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【中国消費洞察メルマガ 第537号】~下沈市場の消費の新勢力~「隠富層」とは?~

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2022年9月14日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第537号】
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 こんにちは。キャストグローバルの大亀です。

 上海での都市封鎖(ロックダウン)が終わり、消費を喚起するために、上海市政府が電子クーポン券「愛購上海」を配布しました。100元以上購入で50元が還元される券が1枚と、50元以上購入で25元還元の券が2枚のセットになったものです。

 上海在住で18歳以上であれば、中国人・外国人を問わず誰でも申請できます。スマホ決済のアリペイ(支付宝)から申し込めるのですが、すでに名前やパスポート番号、携帯番号など実名認証済みなので、単に申し込みボタンを押すだけの簡単な操作でした。

 しかしこのクーポン券、あくまでも抽選です。住民同士のグループチャットでは、総額100元程度なら全員対象にしてほしいとか、抽選のほうが当たった喜びがあるから余計に使おうとするだろうなど賛否両論。第一ラウンドは8月末で200万人対象に総額2億元分を配布。実際の応募者は453万人で当選確率は約44%だったようです。

 先日クライアントとの会食で、自分どころか周りの知り合いで当選したという話を聞いたことがないと話題に。私も落選だったのですが、妻が見事に当選。クーポン券は直接アリペイの口座に送られてきました。いつ使おうかと楽しみにしていたところ、ネットスーパーの盒馬(フーマー)で知らない間に勝手に使われていたと嘆いていました。

 第2ラウンドは9月下旬で総額5億元、第3ラウンドが10月下旬で総額3億元分の予定。懲りずに再トライしたいと思います。

 今週のコラムは、下沈市場の消費の新勢力として注目の「隠富層」についてです。では、中国消費洞察メルマガ第537号をお送りいたします。

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2011年末からの週刊メルマガも収録。中国市場攻略にぜひお役立て下さい。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第537回)
   ◆高所得と自由時間を有する中高所得層に注目
    ~下沈市場の消費の新勢力~「隠富層」とは?~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2022年7&8月合併号(vol. 96)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/newsletter/

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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第537回)
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【第537回】 高所得と自由時間を有する中高所得層に注目
 ~下沈市場の消費の新勢力~「隠富層」とは?~

 一線・二線(級)の大都市の若者は、平均収入こそ高いものの、高い家賃やローン、生活費が大きな負担となり、その消費力は限られています。コンサル会社MSC諮詢は「中国下沈市場シリーズレポート~小売編」で、中国で「月光族」と呼ばれる、月給を使い果たしてしまう人や、赤字を抱える大都市の若者は6割を超えていると伝えています。

 一方、地方都市や農村部の「下沈市場」では、確かに大都市と比べて平均収入は低いものの、生活のプレッシャーも少ないのが実状です。下沈市場の75%が自分の家(両親所有の不動産含む)に居住し、ローンを抱えている人は13%のみ。また45%がマイカーを所有し、さらに12%が今後3年内に車を購入する予定だそうです。

 地方都市で、収入の比較的多い1990年代生まれの「90後」世代の青年層のことを、中国では「小鎮青年」と呼び、その消費力が注目されていますが、最近は、「隠形純富層」(以下、隠富層)という新興の消費層にも注目が集まっています。

 テンセント系チャットアプリのQQが、市場調査会社大手のニールセンIQに委託して実施した「騰訊QQブラウザーユーザー研究白書」の定義によると、「隠富層」とは、三線・四線(級)都市に居住し、生活の品質を追求する消費者のことで、年齢は22~45歳、個人月収6,000元(約10万円)以上、世帯月収15,000元(約25万円)以上の中高所得層です。

 仕事は管理職や専門職、個人経営者などが多く、残業や不動産ローンなどのストレスもない。大都市のように高い家賃や生活費にあえぐこともなく、高い可処分所得と自由時間を有しています。衣食住など各方面で、一線・二線(級)都市とほぼ同等のニーズを持ち、体験を重視し、流行を追い求め、個性や好みを表現し、ハイクオリティな消費を好むのが特徴です。

 隠富層の90%が、消費を通じて自身の個性やクラス感、趣味を顕示したいと回答。86%が高いお金を払っても安心できるブランドを購入したいと考えています。ファッション、スニーカー、コスメ・スキンケア、デジタル製品などを好み、ハイテク製品や自動車などへの注目度も高くなっています。

 都市部のホワイトカラー層が広告よりもコンテンツのほうを好むのに対して、隠富層は、フロー広告やショート動画広告、インフルエンサーによるオススメなど、宣伝や口コミの影響を受けやすいようです。また同時に自らも情報発信元になりたがっています。隠富層の75%が「周りの友人や家族の影響を受けやすい」と回答した一方で、オピニオンリーダーとなり人々に影響を与えたいという人も84%に達しています。

