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【中国消費洞察メルマガ 第534号】~下沈市場でEC大手間の“パイ争奪戦”が激化~

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2022年8月24日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第534号】
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 こんにちは。キャストグローバルの大亀です。

 上海でロックダウンが明け、約1ヶ月後にようやく「堂食」、つまり店内飲食が解禁された初めての週末に、家族で久々のお出かけをしました。向かった先は浦東の濱江大道。外灘(ワイタン)を向こう岸に見渡せる浦東側の観光スポットで、近年はジョギングやサイクリングコースが整備された市民の憩いの場になっています。

 上海の東西を隔てる黄浦江(川)が眺められるレストランでのんびりしながら、ちょっとした“観光”気分を満喫。周りにも小さな子供連れの家族やカップルなど、久々の外食を満喫しています。上海に住み始めてすぐの2005年ごろは観光客で溢れていた川岸も、今では様子がガラッと変わりました。

 食事の後、また久々に正大広場モールに行きました。場所コードをスキャンして入ると、1階は「テナントリニューアル」の文字が際立つ壁で覆われています。以前はレディースシューズのショップが数多く出店していたコーナーもキャンプ用品の展示場に様変わりしており、かろうじてマナーコーヒーが残っている状況でした。

 しかしそのすぐ後ろのシューズ店で明かりがついているのを発見。昨年9月にメルマガでお伝えした店内でライブコマースをしているお店です。(※詳細は下記リンク)相変わらず、スマホと自撮り用のLEDリングライトの前でライブ配信をしており、かつ当時と同じスタッフです。スマホを取り出し、タオバオライブで確認すると150人が閲覧中。彼女の絶え間ない努力に脱帽するとともに、リアル店舗の“あるべき姿”を垣間見た気がしました。

◆中国消費洞察メルマガ 第488号(2021年9月22日)
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=EPaper&Cmd=DataList&Action=Detail&EPid=643

 今週のコラムは、約10億の人口を擁する地方都市・農村の「下沈」市場についてです。では、中国消費洞察メルマガ第534号をお送りいたします。

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■大亀浩介の中国消費洞察ブログ >> http://okamekosuke.jugem.jp
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上海を中心に現地から中国消費&マーケティング情報を随時アップデート。
2011年末からの週刊メルマガも収録。中国市場攻略にぜひお役立て下さい。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第534回)
   ◆アリババ、京東ともに拼多多の牙城崩しに躍起
    ~下沈市場でEC大手間の“パイ争奪戦”が激化~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2022年6月号(vol. 95)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/newsletter/

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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第534回)
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【第534回】 アリババ、京東ともに拼多多の牙城崩しに躍起
 ~下沈市場でEC大手間の“パイ争奪戦”が激化~

 中国で「下沈市場」と呼ばれる地方都市や農村地区の市場がホットになっています。中国では都市の経済発展や成長度合いに応じて、「線(級)」で区分します。

 例えば、北京、上海、広州、深センは中国で最も経済が発展している4大都市ということで「一線(級)都市」となっています。また南京や成都など、各省の省都を中心に各地の主要都市を「新一線(級)都市」や「二線(級)都市」と区分します。

 そして、この下に属する三線(級)以下の地方都市と農村地区のことを、中国では下沈市場というのですが、この下沈市場は約10億人の人口を擁しています。この巨大な潜在性を秘めた“フロンティア”を目指し、ECプラットフォーム各社がしのぎを削っています。


 最も早くに、この下沈市場に目をつけ、急成長したのが、共同購入サイトの拼多多(ピンドウドウ)です。当初から下沈市場をターゲットにした拼多多は、「SNS+EC」というモデルで急成長しました。2020年末にはアクティブユーザー数が7億8,800万人となり、ついに淘宝(タオバオ)を抜いて、ユーザー数でトップに躍り出ました。2021年3月末時点で、アクティブユーザー数はすでに8億人を超えています。

 一方、苦杯をなめたアリババはどうでしょうか。2021年の年間アクティブユーザーのうち、下沈市場のユーザーが7割を占めたようです。下沈市場をターゲットにした「淘宝特価版」、現在は「淘特」に改名したサイトの運営を2020年5月に開始しました。その後18ヶ月で、年間アクティブユーザー数は2億4,000万人を超えています。

 京東(JDドットコム)も共同購入を主体とする「京喜」というサイトの運営を開始し、下沈市場の展開を積極化しています。2021年の双11(ダブルイレブン)セールでは、新規ユーザー全体のうち77%が下沈市場のユーザーだったようです。

 京東はまた、下沈市場での物流ネットワークの拡充に努めています。注文した商品を半日や24時間以内に届けるスピード配送サービスを導入しました。2021年6月時点における京東物流の倉庫数は1,200ヶ所に達しています。

