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【中国消費洞察メルマガ 第528号】~電動歯ブラシを“日用品”として広めた「usmile」~

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2022年7月13日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第528号】
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 こんにちは。キャストグローバルの大亀です。

 中国語で「早C晚A」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?昨年後半にネットでブレイクした流行語です。元々は朝にビタミンC系、夜にビタミンA系の成分を含むスキンケアを組み合わせて使うことで、美白やアンチエンジングの効果が得られるということのようです。

 それがネットユーザーの間で「朝はコーヒーで眠気を奮い立たせ1日をスタート、夜はアルコールで1日の疲れを癒やして睡眠を助ける」と話題になり、多くの若者から「本当に真実だ」と支持されたようです。

 こうしたトレンドを踏まえてか、先日訪れたアリババ系スーパーの盒馬(フーマー)でも、自社ブランドでロゼ味ハイボールが16元(約320円)で販売されていました。実際に、ほろよい感が得られる低アルコール飲料の売上が、ここ2年間で260%増と成長。「炭酸+白酒」といった“ハイボール”飲料も登場するなど、若者へのアピールに余念がありません。

 社会人になってかれこれ25年以上もこの「早C晚A」を実践している私。「ようやく時代が追いついてきたか」と言いたいところですが、最近は歳のせいか、コーヒーの飲みすぎと深酒は逆に寝付きが悪く…。ロックダウン下で控えるようになったCとAですが、今後も継続できるよう心がけています。

 今週のコラムは、電動歯ブラシの新興ブランド「usmile」についてです。では、中国消費洞察メルマガ第528号をお送りいたします。

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■大亀浩介の中国消費洞察ブログ >> http://okamekosuke.jugem.jp
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2011年末からの週刊メルマガも収録。中国市場攻略にぜひお役立て下さい。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第528回)
   ◆ロックダウンで垣間見たご近所さんの生活ぶり
    ~便利で高機能の生活家電が想像以上に浸透?~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2022年6月号(vol. 95)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/newsletter/

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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第528回)
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【第528回】 家電もネットやSNSでバズらせる時代に!
 ~電動歯ブラシを“日用品”として広めた「usmile」~

 中国の消費トレンドやニーズを察知し、ネットやSNSでバズらせて人気となる新興の「新消費」ブランド。この新消費ブランド勃興の波が、ついに家電、特に小型家電にも及んでいます。その筆頭格が、電動歯ブラシメーカーの「usmile」です。

 中国の口腔ケア業界は、長年、オランダのヘルスケア大手フィリップスや、P&Gのブラウン・オーラルBなど海外の大手ブランドによって支配されてきました。そうした中、2015年に広東省・広州で設立されたusmileは、若い消費者の求めるニーズや機能をキャッチし、トップブランドへと成長を遂げました。

 「2021天猫コスメ・洗浄ケア618終局戦況報告」によると、usmileは2021年の天猫618セールにおける「5大破億新品牌」(売上1億元を突破した5大新興ブランド)の1つとなり、口腔ケア類、電動歯ブラシ類、口腔洗浄製品類の各部門でトップに立っています。

 電動歯ブラシを販売する企業の多くが、電動歯ブラシのポジショニングを小型家電としているのに対して、usmileは“日用品”と定義している点が斬新です。電動歯ブラシはあくまでも家電製品の範疇内で、多くのメーカーが工業的デザインから抜け出せない状況でした。

 そうしたなか、usmileは若者の審美眼の高さに着目し、マカロンカラーのかわいらしい電動歯ブラシを発売。大きな反響を呼び、その後、他社も類似モデルで追随しました。

 また機能的にも、ユーザーを対象とした独自の調査から、多くのユーザーが「連続使用時間」と「専用充電スタンド」に対して不満を抱いていることを発見。連続使用時間を180日に延ばし、また当時主流だった専用の充電スタンドをやめ、 USBで気軽に充電できるようにしました。これも、現在ではブラウン・オーラルBを除き、ほぼ全てのブランドがUSB充電式のモデルを発売しています。

 usmileは、口腔ケア業界にこれまで存在しなかったコンセプトで、消費者にアプローチしています。つまり「肌と同じように口もケア」するという理念です。それを体現したのが、スキンケアのアンチエイジング概念を導入したマウスウォッシュの「エッセンスマウスウォッシュ」。スキンケアのようにと表現することで、口腔ケアがより身近なものに感じられ、口腔ケア市場の啓蒙・拡大に大きく貢献しました。

 usmileは他社との差別化により競争力を高めるため、全方位型の口腔ケアをブランドコンセプトに据えました。つまり、主力製品の音波式電動歯ブラシや歯間洗浄機のほかに、歯間ブラシ、歯磨き粉、歯磨きパウダー、マウスウォッシュ、ホワイトニングテープ、マウススプレーなど各種オーラルケア品も販売。洗浄、美白、口臭ケアまで、どんなニーズにも応えることができる点をアピールしています。