 こうしたトレンドを背景に、小紅書(RED)や抖音(ドウイン・TikTok)、豆瓣(ドウバン)などのSNS上で、三線・四線(級)都市のコンテンツ製作者が増加しています。下沈市場の隠富層には、大都市で仕事や勉学に従事した後、生活のストレスが少ない地方都市に戻ってきた人々も少なくありません。

 下沈市場の消費規模が今後17兆元を超えて、一線・二線(級)都市の総和を超えるという予想もあるなか、こうした隠富層のライフスタイルや価値観などを把握し、彼らのニーズを察知することがますます大切になってきています。

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◆消費ブランド「WONDERLAB」調査分析レポート(13)
 ~小紅書と抖音で「種草」(推し) KOLも積極活用

 WONDERLAB(ワンダーラボ)の成功は、微信での取り組みと同時に小紅書(RED)と抖音(ドウイン・TikTok)上での「種草」(ジョンツァオ)、つまり気に入った商品を推薦する(推す)ことなしには語れない。小紅書には、1万編以上のテキストコンテンツを掲載。同社の公式アカウントには4.4万人以上のフォロワーがいる。公式アカウント上にも400編以上のテキストコンテンツが掲載されており、現在も更新し続けている......

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◆消費ブランド「WONDERLAB」調査分析レポート(12)
 ~クロスメディアのネット戦略 ライブコマースも積極化

 マーケティングに関しては、大規模なクロスメディアマーケティングを展開。ネットを幅広く網羅し、露出度を高めることで、ブランドの認知度アップに努めている。微信(ウィーチャット)のモーメンツ(朋友圏)、微博(ウェイボー)、中国版TikTokの抖音(ドウイン)、小紅書(RED)、bilibili(ビリビリ)の 5大ソーシャルプラットフォーム上で集中的にプロモーションを展開している......

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◆消費ブランド「WONDERLAB」調査分析レポート(11)
 ~OEM先とサプライヤーを厳選 デジタル化強化で需要予測

 様々な新製品のニーズに応えるべく、WONDERLAB(ワンダーラボ)はサプライチェーンの改善にも余念がない。現在、製品の60%を自社工場で生産し、その他をOEM工場に委託している。提携候補先の工場については、厳格にスクリーニングし、品質管理にも高いレベルを要求している......

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◆消費ブランド「WONDERLAB」調査分析レポート(10)
 ~顧客のフィードバックを重視 常に製品をアップデート

 WONDERLAB(ワンダーラボ)が特に重視しているのが、製品のアップデートだ。人気商品の「小胖瓶」(小太りボトル)も、2年間に4回もバージョンアップしている。製品をアップデートする際は、消費者からのフィードバックを参考にしている。例えば、カフェインに敏感で、選べるフレーバーが限られてしまうとコメントした消費者がいることを察知した際には、カフェインの配合を減らして、プロテインを増やすなどの措置を採った...... 

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◆消費ブランド「WONDERLAB」調査分析レポート(9)
 ~巧みなマーケティングで、設立2年で売上10億元突破 代替食品業界の“寵児”と目される「WONDERLAB(ワンダーラボ)」

 ダイエット飲料の新興ブランド「WONDERLAB(ワンダーラボ)」は、2019年3月の設立。人気商品の「食事代替シェイク」で急速に知名度を高め、設立初年度の販売額が6,000万元となり、代替食品市場のトップに躍り出た。中国で「小胖瓶」と称される“小太り”タイプのボトルで人気となった同社のシェイクは、2019年の「FBIF新品大賞」や、2020年のWFA「Wow Food Awards(全球創新食品大賞)」などで最優秀固形飲料賞を受賞している......

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◆消費ブランド「WONDERLAB」調査分析レポート(8)
 ~中国代替食品市場の消費トレンド~パッケージ(見た目)も重要 数日分のミールセットが人気に

 ここ数年、代替食品でもパッケージのアップグレードが進んでいる。食事代替シェイクや五穀粉・粥などのパッケージが、袋・箱からボトル・カップなどに変化。気軽に代替食品を摂取したい“ナマケモノ”消費者から支持されている。素材面も改良され、ベビー向け用品レベルのPP素材や、高温に耐える素材などが導入された......

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◆消費ブランド「WONDERLAB」調査分析レポート(7)
 ~中国代替食品市場の消費トレンド~栄養バランスを重視 健康成分がセールスポイントに

 消費者が代替食品を購入する際に、まず考えるのは栄養面、そしてカロリーだ。2019年に中国栄養学会が制定した代替食品の団体基準に基づき、「WONDERLAB(ワンダーラボ)」や「Quaker(クェーカー)」、「五谷磨房(ナチュラルフード)」などの大手ブランドは専門機関と提携。基準を満たし、栄養バランスのとれた製品を開発している......