 下沈市場の消費者は、収入面では一線・二線(級)都市の消費者に及びませんが、50%以上が自家用車を、また41%がすでに不動産を所有しているといわれています。ローンを抱えていないため、可処分所得は必然的に高くなります。彼らのライフスタイルは、一線・二線(級)都市など大都市の人たちよりも、金銭的かつ時間的にゆとりがあるともいえるでしょう。

 また地方都市には、より密接な社交関係を求める風潮があり、多くのKOC(キー・オピニオン・コンシューマー)層も存在します。中国で「種草」(ジョンツァオ)と称される“種まき(シーディング)”、つまりSNS等でオススメの商品を紹介して情報拡散する行為のほかに、ライブコマースも人気です。膨大な人口を擁し、大きな潜在性を秘めている下沈市場の攻略を、日本企業も真剣に考察していく必要があります。

バックナンバー一覧はこちら >> http://www.cast-marketing.com/okamekosuke/

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◆中国「下沈市場」調査分析レポート(8)
 ~下沈市場の典型的な消費者イメージとは? 5つの典型タイプに分けて分析

 広大な下沈市場には様々な消費者が存在している。彼らは品質や価格、商品の類型、娯楽などに対しても、それぞれ異なる視点を持っている。EC関連情報サービスの億邦動力研究院(ebrun)の「2020下沈市場新消費研究報告」では、「品質×価格」及び「社交×ショッピング」という2つの軸を基準に、下沈市場の消費者を「のんびり娯楽家」、「熱狂ショッパー」、「コスパ追求党」、「社交の達人」、「品質至上主義」の5つに分類している......

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◆中国「下沈市場」調査分析レポート(7)
 ~下沈市場の消費の新勢力〜「隠富層」とは? 高所得と自由時間を有する中高所得層に注目

 一線・二線都市の若者は、平均収入こそ高いものの、高い家賃やローン、生活費が大きな負担となり、その消費力は限られている。コンサル会社のMSC諮詢の「中国下沈市場シリーズレポート〜小売編」によると、中国で「月光族」と称される、月給を使い果たしてしまう人や、赤字を抱える一線・二線都市の若者の割合は60%を超えているという。一方、下沈市場では、収入は低いものの、生活のプレッシャーも低い傾向がみられる。下沈市場の消費者の75%が自分の家(直系親族が所有する不動産も含む)に居住......

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◆中国「下沈市場」調査分析レポート(6)
 ~下沈市場の消費の特徴とは? 輸入品も徐々に浸透

 輸入品も下沈市場に徐々に浸透しつつある。中国クラシファイド広告大手「58同城」の鎮バージョンである58同鎮の「2020年中国下沈市場日用品洞察報告」によると、下沈市場の消費者の63.92%が外国製の日用品を購入したことがあると回答。好んで消費する輸入元の国・地域別では、日本・韓国(40.2%)、欧州(39.37%)、アメリカ(18.07%)、オーストラリア(18.01%)、東南アジア(10.25%)の順となっている......

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◆中国「下沈市場」調査分析レポート(5)
 ~下沈市場の消費の特徴とは? オフライン消費にも根強い信用

 コンサル会社のMSC諮詢の「中国下沈市場シリーズレポート〜消費・小売編」によると、下沈市場のネット消費の主体は18~29歳の青年層という。彼らは保守的な消費観を持たず、都市部の若者と同様に消費をアップグレードしたいと考えている。また飲食やファッション、コスメ・スキンケア、レジャー・娯楽などに高い関心を寄せている。一方で29~50歳の中年層は、多くが家庭を持ち、下沈市場におけるオフライン消費の主力層だ。彼らが好むのは、教育や自動車、ベビー・マタニティ、インテリアなど家庭に関連する領域が中心といえる......

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■新着統計データ一覧
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◆2022年中国各省市の最低賃金(2022年4月1日時点)

(詳細はこちら)※『中国マーケティング会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=4510

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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2022年6月号(vol. 95)発行

 会報誌2022年6月号(vol. 95)の巻頭特集では、中国の生活家電を取り上げました。経済の発展と消費のアップグレードに伴い、よりクオリティの高い生活を追い求めるようになった中国消費者。新型コロナの影響で、自宅で過ごす時間が増え、家庭生活の質にこだわる人も増えつつあります。

 そうしたなか、住環境を改善し、生活の質をダイレクトに高められる生活家電製品が高い人気を集め、家電業界の新たな牽引役として注目を集めています。

 中国の生活家電の売上高は2021年に1,416億元となり、家電市場全体の17%を占めました。2017年から5年間の年間平均成長率は、他の家電製品(ジャンル)がマイナス2.3%だったのを尻目に、1.5%とプラス成長を記録。2025年までの年間平均成長率もプラス14.7%と引き続き拡大が見込まれています。