 設立当初、プロモーションには、微信(ウィーチャット)の公式アカウントを活用しました。同社第1号モデルの「U1」は、発売から半年間で、100名以上の公式アカウントブロガーが情報を発信。熱心なフォロワーを獲得し、天猫や微信ミニアプリ(小程序)でのコンバージョンに繋げました。

 2017年以降は、小紅書(RED)の運営に力を入れ、新製品「Y1」を発売。マカロンカラーの U1に続き、Y1ではエレガントなローマンピラー調のデザインを採用し、女性ユーザーがメインの小紅書(RED)で大きな話題を呼びました。

 体験型消費に人気が集まる今、usmileはオフラインチャネルの開拓にも積極的です。オフラインのリアル店舗は、2021年5月時点で計5,000店超。セフォラ(SEPHORA)、ワトソンズ(屈臣氏)、イトーヨーカドー、銀泰西選、海南島・三亜免税店などのミドル・ハイエンド向けチャネルを中心に店舗を展開しています。

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◆2020年中国国勢調査分析レポート (3)
 ~拡大ペース維持する中国の都市化 2025年までに都市化率65%に

 第7回国勢調査によると、中国の都市化率は2010年の50%から2020年には63.9%に上昇し、 年平均1.4%の成長を続けているもようだ。都市化は依然として急拡大しているといえる。現在、中国の都市化は、所得が「中の上」レベルの国の都市化水準とほぼ肩を並べている。「十四五」(第十四次五ヶ年計画)では、2025年までに中国の都市化率を65%にすることを目指している。新たな都市化戦略の下、中国の都市化はさらに進展することが予想される。 

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◆2020年中国国勢調査分析レポート (2)
 ~労働人口比率の低下が顕著に 2008年以降、高齢化が加速

 今回の国勢調査では、中国の労働人口比率とその絶対数が共に低下していることも明らかになった 。総人口に占める15~64歳の人口の割合は68.6%で、2010年よりも6%減少。また15~64歳の人口は9.7億人で、2010年よりも3,000万人減少している。経済成長と労働人口の増加率には密接な関連性が見られ、労働力は経済成長の重要な要素の1つといえる。労働人口の減少は、コストの上昇を招き、経済成長にも大きな影響を与えうる...... 

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◆2020年中国国勢調査分析レポート (1)
 ~中国総人口は2020年に14.1億人に 人口増加ペースは鈍化傾向示す

 2010~2020年の間、中国の総人口は緩やかな増加傾向を保った。第7回国勢調査によると、2020年の総人口は14.1億人で、「国家人口発展計画(2016-2030年)」で予測された14.2億人をやや下回っている。また2010~2020年の人口の年平均成長率は約0.53%で、2000~2010年の0.57%を0.04%下回った......

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◆中国新消費ブランド調査分析レポート(23)
 ~無糖フレーバー炭酸水「元気森林」 中国の無糖炭酸水市場創出の立役者に

 無糖フレーバー炭酸水ブランドの「元気森林」は2016年設立。「0糖0脂0卡」(ゼロシュガー、ゼロファット、ゼロカロリー)をキャッチフレーズに急成長を遂げ、中国の無糖炭酸水市場で、代名詞的存在となった。2020年の双11(ダブルイレブン)セールでは、天猫と京東の2大プラットフォームの飲料部門で、売上ランキング1位を獲得。2020年全体の売上は29億元に達している......

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■新着統計データ一覧
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◆中国ベビー・マタニティ市場のジャンル別シェア(2021年)

 中国のベビー・マタニティ市場では、服・靴・帽子などのアパレル製品、及び粉ミルクが市場全体の26%と22.7%を占め、最も多い......

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◆中国ベビー・マタニティ市場の消費規模(2021年)

 中国では、出生率が低下し続けているにもかかわらず、平均可処分所得の上昇や一般家庭の消費力の向上に伴い、ベビー・マタニティ市場が成長の一途を辿っている......

