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【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第311号】~アリババの「芝麻信用」で能力スコア化~

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2018年3月7日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第311号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。

 先週は広州と深センでした。この時期、南への出張は快適です。ちょうど昼間の気温が26℃前後となり、まさに「不熱不冷(暑くもなく寒くもない)」な気候。微信(ウィーチャット)の朋友圏(モーメンツ)では、東北の長春やハルビンで雪が降っている写真が出回っていましたが、広州の街中では半袖姿もチラホラと。改めて中国の広さが実感できます。

 日本では本格的な春到来を告げる気象現象として「春一番」が知られています。ちょうど先週の水曜日に、上海も強風が吹き荒れ、まさに「春一番」状態でした。しかし中国では、風ではなく「雷」が春の訪れを告げるとされています。

 「春雷始鳴、万物呼出」という言葉があるように、「春雷が鳴り始めると、万物(芽や花など)が呼び出される(芽吹く)」といった意味でしょうか。春に雷って?と思っていたところ、上海も20℃を超えるポカポカ陽気だった先日の日曜日。夜になると、空が「ゴロゴロ」と鳴り出し、稲妻の光とともに「ドーン」という音が…。まさに「春雷」でした。

 海南島の海口では中国の春の風物詩でもある「菜の花」畑が満開の写真もモーメンツにアップされていました。中国もいよいよ本格的な春到来です。

 今週のコラムは会報誌18年1月&2月合併号で取り上げた「芝麻(ゴマ)信用」についてです。では、中国市場インサイトメルマガ第311号をお送りいたします。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第311回)
     ~アリババの「芝麻信用」で能力スコア化~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. お知らせ
     1) 会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2018年1&2月合併号(vol.51)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

     2) 日経MJ(流通新聞)で「中国&アジア商売見聞録」掲載(隔週金曜日)
         「スーパー「コト」売って復活」(2018年2月23日付)
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/nikkeimj/

     3) Nikkei Asian Reviewで「中国&アジア商売見聞録」英語翻訳版掲載
         「Shanghai spots get hot thanks to word-of-mouth advertising(SNS人気店の秘訣)」
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/NikkeiAsianReview/

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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第311回)
 ~アリババの「芝麻信用」で能力スコア化~

 会報誌2018年1月&2月合併号で、「芝麻(ゴマ)信用」を取り上げました。芝麻信用とはアリババ系の個人信用格付システムのことで、電子決済の支付宝(アリペイ)の利用状況をメインに、各人の経済や金融面での「能力」をスコア化しています。

 この芝麻信用を初めて耳にしたのは、15年末ごろ。ある金融系のクライアントから依頼された調査案件でした。貸付等の可否や個人の信用状況を判断するうえで、ある中国の金融機関はこの芝麻信用を参考にしているのではないかという仮説でした。

 その後、ふと気付いたら自分のスマートフォン(スマホ)の支付宝の中に芝麻信用のアイコンを発見。興味津々でそのアプリを開いてみると、スコアのボタンが。ドキドキしながら見てみると、スコアは「550」くらいで、信用度「中」程度。

 ちょうどその頃は、実店舗でのスマホ決済が普及し始めていたタイミング。騰訊(テンセント)系の微信支付(ウィーチャットペイ)と支付宝の両者による、利用者を増やすためのキャッシュバック等のキャンペーン(陣取り)合戦が真っ盛りでした。

 当時、普段使い慣れている微信支付を多用していましたが、この芝麻信用を発見してからは、スコアを上げるために支付宝を利用するようになりました。出張時の交通費や接待等での食事代など、ある程度高めの額面の支払いに利用したのですが、結局スコアは動かずじまい。学歴や勤務先などの情報を入れるとスコアが上がると聞き、早速入力してみたのですがこれでも上がらず。

 普段の食材等の買い物や光熱費、携帯電話代などを自分自身で払っていないからか、単に外国人だからなのか、はっきりとした原因はわかりません。その後、スコアアップを諦め、芝麻信用の存在を忘れかけていた時、ふと目に止まったのが、普段よく使うレンタカー会社「一嗨租車」の広告。芝麻信用のスコアが650以上であればデポジット免除になるとのことです。

 残念ながら、自分は該当しないのですが、レンタカーを借りる際にデポジットで5000~6000元、また返却時に交通違反等の支払いのために2000元のデポジットを支払う必要があります。この他にもシェア自転車やホテル、病院、保険、さらにはルクセンブルクの訪問ビザも、スコアが750以上で申請でき、ヨーロッパ26カ国への訪問が「ノービザ」となります。

 このように国内外で利用され始めた芝麻信用。その仕組みから適用範囲、テンセントの動向など、中国社会に浸透する「信用消費」について特集しました。

文責:コンサルタント 大亀浩介

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◆今年の「双11」&「黒五」セールに見る中国ECの消費トレンド(6)
 ~口コミの影響大、マイナーブランドに春の訪れ

 中国人消費者が口コミを重視し、有名ブランドばかりでなく、口コミで人気の高い準メジャーブランドの優良製品も購入する傾向があることを示している。「双十一」と「黒五」の消費動向から、中国人消費者の消費昇級(アップグレード)トレンドをはっきりと読み取ることができる......

