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2019年4月3日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第363号】
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こんにちは。キャストの大亀です。
新しい元号が「令和」に決まりましたね。ちなみにこうした元号を使っている国は世界で日本が唯一だそうですね。皆さんにとって、素晴らしい時代になることを願っています。
先週末に栃木県の鬼怒川温泉に行きました。鬼怒川といっても「奥鬼怒」の「加仁湯(かにゆ)」という温泉宿。鬼怒川温泉駅から市営の路線バスで女夫渕(めおとぶち)という終着のバス停まで約2時間。そこからさらに送迎バスで30分程度かかる、まさに“秘湯”です。
3月末ながら女夫渕から宿までの道のりは完全なる雪景色。つい数日前まで東京で満開の桜を満喫したばかりでしたが。宿の屋根にはまだ大きな氷柱が残るなど、春の訪れまでもうしばらくかかりそうでした。
硫黄系の源泉かけ流しのにごり湯で、混浴の露天風呂。混浴とはいえ、普通に「男湯」になっていましたが、雪が舞う中、大自然に囲まれた秘湯に癒やされました。
前日には日光に立ち寄り、多くの外国人観光客の姿を目にしましたが、さすがに加仁湯は日本人オンリー。たどり着くまでのハードルがあまりにも高いからでしょうが、そのうちSNS(ソーシャルサイト)などで知られて増えていくんでしょうね。
今週のコラムは会報誌3月号で取り上げた「ポップアップストア」についてです。では、中国市場インサイトメルマガ第363号をお送りいたします。
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【目次】
1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第363回)
~中国で重視されるポップアップストア~
2. 新着コンテンツ一覧
3. お知らせ
会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年3月号(vol.62)発行
(詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical
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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第363回)
~中国で重視されるポップアップストア~
会報誌3月号で、「ポップアップストア」を取り上げました。このポップアップストア、あまり馴染みのないワードかもしれません。ショッピングモール等の空きテナントやスペースで突如として現れる“即席”の簡易店舗のことで、通常短期間のみ。気づいたら別の店舗になっていたということも多々あります。
ちなみにこのポップアップストアのルーツはイギリスとのこと。ウィキペディアによると、2002年にロンドンのチェルシー地区にある大手スーパーが、クリスマス商戦の際に埠頭に船を浮かべて仮店舗を開き、客の注目を集めたのが始まりだそう。
それがイギリス内で一躍有名となり、その後はファッション業界から自動車業界まで、商品のアピール手法として一躍大ブームに。特に08年のリーマン・ショック以降は、CMより安価で注目を集めることから、より一層出店が増えたと紹介しています。
中国でも12年頃から出始め、16年に一気に急増。18年には全土で1068件が運営され、20年には3000件を超えるとされています。出店する業界も高級ブランド品からアパレル、コスメ、日用品、デジタル製品、ネット系など幅広く広がっています。
ポップアップストアに注目したのは、実は昨年の中秋節に訪れた南京でのこと。上海で欧州系高級ブランド企業に務める友人と一緒だったのですが、南京ナンバーワンのモール「徳基広場」にオープンした某コスメのポップアップストアを前に、彼女が「中国ではこれがすごく大事なの」と一言。世界でも珍しく、中国人消費者は特にポップアップストアを好むそうです。
彼らが求めるのは「体験(コト)」。店員と会話しながらショッピングを楽しむ傾向が強いらしく、店舗よりも話しやすい雰囲気があるそうです。短期間で賃料も安価なイメージですが、場所によってはかなりの高額になっているとのこと。それでも高級ブランド各社はどこも、このポップアップストアを中国では重視していると言っていました。
ネット通販や「新小売」の攻勢に押され、劣勢感の強い中国のリアルの消費現場。空きテナントを有効活用しながら、短期で様変わりすることで常に「新鮮感」を与えるポップアップストア。ネットからリアルへと消費を回帰させる “救世主”となるか、要注目です。
文責:コンサルタント 大亀浩介
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◆中国コーヒーデリバリー、新旧チェーンが争奪 (6)
~マックカフェも参入 白熱するネット出前競争
スターバックスに続き、2018年10月には、マクドナルド傘下のマックカフェも上海地区でのネット出前(デリバリー)サービスを開始した。出前アプリの美団外売や餓了麽、微信(ウィーチャット)のミニプログラム(小程序)「i麦咖啡外送」から注文するシステムだ......