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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2022年6月号(vol. 95)発行

 会報誌2022年6月号(vol. 95)の巻頭特集では、中国の生活家電を取り上げました。経済の発展と消費のアップグレードに伴い、よりクオリティの高い生活を追い求めるようになった中国消費者。新型コロナの影響で、自宅で過ごす時間が増え、家庭生活の質にこだわる人も増えつつあります。

 そうしたなか、住環境を改善し、生活の質をダイレクトに高められる生活家電製品が高い人気を集め、家電業界の新たな牽引役として注目を集めています。

 中国の生活家電の売上高は2021年に1,416億元となり、家電市場全体の17%を占めました。2017年から5年間の年間平均成長率は、他の家電製品(ジャンル)がマイナス2.3%だったのを尻目に、1.5%とプラス成長を記録。2025年までの年間平均成長率もプラス14.7%と引き続き拡大が見込まれています。

 大型家電市場が飽和状態になっている一方で、依然として普及の余地が残されている生活家電。中国消費者が生活の質向上を求めるのに伴い生活家電消費もアップグレードが進み、2025年には売上高が家電市場全体の25%を占め、2,450億元に達するとも予想されています。

 供給サイドから見てみると、技術の発展に伴い、製品の世代交代が加速。同時に機能面の強化も進んでいます。相次いで発表される新製品は、スマート化や多機能一体型などがトレンドとなるなか、高価格帯製品も登場し、「生活家電=低価格」という従来のイメージにも変化が起きつつあります。新たに参入する新興及び大手メーカーも急増中で、市場競争も激化しています。

 そこで今号では、生活家電市場の現状と今後の動向について、消費トレンドや消費者ニーズの目線から調査・分析しました。まず生活家電を清掃用家電、パーソナルケア製品、室内環境製品、調理器の4つのジャンルに分類して考察。市場と製品という2つの側面から見られる6つのトレンドも解説しています。

 また生活家電でより良い暮らしを実現したい中国人が、生活家電に求めるニーズは何かについて深堀りしながら、企業がニーズをいかにキャッチし、コンバージョン(販売転換)へとつなげていくかについて考察。特に中国でますます重要度を増すソーシャルメディア戦略の一貫として、中国版D2Cといわれる「私域」をいかに運営すべきかについてもケーススタディを交えながら調査・レポートしています。

 次に業界研究として、中国のウェアラブルデバイス業界を取り上げました。中国では、インターネット+医療・健康、スマート医療、遠隔医療、モバイル医療などがキーワードとなる国家戦略を背景に、スマート機能を搭載したウェアラブルデバイスが急成長しています。その進化を下支えしているのは、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、IoT(モノのインターネット)などの技術革新です。

 2020年時点における中国の65歳以上の人口は、全人口の約13.5%となりました。これは、世界的な高齢化社会基準である7%を大きく上回っていることから、中国はすでに中度の高齢化社会に突入しているといえます。

 中国語で「空巣」つまり子供が巣立った老夫婦や、「独居」と呼ばれる一人暮らしの老人の人口も増加の一途を辿っており、慢性疾患管理や在宅介護の需要も急増しつつあります。こうした社会情勢を背景に、リアルタイムなデータ観測が可能で、かつ人的コストの削減にも繋がる医療用ウェアラブルデバイス市場が、今後大きく成長が見込める分野として注目を集めています。

 同時に近年の健康志向の高まりを背景に、自身の健康状態を重視する中国人の増加も、医療用デバイス市場の成長を大きく後押ししています。ベンチャーキャピタルもこのトレンドに熱い視線を注いでいます。2021年には、医療機器分野で375件の資本調達案件があり、調達総額は772億元に上りました。これは、医療・薬品業界での調達額全体のうち、バイオ医薬品分野に次ぐ規模の大きさで、なかでもスマート機能を搭載した医療用ウェアラブルデバイスが関心の的になっています。

 中国国内のウェアラブルデバイス業界は、現在どのような発展段階にあるのか?市場の潜在性は?問題点やハードルはどこにあるのか?今号では、代表的企業や各社の製品・サービスの紹介とともに、同業界を政策、技術、市場、資本面などから多角的に分析しています。

 マーケティングレポートは前号に続いて、上海ロックダウン下の買い物事情について。新型コロナによる都市封鎖(ロックダウン)が続いた上海で、中国で「社区」と呼ばれるコミュニティ単位での共同購入が急成長しました。従来型の流通チャネル重視だった多くの企業も、社区共同購入チャネルに注目。共同購入向け専用の商品を投入するところも現れました。

 そこで今号では、企業が社区共同購入チャネルをいかに開拓し、成功を納めるにはどうすべきかにスポットライトを当て、社区共同購入の始め方から「大団長」と呼ばれる商品調達役の団長(リーダー)とのコンタクト・連携方法、さらには実際に運営していく上で注意すべきポイントについて解説しています。

 そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2022年6月号(vol. 95)  もくじ
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【巻頭特集】中国生活家電の消費トレンド分析レポート
より良い生活ニーズが生活家電市場の成長を後押し
生活家電を求める中国消費者の実像に迫る

【業界研究】中国ウェアラブルデバイス業界分析レポート
官民挙げてサプライチェーンの充実を図る
高齢化と健康志向でウェアラブルデバイス市場が急拡大

【マーケティングレポート】上海ロックダウン下の買い物事情③
「大団長」との連携が成功のカギに!
企業はいかに「社区共同購入」をはじめるか?

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