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中長期計画に知っておくべき中国消費トレンド15選 (10)
消費トレンド⑩ 5G通信の商用サービスいよいよ幕開け
2020年10月19日
消費トレンド予測⑩
5G通信の商用サービスいよいよ幕開け
中国消費成長の新たな起爆剤となるか

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5G対応のスマホの販売は絶好調
 2019年10月31日、中国工信部は次世代通信規格「5G」の商用サービスの運営開始を発表した。同日、中国移動(チャイナ・モバイル)、中国電信(チャイナ・テレコム)、中国聯通(チャイナ・ユニコム)の通信キャリア企業3社が、5Gを使った通信プランをリリース。11月1日から正式な運用が始まった。

 5G通信技術はより速く、遅延が少なく、カバー範囲が広いという特徴を持つ。動画やゲームなどのほか、工業ネットワークや遠隔医療、自動運転など多くのシーンでの活用が期待されている。

 消費者も多くの期待を寄せている。19年8月には、全国初の5G体験店が、北京の蘇寧易購広場(スニンモール)にオープン。店内で5G通信が体験できるパッケージプランを販売した。

 ここ1年ほどで、大手メーカー各社も5Gスマホ製品を相次いで発表。中国信息通信研究院のデータによると、19年11月に中国国内で出荷された5Gスマホ端末は507.4万台で、前期比103.5%増だったとしている。

 2019年が5G関連アプリのテスト段階だったとすれば、2020年は5G関連製品の生産と消費体験段階から、普及、全面的浸透に至る1年になると位置づけられるだろう。

 中国調査会社の知萌諮詢が公表した「中国消費トレンド」によると、消費者の5Gサービスに対する期待は高く、50.5%が家庭用5Gブロードバンドサービスに興味があると回答。42.1%が高画質の動画視聴、39.2%がAR(拡張現実)・VR(仮想現実)コンテンツに期待すると回答している。5G対応のスマートスクリーンテレビやスマートホーム、自動運転システムなどを期待する声も少なくない。

 スマート化サービスの普及に伴い、5G対応の模索をはじめた企業も多い。

 独BMWの中国合弁である華晨宝馬は瀋陽の生産基地に5Gネットワークを導入。

 家電大手の海尔(ハイアール)集団は、「海尔智家」ブランドで5Gネットワークをベースにしたスマートホームを発表。体験型の「海尔智家001号店」をオープンし、スマートリビング、スマートキッチン、スマートベッドルーム、スマートバスルーム、スマートバルコニーの5大空間による新たな居住体験を提案している。

 中国の研究機関の中国信通院は、2020年の中国の5G商用サービス規模は約4,840億元で、2025年、2030年にはそれぞれ3.3兆元、6.3兆元になると試算している。10年間の年平均成長率は29%に達するという。(図4:消費者が期待する5G応用シーン)
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