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【中国消費洞察メルマガ 第533号】~新興ブランドはクルマやベビー市場にも浸透するか?~

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2022年8月17日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第533号】
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 こんにちは。キャストグローバルの大亀です。

 上海の人気ナイトスポット「FOUND158」を訪れました。延安路と成都路一帯に広がる「延中緑地」(公園)の南側で、巨鹿路に面した地下広場にバーやレストラン、ディスコなどが軒を並べています。初めて訪れた2020年12月には、西洋人含め多くの客で賑わっていたのですが、自粛モードなのか客足はまばらでした。

 今回のお目当ては「JZ Club」。上海でも珍しい、本格的なバンドによる生演奏を聴きながらお酒を楽しめるジャズバーです。訪問した日はまだ生演奏が解禁されておらず、CDの曲を流しながらジャズ演奏者が解説するトークセッションが開かれていました。

 元々ジャズに興味がありながら、そもそも音楽についての造詣が深くなく、単にウィスキーを飲みながらリラックスするためにユーチューブで聴いていた程度。ジャズを学ぶにも、ポップやロックのように普段からよく耳にする歌手やバンドを知らず、どこからとっかかればいいのか見当がつきませんでした。

 アメリカにも留学した中国人のジャズピアニストが、マイルス・デイビス、ビル・エヴァンス、ハービー・ハンコックなどの曲を流しながら、彼らの人間関係や音楽性など様々な視点から解説。ジャズには固定の定義はない。常に進化しており、今後中国の伝統音楽や文化などを取り入れた新しいチャイニーズジャズを生み出していきたいと熱く語っていました。

 今週のコラムは、中国「新消費」ブランド成長の相関関係についてです。では、中国消費洞察メルマガ第533号をお送りいたします。

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■大亀浩介の中国消費洞察ブログ >> http://okamekosuke.jugem.jp
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上海を中心に現地から中国消費&マーケティング情報を随時アップデート。
2011年末からの週刊メルマガも収録。中国市場攻略にぜひお役立て下さい。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第533回)
   ◆中国「新消費」ブランド成長の相関関係は?
    ~新興ブランドはクルマやベビー市場にも浸透するか?~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2022年6月号(vol. 95)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/newsletter/

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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第533回)
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【第533回】 中国「新消費」ブランド成長の相関関係は?
 ~新興ブランドはクルマやベビー市場にも浸透するか?~

 中国で「新消費」と呼ばれる新興ブランドが成長している背景について考察してみましょう。中国でネットやSNSで話題となり、人気に火が付く「網紅」(ワンホン)と、中国の国力向上に伴い中国人としての自負心をくすぐる「国潮」(グオチャオ)と呼ばれる愛国トレンド。この2つの要素が組み合わさった形で、近年急成長しているのが新消費ブランドの数々です。

 コスメの「完美日記」や「花西子」、無糖炭酸水の「元気森林」、フリーサイズブラの「ubras」や「内外(NEIWAI)」、さらにはインスタント麺の「拉面説」など数え上げればきりがないほど出てくるのですが、こうした新興の新消費ブランドがなぜ中国で受け入れられ、短期間で人気となったのでしょうか。

 まず新消費ブランドが躍進する市場セグメントに共通点が見受けられます。それはまずそもそもの市場規模が大きく、今後も成長が見込めること。そしてその市場が独占または寡占されておらず、既存ブランドの影響力がそれほど強くないこと。売れ筋の商品が頻繁に入れ替わるジャンルや、消費者がいまの市場やプレイヤーに対して不満を抱いている状況も、後発のブランドが頭角を現す土壌となりえます。

 例えば、自動車やベビー・マタニティ市場はいずれも4兆元規模の巨大市場ですが、既存ブランドの影響力が健在のため、新興勢力はまだ発展途上といえます。一方、1兆元程度の市場規模を誇る食品、飲料、アパレルなどは、依然として高い成長率を維持しており、かつ商品の入れ替わりも激しいため、後発ブランドが発展する条件を備えているといえるでしょう。

 さらに新消費ブランドの成長を語る上で欠かせないのが、それを支える1990年代生まれの若い「90後」と「95後」世代との関係です。

 2022年時点で、23~32歳と20代が中心の「90・95後」世代。彼らが18~22歳の学生時代は、まだ親に依存しており、自由に使えるお金はそれほど多くないでしょう。主に自身の興味や趣味のためのフィギュアや電子機器、食品・飲料などが消費のメインでしょう。

 それが23~25歳になると、就職して収入を得るようになります。流行りのコスメやパーソナルケア、小型家電などの消費が急増します。そして26~30歳になると、結婚を意識するようになり、披露宴や新居など家庭関連の消費が中心になってきます。

 31~35歳は、収入増に伴い消費もアップグレード。家族構成も3人が一般的で、消費はベビー・マタニティやクルマなどの大型消費が中心となります。健康関連消費が伸び始めるのもこの頃でしょう。