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◆中国コーヒーデリバリー、新旧チェーンが争奪 (5)
~盒馬とも提携「外送星厨」盒馬の裏厨房と配送を活用
スターバックスは、近年中国の小売流通業界で注目のオムニチャネル概念「新小売(ニューリテール)」を代表するネットスーパー+グローサラントのアリババ系「盒馬鮮生」とも提携、新サービス「外送星厨」をスタートした。スターバックスの店舗の多くが、賑やかな商業エリアにあるため、ピーク時には店舗での注文が殺到して、ネット出前(デリバリー)まで手が回らないことも多い......
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◆中国コーヒーデリバリー、新旧チェーンが争奪 (4)
~スタバがアリババと提携 「専星送」でネット出前参入
ラッキンコーヒーなど出前(デリバリー)メインのチェーン店との競争が激化していく中、スターバックスコーヒーは中国進出後9年目の2018年、初のマイナス成長となった。売上と利益の減少に直面したスターバックスは、その打開策として、自らもネット出前サービスへの参入を余儀なくされた。2018年8月2日、スターバックスはアリババとの戦略提携を発表。アリババ傘下のネット出前プラットフォーム「餓了麽」を通じて、ネット出前サービス「専星送」を始めると宣言した......
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◆中国コーヒーデリバリー、新旧チェーンが争奪 (3)
~微信マーケティングを積極化
コーヒーボックスの特色は値段の安さばかりではなく、スマホSNSの微信(ウィーチャット)を利用したマーケティングも注目に値する。注文すれば福袋がもらえ、リンクを微信のチャットグループにシェアすれば、グループのメンバーが福袋を利用して注文できる。シェアすればするほど、クーポンがもらえる仕組みだ。クーポンは毎回0.1~0.2杯で、1杯になると無料でコーヒーがもらえる......
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お知らせ
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1)会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年3月号(vol.62)発行
会報誌2019年3月号(vol.62)では、巻頭特集に「ポップアップストア」を取り上げました。街中に突然店舗が出現し、沢山の人で賑わっていたのが、しばらくして通りかかると、何もなくなっている光景を目にしたことがあるでしょう。
ポップアップストア(中国語名:快閃店)とは、賑やかな商業エリアやモールなどの商業施設で、不定期かつ短期間に運営するお店のこと。中国語の如く、最大の特徴は「快(スピード)」にあります。
運営期間の短さは、消費者の「タイミングを逸したら行けない」という心理を煽る効果もあります。またオリジナリティ溢れるデザインや体験(コト)型の店構えが多くの消費者を誘い込み、効率良くマーケティングやブランディングが行えることでも注目されています。
ポップアップストアの起源は、イギリスのロンドン。2012年頃から中国でも見かけるようになりました。当初はオープンしたてのブランドショップやマイナーなアパレルブランドが、通りすがりの客の注目を集めるために運営するケースがほとんどでした。
それが16年頃から、人気が一気に高まります。採用する業界も高級ブランド品からアパレル、コスメ、日用品、デジタル製品、ネット系へと拡大していき、一種のトレンドになっています。
短期運営の“即席”の簡易店舗で注目され、スマートフォン(スマホ)のSNS(ソーシャルサイト)を通じてウイルス的に拡散される新しいマーケティング手法のポップアップストア。テレビやネットでの広告コストが高騰する中、家賃等のコストの低さと注目度の高さから、特に若年消費者層の獲得を目指す企業にとって、格好のマーケティングツールとなりました。
商業用不動産コンサル大手のRET(睿意徳商業地産研究中心)は、中国でのポップアップストア数が18年に約1000件、20年には3000件を超えると見込んでいます。最近では中国EC(電子商取引)大手の天猫(Tモール)や京東(JDドットコム)、さらにはショート動画アプリの「抖音(TikTok)」も参入するなど、ネット系のリアル展開にも活用されています。
そこで、中国でのポップアップストアの実態について、主な形態から中国で人気となった理由、商業施設側の思惑、ダイソン、シャネル、喪茶、Q&Aアプリ知乎「不知道診所」などの成功例を紹介。また「新小売」型でECとも連動する天猫快閃店、「ボーダーレス小売」を実践する京東Joy Space快閃店、ポップアップストア用のスペースをシェア(賃貸)する閃殿Popup Unionなど。
