ライブコマース人気が持続
今年も見事にランクイン
ライブコマースは、2019年にも番付に登場しているが、その発展に伴い、今年も再度ランクインを果たした。
コロナの流行期、オフラインの消費現場はほぼ完全に動きを止めた。ライブコマースは“瀕死”状態の各社にとって、生き残りを賭けた重要なマーケティングツールとなった。ライブ配信専用のスタジオからだけでなく、店舗や工場、農地など現地から、2020年はあらゆるジャンルの人々がライブ配信で商品を販売する年となった。
中国政府商務部の統計によると、2020年上半期、中国全土で配信されたライブコマースは1,000万回を超え、ライバー(ライブ配信者)のアクティブ数は40万人、視聴者数は500億人を突破。販売された商品の数も2,000万種に上っているという。
大塚家具との業務提携合意が発表された中国家具販売大手の居然之家(EASYHOME)の例を見てみよう。
2月1日から、各店舗からの大規模なライブコマースを展開。3月15日までに308店舗がライブコマースに参加。1日平均のライブコマース実施店舗数は260店前後、1日の平均視聴者数は6.2万人を突破した。1日平均の新規フォロワー数は1.4万人で、受注件数は1日平均3,600件を超えた。
2021年には2兆元超に?
ライブコマースは近年急速に発展しているオンラインショッピングの一業態で、市場規模も急拡大を続けている。市場規模は2019年通年で4,437億元だったのに対して、2020年上半期ですでに4,561億元と、すでに前年1年分の規模を超えている。
国際会計事務所グループのKPMGとアリババ系のシンクタンク「阿里研究院(AliResearch)」が共同で2020年10月に公表したレポート「1兆元市場へと邁進するライブコマース」によると、商店の7割がライブコマースで売上を伸ばすことに成功したという。
また66%がライブコマースにより新規顧客を獲得。ライブコマースにより商品やサービスを宣伝している店舗も6割近くに達したもよう。
さらに2020年のライブコマースの全体規模は1兆元を突破して1兆500億元に、浸透率も8.6%に達するとの試算もある。2021年には2兆元を超え、浸透率も14.3%になるとも予想されている。(図4:中国ライブコマース市場規模)