 こうやって考えると、新興の新消費ブランドが頭角を現したジャンルが、まさにこの消費サイクルに当てはまります。「泡泡玛特(POPMART)」などのポップトイや「元気森林」など食品・飲料からはじまり、アパレル、コスメ、小型家電など、ちょうど「90・95後」世代の若者が求めるジャンルと一致します。

 彼らがもう少し歳を重ねた5~10年後には、宝石・アクセサリー、家具、大型家電、ベビー・マタニティ、さらにはクルマにまで、新消費ブランドが浸透していくかもしれません。このように新興の国産ブランドが続々と誕生する中、日本ブランドもうかうかとしていられません。危機感を持って、中国の若者にいかにアピールするかを真剣に考察していただきたいと思います。

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◆中国「下沈市場」調査分析レポート(5)
 ~下沈市場の消費者像とは? 仕事と家庭を両立、レジャー・娯楽にも前向き

 約10億人の消費者を抱える下沈市場だが、エリアによってその傾向に大きな差が存在している。中国調査会社のアイリサーチ(艾瑞諮詢)の「2021年中国下沈市場Eコマース研究報告」によると、下沈市場の消費者の41.9%が「学習・仕事の負担が少なく、自分の時間があること」に日常生活の重点を置いているようだ。また36%が「家庭に重心を置き、余暇の多くは家族・子供と過ごす」と回答。「学習・仕事が忙しく、仕事で生き残ることが重要」と答えた人はわずか22.2%にとどまっている......

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◆中国「下沈市場」調査分析レポート(4)
 ~下沈市場の成長を下支えするモバイル通信の普及 ネット通販も農村部が都市部を上回る伸び

 インターネットの普及に伴い、下沈市場でもネット消費が急増している。CNNIC(中国インターネット情報センター)の「第48回中国インターネット発展状況統計報告」によると、2021年6月時点で、中国の村地区の光回線及び4G普及率は99%超という 。農村ネットユーザーは2.97億人で、農村部のインターネット普及率は59.2%に達しているもよう......

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◆中国「下沈市場」調査分析レポート(3)
 ~“沈む”から“浮かぶ”市場へ? 下沈市場が小売全体の半分に

 下沈市場の1人当たり平均可処分所得の伸びは、ここ数年一貫して一線・二線都市を上回っている。2021年上半期における都市と農村居住者の平均可処分所得の比率は2.61で、前年同期比0.07縮小した。2017年上半期との比較では0.18縮小している。下沈市場の平均消費支出の伸びは、都市部を上回り続けている......

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◆中国「下沈市場」調査分析レポート(2)
 ~地方都市と農村部の収入と消費が急成長! 巨大な潜在性秘める下沈市場とは?

 下沈市場とは、三線以下の都市や県・鎮、及び農村地区を意味する。具体的には約300の地級市、約3,000の県、約40,000の鎮、66万の村が含まれ、中国の面積の約95%を占めている。中国では、人口の多さだけでなく、都市の生活レベルや商業リソース、将来性などいくつかの項目から、毎年都市ランキングが算出される。レベルは一線から五線まであり、近年では二線の中で、特に実力のある上位15〜20都市を「新一線」と区別するようになってきている。ちなみに中国では一般的に「線」が用いられる。日本的には「級」のほうがわかりやすいと思うが、ここではあえて「線都市」と表記する......

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◆中国「下沈市場」調査分析レポート(1)
 ~10億人の巨大マーケットがいよいよ“浮上”か? 中国消費の成長を牽引する「下沈市場」完全解剖

 ここ数年、中国の消費市場で高い注目を集めている「下沈市場」。下沈市場とは、地方に広がる三線都市以下の小都市や県・鎮、農村の市場を意味している。北京、上海、広州、深圳の一線都市のほか、杭州、成都、南京など二線都市の中でも上位に位置する新一線都市では、競争が激化し、消費が飽和状態に達しつつある。 これに対して、下沈市場は消費の新たな成長の機会を生む場として、多くの企業から熱い視線を集めている...... 

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■新着統計データ一覧
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◆2022年中国各省市の最低賃金(2022年4月1日時点)

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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2022年6月号(vol. 95)発行

 会報誌2022年6月号(vol. 95)の巻頭特集では、中国の生活家電を取り上げました。経済の発展と消費のアップグレードに伴い、よりクオリティの高い生活を追い求めるようになった中国消費者。新型コロナの影響で、自宅で過ごす時間が増え、家庭生活の質にこだわる人も増えつつあります。

 そうしたなか、住環境を改善し、生活の質をダイレクトに高められる生活家電製品が高い人気を集め、家電業界の新たな牽引役として注目を集めています。

 中国の生活家電の売上高は2021年に1,416億元となり、家電市場全体の17%を占めました。2017年から5年間の年間平均成長率は、他の家電製品(ジャンル)がマイナス2.3%だったのを尻目に、1.5%とプラス成長を記録。2025年までの年間平均成長率もプラス14.7%と引き続き拡大が見込まれています。