さらにはネット上でポップアップストアを展開する天猫Luxury Pavilion、抖音が参入した小米(シャオミ)との新スマホ発表イベントなど、リアル回帰の起爆剤となりうる中国マーケティング新潮流のポップアップストアについて、詳しく解説しています。
次にトレンドウォッチとして、「2019年中国消費トレンド動向10選」を編纂しました。18年の中国GDPに対する貢献度が76.2%に達し、経済発展の主要な牽引役となった「消費」。スマホ普及に伴い、消費者の情報収集力はますます高まり、消費構造も急激に変化しています。
消費傾向が住まいや健康、カルチャー、エンタメ、旅行、教育、情報などのジャンルにより重きを置くようになっている中国消費者。モノへのニーズが充足し、生活や精神的なクオリティをより重視し、趣味に投資する人も増えています。
所得の上昇に伴い、人々のライフスタイルも変化しつつあります。価格への敏感度は低減。一方で商品やサービスの質、安全性、機能性へのニーズが高まっています。ブランドや商品を選ぶ際にも、環境保護やクオリティ、健康などの要素を考慮する人が増えています。
ITやネットの技術革新(イノベーション)が進み、モバイル決済(キャッシュレス)、無人店舗、スマートホーム、ネット出前アプリなどが日常生活に深く浸透。人工知能(AI)やビッグデータの発展に伴い、オンラインとオフラインを融合した「新小売(ニューリテール)」も、もはや“当たり前”の消費形態になっています。
このような状況を背景に、2019年に注目を集めそうな消費トレンドとは?自分回帰、精鋭主義、癒やし経済、ささやかながら快適な我が家、国産ブーム、軽食主義、オンライン・オフライン活用ライフ、種まき消費、トレンド+ハイエンド主義、良質な地方特産品という10のキーワードをもとに説明しています。
業界研究では、中国コスメ業界を取り上げました。監査法人のPwCが公表したデータによると、2012年から17年の6年間における世界のコスメ市場の年平均成長率3.9%に対して、中国はこれを大幅に上回ったもよう。またユーロモニターの統計では、13年から17年の中国コスメ業界の年平均成長率は10.6%に達したとしています。
大手コスメブランドの財務データでも、中国市場の成長が他国を大きく上回っていることがわかります。資生堂の中国市場での業績は18年に前年比32.3%増で、売上は1908億円に達したもよう。ロレアルも中国市場の売上が世界全体を大きく上回り、33%成長。傘下のランコム、ヘレナルビンスタイン、ロレアル・メンにとっても、中国が最大の市場になっているようです。
こうした中国コスメ市場の成長を支える“屋台骨”の役割を担っているのが、中国EC最大手の天猫(Tモール)です。18年のコスメ市場全体の約30%がオンラインでの売上とされている中、コスメ商品の売上に絶対的な影響力を及ぼす存在になっています。例えば、P&Gの天猫での売上は、ここ10年で1000倍にまで成長したとのこと。
アリババが公表したデータによると、2008年から現在までの約10年間に天猫でコスメ商品を購入した人の数は累計で3億人超。18年の天猫でのコスメ商品の売上は前年比60%増。エスティローダー、ランコム、オレイ(Olay)、ロレアル、SK-Ⅱなど大手は、いずれも年間売上10億元を突破。11月11日(独身の日)の「双11」セールでは、多くのコスメブランドが1日で売上1億元を達成しています。
これまでコスメよりはスキンケアが主流とされてきた中国で、どんな変化が生まれているのか。驚異的な販売量を背景に続々と大手各社が出店する天猫を中心に、ハイエンド化と低年齢化、さらには新たな“ブルーオーション”として注目されるメンズ(男性向け)コスメなど、中国コスメ業界の現状について調査・分析しています。
そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。
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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』
2019年3月号(vol.62) もくじ
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【巻頭特集】
『中国リアル消費の新潮流「ポップアップストア」』
高級ブランドからEC大手も積極活用
【トレンドウォッチ】
『2019年中国消費トレンド動向10選』
内的満足の追求がますます顕著に
【業界研究】中国コスメ市場
『天猫中心に急成長、中国コスメ市場』
若年・高級・オンライン化が進む
【都市別調査】
下剋上の方程式②
『考拉=自前+現地主義 OPPO=地方+リアル』
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