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◆今年の「双11」&「黒五」セールに見る中国ECの消費トレンド(5)
 ~最新型の美容機器や美容食品が大人気、日本ブランドも実力を発揮

 天猫国際の統計によると、85後、80後、90後、95後、75後が今年の輸入消費の五大主力消費層であり、なかでも90後、95後の比率は全体の3割を超えた。輸入消費の若年化傾向 はより顕著になったといえる。70後、65後の二大グループも前期比での伸びが大きく、輸入消費が中年層へも広がりつつあることを示している。 人気商品としては、紙おむつや粉ミルク等の必需品のほか、日本MTG傘下の美容機器「Refa」や日立の美容機器(ハダクリエ ホット&クール)、マドンナが研究開発したスキンケアブランド「MDNA」など、新規の美容ブランドが数多く登場、高い人気を集めた......

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お知らせ
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1)会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2018年1&2月合併号(vol.51)発行

 会報誌2018年1&2月合併号(vol.51)では、巻頭特集に2018年の中国消費トレンド動向を取り上げました。

 「新零售(小売)」と「消費昇級(アップグレード)」という二大トレンドの下、新たに多くの商業モデルやサービスが誕生した17年。そうした業界の動向をおさらいした上で、マッキンゼーやニールセンなど大手コンサル及びリサーチ各社から発表されたレポートを踏まえながら、18年の展望について考察しています。

 消費昇級は各方面に波及。ネット通販やコンビニが伸びる一方で、従来型のスーパーは低迷。百貨店なども、体験(コト)型業態を増やしたり、サービスをアップグレードしたりするなど、より快適な空間やムードを醸し出す環境作りが強いられました。パッケージにこだわった商品や健康を意識した有機野菜のサラダ専門店など、味や値段だけでなく「付加価値」や「話題性」がますます重要になっています。

 ネット通販も、高品質で安心、さらに知名度の高いブランドを求めて、越境ECが飛躍的に成長。これまでのベビー・マタニティやコスメ類から家電製品や家具など商品のジャンルも幅広くなりました。また「網易厳選」のようにノンブランドながら良質な素材や品質の商品を集めたサイトも人気に。まさに無印良品のように、コンセプトそのものがブランド化するような仕掛けも散見されるようになりました。

 次世代の消費の主力として「Z世代」にも注目しました。1995年から2010年までに生まれたZ世代。人口は全体で3.78億人、全人口の約27%を占めています。前世代よりは裕福な環境に生まれ育ち、幼少期からネットが当たり前の時代。溢れた情報の中、自分にとって大事な情報は何かを吟味選別する能力にも長けています。

 こうしたZ世代をターゲットにした娯楽やテレビ番組、さらには広告手法などが急に目立ち始めた17年でした。彼らが好むネット配信番組や商品パッケージ、またスマートフォン(スマホ)での口コミを意識したデジタルマーケティングやポップアップストアなど、これまでの広告手法とは異なる取り組みが各社に迫られました。

 二次元やアニメ、ゲーム(eスポーツ)、ヒップホップ音楽、さらにはショート動画なども、Z世代が牽引して社会的地位を高めています。ネットを中心に、バーチャル的な結びつきを求める傾向が強い彼ら。一方で、一人での生活や旅行、食事、映画鑑賞などを楽しむ「おひとり様」消費や、買い物は近場のコンビニで、食事は出前で済ませる「なまけ者」暮らしといった新しいライフスタイルが、脚光を浴びつつあります。

 健康意識をますます高める中国消費者を背景に、飲食面でも大きな変化が現れています。健康食品や健康関連サービスに興味を示す消費者が増え、サラダやギリシャヨーグルト、アボガドなどが人気に。またグルテンフリーやラクトースフリー食品をデリバリーするお店も登場。さらには定期的に運動する人も増加中で、スポーツ関連消費も大都市を中心に急成長しています。

 このように目まぐるしく変わる中国消費ですが、人口も多く、国土も広い、さらに各世代の生まれ育った環境が大きく変わるなど、一概に“ひとくくり”にできないのが現状です。多様化が深まる消費者像やニーズを踏まえ、いかに中国消費者に「求めて(ウォンツして)」もらうか…。まさにマーケティング概念と戦略が必要とされる中国事業。その一助になればとの思いでまとめました。

 次に、トレンドウォッチでは「芝麻(ゴマ)信用」を取り上げました。アリババ系金融子会社「螞蟻金服(アント・フィナンシャルサービス)」が2015年1月末に正式運営をスタートした芝麻信用。ネット上での各種消費や行動記録、借入状況をもとに、個人の信用状況を総合的に数値化したシステムのことで、スマホの支付宝(アリペイ)アプリに標準搭載、350点から900点の間で信用状況がスコア表示されます。

