に対する“旨味”はないように感じます。またネット通販に限らず、出前にしろネットスーパーにしろ、スマホ(ネット)での消費が日常になった今日。以前のように、双11にネットで何か買うという“特別感”もありません。

 実際のところ、今年の6月18日の「618」セールの後、いくつか若干大きめの買い物があったのですが、双11まで待とうと買い控えました。正直どのくらい割引になるのか見当つかずでしたが、ついそうした心理が働きます。一方で、トイレットペーパーやティッシュなどの日用品は約半年分の“大人買い”。

 おそらく私と同じような行動を取る人はごまんといるでしょう。一方で、双11に何か「買わなきゃ損」といった切迫感みたいなものがあるのも事実。周りからも着々と11日に向けて商品を物色しているという声が聞こえてくれるので、どこからかワクワク感も芽生えます。

 つい双11を「買い控え」と「先食い」でネガティブに捉えてしまいがちですが、それよりも全体としてまだ消費意欲が旺盛な中国消費者が多くいることに目を向けるべきです。少なくとも1年に1日はこうして中国全土が買い物ムードで盛り上がるのは、ある意味“国民行事”のようでいいことですね。中国経済成長減速や景気停滞などの文字に踊らされて二の足を踏んでいる場合ではありません。
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