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中国高齢者向け「養老」産業を徹底分析 (1)
高齢化待ったなし!!官民挙げて環境整備
2020年10月29日
  中国国家統計局の統計によると、2018年に中国国内の60歳以上の人口は2.5億人に達し、全体の17.9%を、また65歳以上の人口は1.6億人で、全体の11.9%を占めたという。

  WHO(世界保健機関)の予測では、2050年には中国の人口の35%が60歳超となり、世界で最も高齢化が深刻な国の1つになると見込まれている。(図1:中国の60歳以上の人口の推移)
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  2017年末時点で、60歳以上の戸籍人口のランキングは北京市がトップ。同市の老齢化率は24.5%に達している。天津市と遼寧省がこれに続き、それぞれ22.43%と22.65%だった。すでに8つの省及び直轄市で高齢化率が20%以上となっており、中国社会の高齢化が顕著となっている。(図2:2017年 高齢者の割合が20%を超える省・直轄市)
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  高齢化が年々深刻化するのに伴い、中国で高齢者向けの医療・介護から関連施設、製品、サービス、人材育成など業界全般を広義に称する「養老」産業が急成長している。中国調査会社の前瞻産業研究院の統計によると、2018年の中国の養老産業の市場規模は6.6兆元で、24年には10兆元に達すると見込んでいる。(図3:中国の養老産業の市場規模)
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  中国民政部の統計によると、2019年6月末時点で、中国国内の各種養老専門の施設の数は約3万ヶ所。「社区」(※中国独自の行政単位をベースとした地域コミュニティ)に付設している養老サービス施設は14.34万ヶ所に達しているという。

  ベッド数は合計735.3万床で、高齢者100人あたりで換算すると3床のみ。国際基準の100人あたり5床を大きく下回っている。

  高齢化が急速に進むなか、養老施設の新規設立やベッド数が大きく増加する潜在性を秘めているといえる。

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