 この芝麻信用が一躍注目を集めるようになったのが、シェア自転車でしょう。中国各都市の街中でシェア自転車が登場した2016年。当初は、利用開始前に会員登録をする必要があったのですが、その際に200元前後のデポジットの支払いが必須でした。それがいつからか、シェア自転車大手「ofo」を借りる際に、芝麻信用が650点以上であればデポジット不要に。その後、多くのシェア自転車がデポジット免除になりました。

 また雨傘やモバイルバッテリーなどのシェアリングサービスにも同じような規定が適用され、さらにはレンタカーでも、借りる際と返却時に要求された高額のデポジットが芝麻信用のスコア次第で免除に。その他にも携帯電話や不動産賃貸、ホテル予約、病院の診察、保険、消費者金融などにも適用され、挙句の果てにはシンガポールやルクセンブルクの訪問ビザ申請にも利用されるほどに。

 このように中国社会や生活に「信用」をシステム的に普及させた芝麻信用について、その適用範囲やスコアの計算方法、企業向けのサービス、さらにはライバルである騰訊(テンセント)の動向について考察しています。

 中国コンビニ最前線レポートは、アリババが取り組むコンビニ「天猫小店」について。ネット通販の成長が減速トレンドにある中、アリババが目につけたのが全国各地に点在する「パパママストア(家族経営の零細小売店)」。中国全土に700万店もあり、小売チャネル全体の出荷量の40%を占めるといわれています。

 こうしたパパママストアを、アリババが小売店を対象とした商品調達プラットフォームである「零售通」を活用し、“今風”のスマートな店構えから商品陳列、品揃えに変えていこうという試み。18年内に全国で1万店の「天猫小店」を誕生(リノベート)させる目標を掲げています。

 17年8月末にアリババ本部のある浙江省・杭州に誕生した1号店「維軍超市(スーパー)」。彼らがどのようにアップグレードされたのか、また天猫小店に加盟するメリットや要件、アリババならではのビッグデータを活用した店舗モデルや品揃えの決定方法などについて紹介しています。

 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』 
2018年1&2月合併号(vol.51)  もくじ
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【巻頭特集】
『多様化する消費者像とニーズ マーケティング視点がますます重要に』
 2018年中国消費のトレンドを探る

【トレンドウォッチ】
『アリババ系「芝麻信用」が個人信用消費の新時代を幕開け』
 信用社会へと変化を遂げる中国

【小売・流通現場】中国コンビニ最前線レポート
『零細小売店1万店をリアルとネット窓口でアリババが再生する』
 中国各地の“パパママ”ストアを現代的なコンビニ「天猫小店」に

【都市別調査】
高まる健康志向 〜フィナーレ
『亜健康という“新常態” 健康という“非日常”』
広東省都市めぐり 〜その①
『中国経済発展トップ省 省都・広州の新都心』

※詳細はこちら:http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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2)日経MJ(流通新聞)で「中国&アジア商売見聞録」掲載(隔週金曜日)
  第122回「スーパー「コト」売って復活」(2018年2月23日付)

 日経MJ(流通新聞)でコラム「中国&アジア商売見聞録」を隔週金曜日に掲載。上海を中心に、中国やアジアの見聞きした情報を現場目線からお伝えしています。

 第122回は「スーパー「コト」売って復活」(2018年2月23日付)。中国EC(電子商取引)普及の煽りを最も受けているスーパー業界。その中で「コト(体験)」トレンドを巧みに取り入れ、息を吹き返しているのが永輝超市(スーパー)だ。

 全国に600店近く展開する福建省・福州発の永輝。2017年から、「生鮮+飲食」コンセプトの新たな試みを展開。店内で販売されている生鮮品を、その場で調理して食べさせる「コト」スーパーだ。「超級物種(Super Species)」というブランドで、17年元旦に福州で1号店をオープン。その斬新な概念や話題性で人気に火がつき、北京、上海、深圳、成都など10都市35店にまで一気に拡大した。

 上海郊外のベッドタウン「五角場」に17年11月オープンした店舗に行ってみたが、そこで見た光景は・・・。

 次回の掲載は2018年3月9日を予定しています。

※日経テレコンにて、バックナンバーをご覧いただけます。
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  お問い合わせ先:日経中国(香港)社 e@nikkei.com.hk

※ダイジェスト版バックナンバーはこちら >>
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3)Nikkei Asian Reviewで「中国&アジア商売見聞録」英語翻訳版掲載

 2013年5月から日経MJ紙で連載中のコラム「中国&アジア商売見聞録」の英訳が英語誌「Nikkei Asian Review(http://asia.nikkei.com/)」に掲載されております。
詳しくは下記リンクから。

「Shanghai spots get hot thanks to word-of-mouth advertising(SNS人気店の秘訣)」
https://asia.nikkei.com/Business/Trends/Shanghai-spots-get-hot-thanks-to-word-of-mouth-advertising

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