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月刊会報誌『中国消費洞察』

2021年9月号 (vol. 87)

月刊会報誌『中国消費洞察』2021年9月号 (vol. 87)
【巻頭特集】動画サイト「哔哩哔哩(bilibili)」調査分析レポート
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二次元からエンタメ全般へと勢力拡大
Z世代攻略に不可欠の人気動画サイト「bilibili」完全解剖
【注目企業ピックアップ】新消費ブランド「CHALI(茶里)」調査分析レポート
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【マーケティングレポート】新ブルーカラー 完
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次代の消費牽引役か アプリ利用に見る動向
 会報誌2021年9月号(vol. 87)では、巻頭特集で動画配信・共有プラットフォームの「哔哩哔哩」(bilibili・ビリビリ)を取り上げました。

 中国の消費市場で、ますます主力層として存在感を増す「Z世代」。中国では一般的に1995~2009年生まれの若者を意味します。中国統計局の統計データによると、現在中国のZ世代の人口は2.6億人を突破し、総人口の約19%を占めているもよう。2021年の中国Z世代の消費支出は、5兆元を超えるとも試算されています。

 この驚異的な消費力と旺盛な消費意欲により、Z世代は企業にとって新たな重要ターゲット層となりつつあります。インターネットの時代に生まれ育った彼らは、メディアに対する態度も、以前の世代の消費者層から大きく変化。Z世代といかに意思疎通を図るかが、今後、企業のマーケティングの大きな課題といえるでしょう。

 数多に存在するメディアのなかでも、Z世代を中心とした若者に特に強く支持されているbilibili。中国で「B站」(Bサイト)と称されるbilibiliは、今まさに多くの企業が注目するマーケティングの舞台となっています。

 多くの人が、bilibiliと聞いてまず思い浮かべるのは、日本のアニメや漫画などの動画配信サイトでしょう。2009年の運営開始当時、中国語圏でアニメ(Anime)、漫画(Comic)、ゲーム(Game)の文化を反映した「2次元」の総称であるACGコンテンツの制作と配信を中心に行っており、ユーザーもアニメオタクを主体としていました。

 しかし12年の時を経て、現在は音楽、ダンス、デジタル、生活、グルメ、鬼畜(音MADのことで、音楽をベースに既存動画を再加工した疾走感ある動画のこと)、ファッション、映画などの領域に対象範囲を拡大。業務も単なるコンテンツ制作からライブ動画の配信やゲーム、Eコマースなどへと拡がりを見せています。

 現在コンテンツは、7,000あまりのジャンル、200万以上のカルチャーキーワードに及び、中国Z世代の好みやニーズを強く反映したものとなっています。当初のマニア向け二次元サイトから、中国の若年層が高度に集中するカルチャーコミュニティ兼動画プラットフォームへと急成長を遂げました。

 中国調査会社のクエストモバイルが2019年に公表した「Z世代が支持するアプリトップ20」及び「Z世代が支持するエンタメアプリ」でのランキングでも、bilibiliがトップに。同社の出資公募書類によると、Z世代ユーザーの割合は81%に達し、ユーザーの平均年齢は21歳前後。Z世代が成人し、購買力や消費意欲が高まるのに伴い、bilibiliの影響力は今後、さらに高まっていくことが予想されます。

 若者を中心に影響力を強めつつあるbilibili。今号では、同社のこれまでの発展経緯を振り返るとともに、その特色や強みにスポットライトを当てました。また中国で事業を展開する企業にとって、今後bilibiliを通じていかにZ世代の消費者にアクセスするべきかについても考察しています。

 次に、新たなテーマの「注目企業ピックアップ」で、前号で取り上げた中国新消費ブランドの中から注目企業をピックアップして紹介していきたいと思います。まず第一弾は、高級ティーバッグブランドの「CHALI(茶里)」です。

 今から30年ほど前に、中国に進出したイギリスのリプトン(立頓)。ティーバッグ(茶包)が中国に普及するきっかけとなりましたが、1個0.1元(約1.7円)という低価格が、ティーバッグは安くて質が悪いというレッテルを貼る結果も招きました。

 2014年頃から、ネスプレッソのようなカプセル入り高級茶葉ブランドの「小罐茶」(XIAO GUAN CHA)が、大規模な宣伝・マーケティングを展開。世間から多くの注目を集めましたが、気軽に楽しめるティーバッグ市場では、“安かろう悪かろう”の傾向が続いていました。

 悠久の歴史を誇る中国の茶文化。しかし中国国内の茶市場には、一般大衆向けの大手ブランドが久しく存在しませんでした。そうした中、ここ数年のデジタル化の急速な発展に伴い、新しいタイプのティーバッグブランドが相次いで誕生。市場の空白と膨大なトラフィックを背景に急発展を遂げています。

 2013年に設立された「CHALI(茶里)」は、まさにその代表的存在でしょう。CHALI(茶里)のポジショニングは、高級ティーバッグブランドで、主力商品は、テトラ型のティーバッグ。新しい商品理念やマーケティング手法、チャネル運営を導入。ティーバッグに対する安物のイメージを払拭し、新世代消費の代表的茶葉ブランドとして定着しています。

 2021年の「618」(6月18日)の大型ネットセールでは、天猫(Tモール)の茶商品類、京東(JDドットコム)の花草茶類の双方で売上トップを記録。ティーバッグ業界一の飛躍を遂げました。

 そこで今号では、市場環境や商品、販売チャネル、マーケティングなどの方面から、このティーバッグ業界の新消費ブランドであるCHALI(茶里)に対する分析を試みました。いかに安物のイメージが強かったティーバッグを高級品として生まれ変わらせ、若い消費者の心を掴むのに成功したかについて考察しています。

 そのほか、以下のとおり、中国消費やマーケティングに関する情報が盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2021年9月号(vol. 87)  もくじ
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