 大型家電市場が飽和状態になっている一方で、依然として普及の余地が残されている生活家電。中国消費者が生活の質向上を求めるのに伴い生活家電消費もアップグレードが進み、2025年には売上高が家電市場全体の25%を占め、2,450億元に達するとも予想されています。

 供給サイドから見てみると、技術の発展に伴い、製品の世代交代が加速。同時に機能面の強化も進んでいます。相次いで発表される新製品は、スマート化や多機能一体型などがトレンドとなるなか、高価格帯製品も登場し、「生活家電=低価格」という従来のイメージにも変化が起きつつあります。新たに参入する新興及び大手メーカーも急増中で、市場競争も激化しています。

 そこで今号では、生活家電市場の現状と今後の動向について、消費トレンドや消費者ニーズの目線から調査・分析しました。まず生活家電を清掃用家電、パーソナルケア製品、室内環境製品、調理器の4つのジャンルに分類して考察。市場と製品という2つの側面から見られる6つのトレンドも解説しています。

 また生活家電でより良い暮らしを実現したい中国人が、生活家電に求めるニーズは何かについて深堀りしながら、企業がニーズをいかにキャッチし、コンバージョン(販売転換)へとつなげていくかについて考察。特に中国でますます重要度を増すソーシャルメディア戦略の一貫として、中国版D2Cといわれる「私域」をいかに運営すべきかについてもケーススタディを交えながら調査・レポートしています。

 次に業界研究として、中国のウェアラブルデバイス業界を取り上げました。中国では、インターネット+医療・健康、スマート医療、遠隔医療、モバイル医療などがキーワードとなる国家戦略を背景に、スマート機能を搭載したウェアラブルデバイスが急成長しています。その進化を下支えしているのは、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、IoT(モノのインターネット)などの技術革新です。

 2020年時点における中国の65歳以上の人口は、全人口の約13.5%となりました。これは、世界的な高齢化社会基準である7%を大きく上回っていることから、中国はすでに中度の高齢化社会に突入しているといえます。

 中国語で「空巣」つまり子供が巣立った老夫婦や、「独居」と呼ばれる一人暮らしの老人の人口も増加の一途を辿っており、慢性疾患管理や在宅介護の需要も急増しつつあります。こうした社会情勢を背景に、リアルタイムなデータ観測が可能で、かつ人的コストの削減にも繋がる医療用ウェアラブルデバイス市場が、今後大きく成長が見込める分野として注目を集めています。

 同時に近年の健康志向の高まりを背景に、自身の健康状態を重視する中国人の増加も、医療用デバイス市場の成長を大きく後押ししています。ベンチャーキャピタルもこのトレンドに熱い視線を注いでいます。2021年には、医療機器分野で375件の資本調達案件があり、調達総額は772億元に上りました。これは、医療・薬品業界での調達額全体のうち、バイオ医薬品分野に次ぐ規模の大きさで、なかでもスマート機能を搭載した医療用ウェアラブルデバイスが関心の的になっています。

 中国国内のウェアラブルデバイス業界は、現在どのような発展段階にあるのか?市場の潜在性は?問題点やハードルはどこにあるのか?今号では、代表的企業や各社の製品・サービスの紹介とともに、同業界を政策、技術、市場、資本面などから多角的に分析しています。

 マーケティングレポートは前号に続いて、上海ロックダウン下の買い物事情について。新型コロナによる都市封鎖(ロックダウン)が続いた上海で、中国で「社区」と呼ばれるコミュニティ単位での共同購入が急成長しました。従来型の流通チャネル重視だった多くの企業も、社区共同購入チャネルに注目。共同購入向け専用の商品を投入するところも現れました。

 そこで今号では、企業が社区共同購入チャネルをいかに開拓し、成功を納めるにはどうすべきかにスポットライトを当て、社区共同購入の始め方から「大団長」と呼ばれる商品調達役の団長(リーダー)とのコンタクト・連携方法、さらには実際に運営していく上で注意すべきポイントについて解説しています。

 そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2022年6月号(vol. 95)  もくじ
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【巻頭特集】中国生活家電の消費トレンド分析レポート
より良い生活ニーズが生活家電市場の成長を後押し
生活家電を求める中国消費者の実像に迫る

【業界研究】中国ウェアラブルデバイス業界分析レポート
官民挙げてサプライチェーンの充実を図る
高齢化と健康志向でウェアラブルデバイス市場が急拡大

【マーケティングレポート】上海ロックダウン下の買い物事情③
「大団長」との連携が成功のカギに!
企業はいかに「社区共同購入」をはじめるか?

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