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■新着統計データ一覧
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◆2022年中国各省市の最低賃金(2022年4月1日時点)

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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2022年7&8月合併号(vol. 96)発行

 会報誌2022年7&8月合併号(vol. 96)の巻頭特集では、アウトドア市場を取り上げた。新型コロナの流行で、海外や省外への遠出旅行が困難となり、近場に新たな行先を求めるようになった中国人。旅行気分を味わえ、身体を動かすこともできる上に、社交性も高いアウトドアのスポーツやアクティビティに人気が集まっている。

 これまでランニングや登山、バイク(自転車)など専門的な装備や体力を必要とするイメージが強かったアウトドアだが、近年中国で注目されているのは、気軽に参加できる新しいアウトドアスポーツのほうだ。都市の近郊でピクニックやキャンプ、サップ(SUP ※スダンドアップ・パドルボードの略)などを楽しむ人が増えつつある。

 中国で「微度暇」と称される“プチ・ホリデー”的なアクティビティは、身近な環境を活用するのが大きな特徴だ。キャンプも森林や砂漠、草原などにわざわざ足を運ばず、都市周辺で楽しむのがトレンドだ。ちょっとした自然のなかで心身を解放して身体を楽しく動かすことが、今の若者のアウトドアスタイルといえるだろう。

 また北京冬季オリンピックが開催されたことにより、スキーなどスノースポーツの人気も高まっている。スキーやスノーボードを始める若者が急増。春から秋はキャンプ、冬にはスノースポーツと、アウトドアスポーツが大きなトレンドとなっている。

 旅の攻略法などの情報を発信するプラットフォーム「窮遊網」(m.qyer.com)によると、アウトドア系の旅が人気を集め始めたのは2020年という。キャンプは前年比で303.5%増、キャンピングカーの旅は243.5%増、ドライブ旅行は78.6%増、徒歩や自転車の旅もそれぞれ32.6%増、21.7%増と成長したもようだ。

 新しいアウトドアシーンの広がりは、アウトドアレジャー市場にとって大きな商機となっている。中国調査会社の華経産業研究院は、中国のアウトドア用品市場規模は2020年時点で約1,700億元に達し、2025年には2,400億元を超えると見込んでいる。

 そこで今号では、現在中国で最も人気の高いキャンプを中心に、アウトドアレジャーの愛好者イメージ像のほか、同市場の発展や変化を分析。また主なアウトドアブランドの状況から、中国国内で人気のライフスタイルやアウトドアレジャー市場の商機についても分析した。

 次に、こうしたアウトドア熱を背景に高まる紫外線対策ニーズを見事に捉え、急成長している新興ブランドでUV(紫外線)カットアパレル及びグッズの「Beneunder蕉下」にフォーカスした。

 コスメジャンルのKOL(キーオピニオンリーダー)や企業・ブランドによる“布教”の影響もあり、中国で夏だけのものだったUV対策が1年を通して欠かせない日常習慣へと変化しつつある。特にアフターコロナになってからは、キャンプやフリスビー、釣りなどのアウトドア・アクティビティの人気が急上昇するなか、紫外線対策の重要性はさらに高まっている。

 中国版インスタグラムとも称されるSNSプラットフォームの小紅書(RED)上には、中国語で「防晒」というUVカット関連の投稿コンテンツ数が442万件を超える。また中国版TikTokの抖音(ドウイン)上では、関連動画が164億回以上も再生されている。

 ユーロモニターによると、2021年の世界と中国のUVカットコスメ市場規模はそれぞれ794億元と167億元だったもよう。また2012年から2021年の9年間のCAGR(年平均成長率)はそれぞれ0.9%と10.5%で、中国市場の成長率が世界を大きく上回っていることがわかる。

 UVカット商品はコスメだけに限らない。日傘などで物理的に紫外線を遮断することを中国では「硬防晒」(※硬はハードの意)と称している。日傘のほか、帽子、UVカット服、アームカバー、手袋、サングラスなどが含まれる。一方、日焼け止めクリームなどのUVカットコスメは「軟防晒」(※軟はソフトの意)と称される。

 ここ数年、「硬防晒」のほうがより安全性が高く、より高いUVカット効果が期待できるとのことで、ネット上で注目を集めている。今年の夏、中国では例年にも増して高温の日が続いており、街には全身をUVカットファッションで“包んだ”若者どころか、子供から中年女性まであちこちで見受けられるようになっている。