 大型家電市場が飽和状態になっている一方で、依然として普及の余地が残されている生活家電。中国消費者が生活の質向上を求めるのに伴い生活家電消費もアップグレードが進み、2025年には売上高が家電市場全体の25%を占め、2,450億元に達するとも予想されています。

 供給サイドから見てみると、技術の発展に伴い、製品の世代交代が加速。同時に機能面の強化も進んでいます。相次いで発表される新製品は、スマート化や多機能一体型などがトレンドとなるなか、高価格帯製品も登場し、「生活家電=低価格」という従来のイメージにも変化が起きつつあります。新たに参入する新興及び大手メーカーも急増中で、市場競争も激化しています。

 そこで今号では、生活家電市場の現状と今後の動向について、消費トレンドや消費者ニーズの目線から調査・分析しました。まず生活家電を清掃用家電、パーソナルケア製品、室内環境製品、調理器の4つのジャンルに分類して考察。市場と製品という2つの側面から見られる6つのトレンドも解説しています。

 また生活家電でより良い暮らしを実現したい中国人が、生活家電に求めるニーズは何かについて深堀りしながら、企業がニーズをいかにキャッチし、コンバージョン(販売転換)へとつなげていくかについて考察。特に中国でますます重要度を増すソーシャルメディア戦略の一貫として、中国版D2Cといわれる「私域」をいかに運営すべきかについてもケーススタディを交えながら調査・レポートしています。

 次に業界研究として、中国のウェアラブルデバイス業界を取り上げました。中国では、インターネット+医療・健康、スマート医療、遠隔医療、モバイル医療などがキーワードとなる国家戦略を背景に、スマート機能を搭載したウェアラブルデバイスが急成長しています。その進化を下支えしているのは、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、IoT(モノのインターネット)などの技術革新です。

 2020年時点における中国の65歳以上の人口は、全人口の約13.5%となりました。これは、世界的な高齢化社会基準である7%を大きく上回っていることから、中国はすでに中度の高齢化社会に突入しているといえます。

 中国語で「空巣」つまり子供が巣立った老夫婦や、「独居」と呼ばれる一人暮らしの老人の人口も増加の一途を辿っており、慢性疾患管理や在宅介護の需要も急増しつつあります。こうした社会情勢を背景に、リアルタイムなデータ観測が可能で、かつ人的コストの削減にも繋がる医療用ウェアラブルデバイス市場が、今後大きく成長が見込める分野として注目を集めています。

 同時に近年の健康志向の高まりを背景に、自身の健康状態を重視する中国人の増加も、医療用デバイス市場の成長を大きく後押ししています。ベンチャーキャピタルもこのトレンドに熱い視線を注いでいます。2021年には、医療機器分野で375件の資本調達案件があり、調達総額は772億元に上りました。これは、医療・薬品業界での調達額全体のうち、バイオ医薬品分野に次ぐ規模の大きさで、なかでもスマート機能を搭載した医療用ウェアラブルデバイスが関心の的になっています。

 中国国内のウェアラブルデバイス業界は、現在どのような発展段階にあるのか?市場の潜在性は?問題点やハードルはどこにあるのか?今号では、代表的企業や各社の製品・サービスの紹介とともに、同業界を政策、技術、市場、資本面などから多角的に分析しています。

 マーケティングレポートは前号に続いて、上海ロックダウン下の買い物事情について。新型コロナによる都市封鎖(ロックダウン)が続いた上海で、中国で「社区」と呼ばれるコミュニティ単位での共同購入が急成長しました。従来型の流通チャネル重視だった多くの企業も、社区共同購入チャネルに注目。共同購入向け専用の商品を投入するところも現れました。

 そこで今号では、企業が社区共同購入チャネルをいかに開拓し、成功を納めるにはどうすべきかにスポットライトを当て、社区共同購入の始め方から「大団長」と呼ばれる商品調達役の団長(リーダー)とのコンタクト・連携方法、さらには実際に運営していく上で注意すべきポイントについて解説しています。

 そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2022年6月号(vol. 95)  もくじ
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【巻頭特集】中国生活家電の消費トレンド分析レポート
より良い生活ニーズが生活家電市場の成長を後押し
生活家電を求める中国消費者の実像に迫る

【業界研究】中国ウェアラブルデバイス業界分析レポート
官民挙げてサプライチェーンの充実を図る
高齢化と健康志向でウェアラブルデバイス市場が急拡大

【マーケティングレポート】上海ロックダウン下の買い物事情③
「大団長」との連携が成功のカギに!
企業はいかに「社区共同購入」をはじめるか?

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