 中国コンサルティング会社CIC(灼識諮詢)によると、中国のUVカットアパレル市場は、2016年の459億元から2021年には611億元にまで成長。2026年には958億元規模になると見込んでいる。

 UVカットアパレル市場の潜在性に目を付けたユニクロやANTA(安踏)などの大手スポーツアパレルメーカーのほか、「Beneunder蕉下」、「oh!Sunny」、「uv100」など新興ブランドも続々と誕生するなか、特に注目株といえるのが、Beneunder蕉下だ。

 2012年に日傘ブランドとしてスタート。2022年の「618」セール(※6月18日前後に開催される大型ネットセール)で、取引額1億9,000万元を記録。天猫(Tモール)のアウトドア・アパレルアクセサリー部門でもトップとなり、一躍中国でUVカットグッズのトップブランドに躍り出た。

 そこで今号では、このBeneunder蕉下の商品ラインナップやブランドポジショニング、マーケティング手法、販売チャネル・運営戦略などについて分析し、いかにマイナー(ニッチ)市場でニーズを掴み、UVカット業界のトップブランドにまで成長したかについて分析した。

 トレンドウォッチでは、毎年恒例の上半期最大の「618」セールから中国消費トレンドを読み解いた。コロナ等の影響で例年ほどの賑わいは感じられなかった618セールだが、セール全体の実績データを見ると、取引総額は昨年よりもさらに増加している点は注目に値する。

 ビッグデータ調査会社の星図数据(SYNTUN)によると、2022年618セール期間中のネット全体の取引総額は6,959億元で、前年の5,785億元より20.3%増を記録。またECプラットフォーム大手で唯一取引額を公表した京東(JDドットコム)の取引額も3,793億元の新記録で、前年比10.3%増と成長を示している。

 ビッグデータ分析会社の魔鏡市場情報(MKTINDEX.COM)によると、天猫(Tモール)も2,425億元の取引額だったもよう。さらに動画関連データツールの飛瓜数据(feigua.cn)によれば、抖音(TikTok)と快手(クアイショウ)の618セール期間中の取引額は、前年比でそれぞれ656%と515%増と成長。なかでも抖音は、ライブコマースの配信時間が累計で4,045万時間に達したという。

 リアル業態でも、618セール期間中の取引額が前年比514%増となった。なかでもアリババが買収した百貨店大手で浙江省を本拠とする銀泰百貨は、618セール期間中に来店者数が第2四半期のピークを記録した。

 新型コロナをはじめとする様々な要因の影響を受け、中国消費市場の成長は一定のマイナス圧力を受けている。一方で、中国人の消費規模の拡大傾向や消費のアップグレードトレンドは基本的に変化していないとも見て取れる。

 そこで今号では、今年の618セールの実績データをもとに、その変化や注目点の詳細な分析を通して、現在の中国の消費トレンドを10個ピックアップして解説している。

 最後に、マーケティングコラムでは、あの頃の中国ビジネス&生活をテーマに、日中両国間のネット事情とスマホ決済について取り上げた。

 1979年頃から始まる改革開放政策で、まさに“イケイケドンドン”で急成長してきた中国経済。特に2001年の中国WTO(世界貿易機関)加盟以降、多くの日本企業がこぞって中国に進出。さらに2004年に施行された「外商投資商業領域管理弁法」で小売流通市場が外資に解禁され、世界の“工場”から“市場”へとシフトするなか、中国進出ブームが日本で起こった。

 あれから約20年。ちょうど初めて上海に赴任してから生活してきた期間と重なる。ネット通販やスマホ決済が普及する一方で、中国経済の先行き不透明感が増すなど、中国事業環境も大きく様変わりしている。

 そこで改めてこの20年間の移り変わりについて、中国ビジネスや生活の“あの頃”を振り返る。スマホ決済やシェア自転車がいかに普及したかなど、中国で生活していたからこそ肌身で感じられた経験や体験をもとに解説する。

 そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2022年7&8月合併号(vol. 96)  もくじ
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【巻頭特集】中国アウトドア市場調査分析レポート
コロナで近場の“プチ・ホリデー”ニーズ高まる
キャンプ中心に空前のアウトドアブーム到来

【注目企業ピックアップ】新興ブランド「Beneunder蕉下」分析レポート
アウトドア熱の高まりで紫外線対策が“日常”に
UVカット分野で一躍トップに!「Beneunder蕉下」

【トレンドウォッチ】618セール消費トレンド分析レポート
スマート、健康、エコロジー、こだわりがホットに
618セールの実績から読み解く中国消費トレンド

【マーケティングコラム】あの頃の中国ビジネス&生活①
日本でのマーケティング経験が全く通用しない?
実は不信感や抵抗感が強かったスマホ決済

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